粘膜が潰瘍により不規則にえぐれて敷石のようになっている(敷石様病変) 3.

クローン病では近年、診断を正確に行うためにさまざまな病気に対して診断基準が設けられています。日常の診療ではここで述べる診断基準を用いてクローン病であるかの判断を行います。(表記は簡単なものにするため改変しています)※ 胃に不連続に潰瘍ができることで竹の節のように見えること以下のいずれかを満たす時、クローン病の確定診断とする参考文献:クローン病では診断や治療方針の決定のため、以下の診察や検査が行われます。これらの診察や検査について説明していきます。クローン病の診断のためには、腹部の診察を行います。腹部の診察には大きく以下のものがあります。上記に加え、お腹を軽く叩いた時の音をもとにお腹の状態を調べる診察方法(打診)を一緒に行うこともあります。ここでは、視診・聴診・触診について説明します。クローン病ではまた、肛門に病変があり、肛門の切除が必要な場合には、人工肛門をつくることがあります。人工肛門は大腸を肛門につながず、お腹から体の外に出すことを言います。排便はお腹の大腸を出している場所から行われることになります。人工肛門を作った場合には、人工肛門の状態が問題ないか、見た目のチェックが定期的に行われます。腸は動く時にゴロゴロと音を立てます。このお腹の音を聞くことで、お腹の動きや状態を想定することができます。診察の際には、腸の動く音を正確に把握するために、聴診器を用いてこの音を確認します。クローン病ではお腹の動きが悪くなると、このゴロゴロとした音が聞こえなくなることがあります。逆に食べ物が腸の狭い部分に詰まると、無理矢理詰まった食べ物を押し進めようとして、腸の音が強くなります。腸から普段経験しないような強いゴロゴロした音がする場合には、腸が詰まりかかっているサインの可能性があり注意が必要です。クローン病では炎症により腸の壁が分厚くなると、かたまりとしてお腹で触れることがあります。またお腹を触ることでお腹の痛みの場所を正確に把握することができます。お腹の中にかたまりが触れることやお腹の痛い場所の分布はクローン病かどうか判断する際に、参考にします。クローン病では直腸や肛門にも異常が起こることがあります。クローン病の診察では直腸や肛門の異常を見つけるため、直腸や肛門の診察が行われることがあります。直腸や肛門の診察は専門用語で直腸診と呼ばれます。直腸診は肛門部の見た目の確認や、肛門に指を入れることで痛みが誘発されないか、異常なしこりがふれないかなどを確認します。直腸診により、直腸や肛門の診察というと恥ずかしいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、直腸や肛門の異常を見つける大事な診察になります。クローン病の診断や治療方針決定において、内視鏡検査は大事な検査です。具体的には細長いまた、ご飯や便などがお腹の中に入っていると内視鏡で胃や腸の中を観察できないため、以下のような注意事項があります。また、検査直前に麻酔をしたり、胃や腸を観察しやすいようにお腹の動きを調節する薬を使うこともあります。なお、腸に穴が空いている場合は、内視鏡検査はできません。クローン病で内視鏡検査は以下の目的で行います。治療の目的に行う場合に関しては「それぞれ以下で説明します。クローン病は腹痛、下痢などの症状があらわれます。しかし、これらの症状は他の病気でも起こることがあるため、症状だけでクローン病と診断することはできません。クローン病の診断のためには、内視鏡検査で実際に何が起こっているかを観察することが必要です。クローン病は胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(結腸、直腸)など様々な場所に潰瘍(えぐれていること)ができます。また、時に「アフタ」と呼ばれる白い付着物のある潰瘍ができることもあります。内視鏡検査はクローン病は胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(結腸、直腸)などいろいろな場所に潰瘍ができます。クローン病の潰瘍はどこにできるか予想が難しく、患者さんごとにも異なります。例えば、大腸にしか潰瘍ができない方もいれば、胃、小腸、大腸すべてに潰瘍ができる人もいます。そのため、クローン病の病気の広がりは内視鏡検査で確認する必要があります。内視鏡検査の結果は治療方針を決める上でも重要です。例えば、クローン病では手術をすることがありますが、病気の広がり次第で手術の方法が変わることがあります。また下痢や腹痛などの症状がない状態でも、内視鏡で観察すると炎症が残っていることがあります。内視鏡検査をしないとわからないような小さな炎症でも、症状をぶり返すこともきっかけになることがあり、内視鏡検査で定期的に観察しながら十分な治療が行えているか確認していく必要があります。「また、最近では早期のクローン病で行う画像検査には以下のものがあります。それぞれ以下で説明します。消化管造影検査は造影剤を胃や腸の形を確認する検査です。造影剤は造影剤の投与の方法には、経口法(造影剤を飲む)と注腸法(肛門から注腸する)があります。経口法は胃や小腸の形を、注腸法は大腸の形を確認したい時に行います。クローン病の人では腸の形がいびつになったり、狭くなっているのが確認されます。そのため、消化管造影検査を用いることで、どこに病変があるかを確認することができます。CT検査も腸の炎症や狭窄を確認することができる検査のひとつです。筒状の機器に入って検査は行われ、お腹の中の状態や腸の形状を調べることができます。消化管造影検査と異なり、一度に腸全体を撮影することができることが強みです。CT検査はクローン病の状態が悪い時に起こる腹腔内クローン病では肛門のまわりに膿(うみ)ができることがあります。これをクローン病において、血液検査は以下の目的で行われることがあります。それぞれ以下で説明します。クローン病は腸に炎症が起こる病気です。実際に腸に炎症が起こっているかを確認するためには、内視鏡検査で観察する必要があります。しかし、内視鏡検査の体への負担を考えると、気軽に何度もできるものではありません。そのため、血液検査の「炎症マーカー」と呼ばれる項目を確認することがあります。例えば、クローン病の治療が始まって薬の効果があるかをチェックする時に、患者さんの症状の改善と合わせて炎症マーカーの数値が参考にされます。炎症マーカーに該当するものとしては「クローン病では腸からの出血や炎症の持続により医学用語では血液検査はクローン病の治療に伴う副作用のチェックのためにも行われます。具体的にはクローン病の治療薬が肝臓や腎臓の負担になることがあります。治療薬の中には血液の細胞の産生をおさえてしまう(■肝臓の検査肝臓の検査にはAST、ALT、LDH、ALP、γ-GTPがあります。ASTをGOT、ALTをGPTと呼んでいる施設もあります。これらは正常値より上昇している場合に、肝臓に負担がかかっているとみなされます。クローン病の治療薬により肝臓に負担がかかっている場合、AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTPの全てがあがる場合もありますが、一部しか上がらない場合もあります。専門的な話になりますが、肝臓は肝細胞、■腎臓の検査腎臓の検査にはCrやBUNがあります。これらも正常値より上昇している場合、腎臓に負担がかかっているとみなします。クローン病の治療薬により腎臓に負担がかかっている場合、BUNとCrは同時に上がることが多いです。また、薬により腎臓に障害が残ってしまった場合には薬を中止しても値が正常化しなくなります。このような場合、CrやBUNの値の上昇が著しい場合には、緊急でまた、薬の中には腎臓の機能に応じて用量を調整しなければならないものもあり、その際にはCrの値を参考にします。■血液細胞の検査血液細胞の検査には白血球数、赤血球数、Hb、血小板数があります。クローン病の治療薬では副作用で白血球数、赤血球数、Hb、血小板数の値が下がることがあります。これらは同時に白血球数、赤血球数、Hb、血小板数すべてが下がることもありますし、一部しか下がらないこともあります。白血球は赤血球やヘモグロビンは体の中で血小板は止血に関わる血液の細胞です。傷が出来た時に自然に出血が止まるのは血小板による止血効果によるものです。そのため、薬の副作用により血小板の数が減ると血が止まりにくくなってしまいます。手足にあざができやすかったり、歯を磨いている時に歯茎から出血することが多い、というようなことがあれば、血小板数が減っている可能性があるので、担当の医師と相談してみてください。便検査はクローン病と診断された場合や疑われている場合に行われる検査のひとつです。便検査には具体的には以下のものがあります。ここではこれらの検査について説明していきます。便に血液が混じっているかを確認する検査です。クローン病では腸に炎症が起こると出血をきたし、便に血が混ざります。この時、大量の出血が起これば、見た目でも便に血液が付着しているのが分かります。しかし少量の場合には見た目では分からない場合もあり、このような少量の出血を検出するために便潜血検査が行われます。便潜血検査はクローン病では腸からの出血を早期に見つけるための検査といえます。便潜血検査の結果をもとに内視鏡検査をするタイミングを決めることもあります。便培養検査は便の中に

CT enterographyによるクローン病の所見 急性活動性炎症

クローン病の診断について クローン病の診断治療の過程はどのように行われるのですか 病歴、臨床所見や臨床検査所見から、まずクローン病を疑います。 Copyright(C) 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター

因るものであった。まず、クローン病診療の中心である内科医に知ってもらうことを目的にクローン 病における種々の肛門部病変を掲載した「Crohn病肛門病変肉眼所見アトラス」を2006年2月に 刊行し、一つの解説書として評価を得た。

またMRIやCT所見は診断の参考となる。 ... Crohn病肛門病変肉眼所見アトラスを参照し、クローン病に精通した肛門病専門医による診断が望ましい。 ... クローン病と潰瘍性大腸炎の鑑別困難例に対しては経 …