アストンマーティンは、初の5人乗りsuv「dbx」を2019年11月20日に発表した。 アストンマーティン初のSUVとして誕生した「DBX」。 5人乗りで、ボディサイズはポルシェ カイエンとベントレー ベンテイガの中間くらいに位置する ホイールベース:3060mm 2004年からアストンマーティン・レーシングがdb9をベースとしたレーシングマシンdbr9で、ル・マン24時間レースとアメリカン・ル・マン・シリーズ(alms)、fia gt選手権に参戦、2009年にはsuper gtのgt500クラスにも参戦している。 2010年から開催されているfia gt1世界選手権では2 … まるでdb6みたい! さる11月20日(水)、中国の北京でアストンマーティン「dbx」が正式に発表された。 創業106年を誇る英国の老舗サラブレッド・スポーツカー・メーカー初のsuvがついに姿を現したのだ。 ワールドプレミアからわずか1日後の11月21日。東京・青山にあるアストンマーティン東京で「アストンマーティン DBX」のジャパン・プレミアが行われた。 会場に展示されたDBXは、現在世界に16台存在するというプリプロダクションモデルの1台で、アジア・パシフィック地域にはシンガポールにもう1台送られているのみという事実からも、いかに彼らが日本市場を重要視しているかが伺える。 堂々たる風格をもちながら上品かつスポーティにまとめられているDBXのエクステリア。ボディサイズは、全長5039×全幅1998×全高1680mm。ホイールベースは3060mmという設定 個人的に今年の7月に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで彼らが“M2”、“1PT”と呼ぶ2台のプロトタイプを見てきたが、改めて目の当たりにした市販仕様は全長5039mm、全幅1998mm、全高1680mmというサイズに加え、暗くライティングされた室内ということもあってか、大きく堂々として見えた。それでも間延びしたように感じられないのは、低く抑えられたノーズと、キュッと絞られた特徴的なリヤスタイルなどのデザインが“効いている”からなのだろう。カモフラージュ越しに想像していたより数倍カッコ良い、というのが正直な印象だ。 DBシリーズに通じるデザインはSUVになっても継承。操作性や視認性にも配慮し、さらにインフォテイメントシステムなどは最新版を搭載する 一方のインテリアはシンプルながら、アストン・マーティンの文法に則った美しくラグジュアリーなもので、センターコンソール下に収納スペースを持つなど実用性も配慮されているのが特徴。また居住空間もスポーティな外観とは裏腹にゆったりと余裕があり、1016mmのヘッドルーム、1060mmのレッグルームをもつ後席のスペースはクラス最大で、レンジローバーよりも広いのだという。 ズボンの裾を汚しにくくするためにサイドシルの位置を最適化するなど、乗員への配慮はこれまでにないアプローチを見せる プロトタイプの段階から「ハードなオフローダーというより、オンロードでの快適性を重視している」という発言があったが、ドアがサイドシルまで覆われることで、乗降時にズボンの裾を汚れにくくしたり、乗り降りや荷物の積載時にライドハイドを調整し車高を50mm下げる機能、40:20:40の分割可倒式リヤシートを備えた632リッターのラゲッジスペース、さらに用途に応じた11種類のライフスタイル・アクセサリー・パックを用意するなど、女性オーナーや、ファミリー・ユーザーを意識した配慮がきめ細かくなされているのも、従来のアストン・マーティンや他社のハイエンドSUVと一線を画する部分といえる。 このほかにも様々な新機軸が盛り込まれたDBXについて、来日したアストンマーティン・ラゴンダ・リミテッドのヴァイス・プレジデント&チーフ・クオリティ・オフィサーのリチャード・ハンバート氏、アジア・パシフィックのマーケティングのトップ、アンドレアス・ローゼン氏らに話を聞くことができた。 DBXのジャパン・プレミアのために来日したアストンマーティン・ラゴンダ・リミテッドのヴァイス・プレジデント&チーフ・クオリティ・オフィサーのリチャード・ハンバート氏。このモデルにかける意気込みを熱心に語った 彼らがなぜSUVを作ることを決めたのか? そこにはこんな背景があったのだそうだ。 「アンディ・パーマーがCEOに就任し、セカンドセンチュリープランを立ち上げた時、アストンマーティンは誰にも頼らずに生きていくことを決めました。そこで会社として発展していくためにどうするのか? そこで調査部が調べたところ、カスタマーの70%がなんらかのSUVを持っていることがわかりました。そして彼らから“アストンからSUVが出ないのか?”という声が大きかったのです」 そうした既存のアストン・オーナーに加え、これまでアストンに興味を示さなかった層にも訴求できるクルマを目指してDBXの開発はスタートした。そこで彼らが掲げたコンセプトは「世界で最も美しいSUV。総合性能でも世界一」というものであった。 初のSUVを製作するために完全に新設計の新規プラットホームを用意。捻り剛性はDB11とほぼ同じレベルを実現しているという 「多くのSUVが他社と共有のプラットフォームを使っていますが、DBXはまったく新規のプラットフォームを使っています」 とハンバート氏が言うように、アルミ押し出し剤を接着したモノコックシャシーはDBX専用に新設計されたもので、大きな開口部を持ちながらも捻り剛性はDB11とほぼ同じ数値を達成している。またアダプティブ・トリプルチャンバー・エアサスペンション、可変ライドハイド、エレクトリック・アクティブ・アンチロールなどを組み込んだ足まわりも、最後の最後にEデフを追加するなど、妥協せず走りに関する改良が加えられた結果、1Gでのロール角がヴァンテージと同じ0.5度を実現するなど、SUVでありながら、DB11並みのスポーツ性能を持つに至ったという。 様々なリサーチを元にしつつ、最終的にはアンディ・パーマーCEOの指示により、車幅は2m以内に設定された ボディサイズに関しては、アンディ・パーマーCEOが全幅を2m以内にすることを指示。それを元に高いスペースユーティリティとアストン・マーティンの名に相応しい走行性能を両立させるために全長5039mm、ホイールベース3060mmという数値が導き出されたのだそうだ。そのほか装備やスペースユーティリティなど、細かい部分まで徹底的にこだわった結果、オン&オフの走行性能と1台で全てを賄える実用性、機能性を高い次元で両立したモデルに仕上がったと胸を張る。 DBXのデリバリーが開始されるのは、2020年の第二四半期からで、日本市場にも遅滞なく導入される予定という。その生産の舞台となるのが新たに開設されたセントアサン工場だ。 DBXが生産されるセントアサン工場は、これまで以上に品質管理を徹底していると語るハンバート氏。最新のデジタルエンジニアリングも導入している 「セントアサンには、ゲイドンで学んだ多くの内容を反映しています」 ハンバート氏によると、ボディの製造ラインでは、様々なチェック過程を用いて、ボディの精度を確実なものにしているほか、トリムの工程では“ポカヨケ”システムを導入してミスがないようにしているなど、二重三重の品質管理を行っているという。 「ここには2つのキーがあります。ひとつは同じミスを繰り返さないこと。ゲイドンで起きた問題を起こさないことです。そしてもうひとつはセントアサンで新しいミスを生み出さないこと。我々はこの2つを重視しており、エンジニアリング、マニファクチャラー、サプライヤーにおいても対策を徹底しています。また今回は多くのデジタルエンジニアリングを導入しています。それにより設計、開発をスムーズに制御することができるようになりました。併せてサプライヤーとも戦略的な開発を行っておりパーツを調達する際も、十分な品質、数量を提供してもらえるような関係を構築しています」 メルセデス・ベンツから供給を受けるパーツを一部に装着するものの、インテリアの印象はアストンマーティンらしいスポーティかつラグジュアリーな雰囲気だ すでに発表があったように、DBXのエンジンは2013年から技術提携を結んでいるメルセデスAMG製の4リッターV8ツインターボを搭載。ギヤボックスもZF製の9速ATとなっており、セントアサンではそれらのコンポーネンツをアッセンブリーする作業が行われる。 「確かに基本的にはアッセンブリーとなります。ただシートにレザー表皮をつける、インパネやボディパネルの取り付けるといったクラフトマンシップを必要とする重要な工程も、すべてセントアサンで行われます。もうひとつセントアサンで特徴的なのは、ゲイドンとは全く違う最新の塗装設備が用意されていることです。特に日本のカスタマーは塗装の品質に敏感ですからね。ゲイドンでも日本仕様のために専用の仕上げ工程を行っていましたが、セントアサンでも同様の対応を行います」 3060mmというホイールベースをもつだけにリヤシートの居住性は高い。シート高もベストな位置を見出しているうえ、レザーの質感もラグジュアリーカーらしい仕上がりを見せる セントアサン工場の生産能力は年間5000台。将来的にラゴンダのEVの生産も行われる予定なので、その全てがDBXに割り振られるわけではないが、アストンマーティン全体の生産台数が飛躍的に増えることは間違いなさそうだ。 「アストンマーティンが増えるのは良いことだと思っていますが、ゲイドンはスポーツカーのみで年間7000台、セントアサンは年間5000台。合計1万2000台が我々の限界です」 ヴァンテージにも通じるリヤ周りのデザイン。SUVとしては、かなりユニークなチャレンジだったはずだが、それでも違和感がないのは見事というほかない そう聞くと、アストンマーティンならではの希少性、プレミアム性が薄まるのでは? と危惧する声もあるが、DBXは大量生産車ではなく、あくまでもハンドメイドのエクスクルーシブな製品であり、その心配には及ばないとアンドレアス・ローゼンは付け加える。 「アストンマーティンは106年の歴史の中で、これまで9万台のクルマを製造してきましたが、そのうちの95%が現存しています。アストンマーティンを購入することは、ただのクルマを買うのとは違うのです」 TEXT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI) 【SPECIFICATIONS】ボディサイズ:全長5039 全幅1998 全高1680mmホイールベース:3060mm車両重量:2245kg前後重量配分:54/46地上高:190 – 235mm エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ総排気量:3982ccボア×ストローク:83×92mm圧縮比:8.6最高出力:405kW(550ps)/6500rpm最大トルク:700Nm/2200 – 5000rpmトランスミッション:9速AT駆動方式:AWD ステアリング:電動パワーステアリングサスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンクブレーキ:前後ベンチレーテッドディスクキャリパー:前6 後シングル ピストンディスク径:前410 後390mmタイヤサイズ(リム幅):前 285/40YR22(10J) 後325/35YR22(11.5J) 最高速度:291km/h0 – 100km/h加速:4.5秒CO2排出量(NEDC):269g/km燃料消費量(WLTP):14.32L/100km 車両本体価格:2299万5000円(税込) 【問い合わせ】TEL 03-5797-7281 【関連リンク】No.1ゴードン・マレーの最新スーパーカー「T.50」は伝説の再来か。自然吸気V12の全容に迫る【後編】No.2ニューデザインを纏ったジャガー Fタイプ コンバーチブル試乗! 高品質な仕上げにライバル不在の完成度を見たNo.3マクラーレンF1の衝撃、再び! ゴードン・マレーの最新作「T.50」が積むV12の詳細判明!【前編】No.4最高出力730ps! 史上最強のV8エンジンを搭載する「メルセデスAMG GT ブラックシリーズ」デビュー【動画】No.5マクラーレン720S スパイダー試乗。秀逸なデザインに隠された本質的な性能【動画レポート】2020年6月26日 17:55マクラーレン GT 再考! エレガントなミッドシップカーに見る唯一無二の世界観2020年5月19日 17:55TOYO TIRES、ニュル24時間レースに向けて始動! 10年ぶりに挑戦する狙いとは【動画レポート】【PR】2020年3月5日 11:55サーキット全開で見えた、新型シボレー コルベットの本質【C8 試乗記 後編】2020年4月29日 17:55BMW 2シリーズ グランクーペとメルセデス・ベンツCLAを国内最速比較! 渡辺慎太郎が吟味する2020年4月17日 17:55ヴァンテージの7速MTに試乗! 最新アストンマーティンを島下泰久がマニュアルで操る【動画レポート】2020年4月5日 17:55伝統の最終章「ベントレー ミュルザンヌ」を渡辺慎太郎が味わう【PR】2020年3月18日 17:55ルノー メガーヌ R.S.
概要.
アストンマーティン初のSUV「DBX」が発表されました。 一時期はヴァレカイ(ロマ語でwherever、つまり「どこへでも」の意味)になると言われていたのですが、結局DBXに落ち着いたようです。. クルマを知る・楽しむこのページでは正式発表された画像を追加し、スペック等の記述を修正しました。また、スパイショットは削除しました。(2019/11/20)カモフラージュ無しのスパイショットを追加しました。(2019/10/19)最新のスパイショットを追加しました。(2019/08/31)ニュルブルクリンクでのスパイショットを追加しました。(2019/04/13) このページではアストンマーチン・DBXについての最新情報を随時更新しています。 アストンマーティン・ヴァンキッシュsクーペ ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4730×1910×1295mm ホイールベース:2740mm トロフィー Rに山田弘樹が挑む! 筑波サーキットでタイムアタックを決行【動画レポート】【PR】2020年3月19日 17:55ディーゼルでもスポーティ! アルファロメオのSUV「ステルヴィオ」を味わう【動画レポート】【PR】2020年2月28日 20:24SUV対決!「ポルシェ カイエン」の実力と魅力は最新のメルセデスやBMWに勝るのか?【動画レポート】【PR】2020年3月16日 11:55フォード GT40はいかにして神話になったのか。60年代の英雄たちの物語を辿る【Vol.1】2020年1月15日 9:01アストンマーティン初のSUV「DBX」試乗! プロトタイプとは思えない高い完成度を確認© GENROQ Web.