どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。 本屋の生命線になりつつある“本屋大賞”。アメトーークの読書芸人などでご存知の方も多いことだろう。普段から小説と接している人間はもちろんのこと、小説をあまり読まない方にも手引として利用できる素晴らしい賞レースである。そんな“本屋大賞”も2018年で15回目。 そこで日夜、読書中毒ブロガーとして活躍している私が、普段小説を読まない方にも、自信を持ってオススメできる最強作品たちである。 ちなみに、選考のポイントとしては…  この3つを特に重視している。素直に楽しめる作品を選んでみた。なので、実のことを言うと私個人の好みとしては、もっと紹介したい作品はあるのだが、あえて自我を抑えて紹介している部分がある。そう、それがプロの仕事ってもんだ、と言ってしまう辺りが素人である。ごめんあそばせ。 では行ってみよう。 ※ちなみに紹介している順番はランキングではありませんので、あしからず。   だって、天才すぎるスパイたちの活躍劇は痛快そのもの。短編小説なのでサクサク読めてしまうし、作者の仕掛けてくるトリックがバッチバチはまってるから、 そして、なによりも最大の魅力は天才スパイたちを束ね、“魔王”の異名を持つ結城中佐。この傑物を生み出しただけで作者の柳広司を褒めてやりたい。頬ずりしてあげたい。あの髭面を撫でてあげたい。髭面かどうか知らんけど。     やはりこの辺りの腕前は放送作家として活躍した経験がものを言ってるのだろうか。色々と言われる彼の作品だが、余計なことは気にせずに踊らされればそれはもう最高の読書体験になる 。特に上下巻と非常に分量の多い作品だが、一気に読み終えてしまうことを保証する。   ぐぬぬ…なぜこれが大賞を獲らなんだ。私が森絵都好きなのを差し引いても、塾経営を続ける親子三代の奮闘を描いているのだが、もうね、この躍動感?爽快感?共感?快感?…とにかく色んな“感”が読んでいる最中に押し寄せてくる。それを可能にするのは、森絵都の達者すぎる筆。この御方の文章は上手すぎる。児童文学を中心に活動している森絵都だが、人の内面を的確に表現させたら日本一。そして何よりもタイトルね。森絵都のタイトルはいつも「そういう意味かー」と唸らされることばかりなのだが、今回もバチコーンと決まってましたね。やられてくださいっ。   脳汁をダラダラ垂らしながら楽しんでほしい。私なんか翌日仕事だったのだが、そんなこと忘れて(実際は忘れてなんかおらず、「そんなことよりも読まずにいられるか!」という感じ)そういえば、随分前にこの『新世界より』のサイドストーリーとして『旧世界より』を書いているという話を耳にしたのだが、単なる噂だったのだろうか。めちゃくちゃ楽しみにしているのだが…。   若年性アルツハイマー病をテーマにした重い作品である一方、人間の美しさや切なさを存分に描いていて、病に冒されることの残酷さ、滑稽さ、運命。悲しい描写が多いかもしれないが、この作品の根底にあるのは、深い深い人間賛歌である。ほんと超オススメ。もし「この世から小説を一冊だけ残すなら?」という質問をされたら、きっとこれを選ぶと思う。それくらい好きな作品。    個人的に天才の称号を与えてもいいと思っている作家“乙一”。そんな彼の別名義“中田永一”による作品『くちびるに歌を』である。コンクールを目指す合唱部の活動を中心に、揺れ動く中学生たちの心情を乙一らしい淡い筆致で描いた名作。こちらも映画化済み。美人教師役は我らが新垣結衣である。ズルい。彼らの大会の課題曲である『手紙~拝啓 十五の君へ~』にちなみ、「未来の自分への手紙」を織り交ぜながら語られる物語は、青春ものとしても素晴らしいけど、その評価にプラスして、泣きました。    主人公は狸だ。でも喋る。人間に化ける。権力争いだってする。天狗には頭が上がらない。人間に食べられちゃうことも。主人公の狸たちが愛らしくて仕方ない。健気だけど能天気で、妙にグッとくる。ふざけた物語なのだが、ちょっと泣かされる。あんな毛深い連中に泣かされるとは…!狸が主人公、というだけで敬遠されがちだけれども、   描かれる人間の汚さが半端ではない(でも実話を元にしている)ので、メンタル的に弱い人が読むとトラウマになるかも。私もオススメしている一方で、今でも若干引きずっているところがある。子供兵のあのシーンは…もう…。とっても毒でもあり、なのにとってもエンタメ的で面白かったりと、とってもはた迷惑な作品である。存分に振り回されてほしい。読み終わったときの疲労感も本屋大賞ノミネート作品の中で屈指かも。    正直、面白い本が読みたいんだったら「伊坂読め」で済んでしまう。それくらい信頼できる作家。全く内容が読み取れないタイトルで敬遠されがちだが、冒頭からグイグイっと引き込まれるので、そのまま身を任せてほしい。色々オススメしたいけど、全部ネタバレになってしまうので自粛!     警察小説と言えばこの人、横山秀夫である。作品数はそこまで多くないのだが、とにかく粒より。この記事では紹介しないが、短編集なんかは絶品中の絶品である。そんな横山秀夫だが体調を崩してしばらく作品を発表していなかった。あまりにもその期間が長すぎて「このまま死ぬんじゃないか」と諦めかけていた所への『64(ロクヨン)』である。感想を簡潔に言うと「待った甲斐があった」である。それにしても、上手すぎです。   森絵都作品をもういっちょ。彼女の筆によって描かれる、思春期特有の愚かさや儚さ、青さは、身につまされるものがありすぎて、読みながら悶えること必至。いらん黒歴史とかを思い出してしまうことだろう。   日本ミステリー界屈指のストーリーテラー雫井脩介最大のヒット作である。豊川悦司主演で映画化もされたのでご存じの方も多いことだろう。『64(ロクヨン)』も警察小説としては傑作だけど、こちらはもっと真正面から事件との戦いを描いていて、甲乙付けがたい面白さ。    できるだけ同じ作家は出ないように努めているのだが、それでも伊坂は…外せない…。ありとあらゆる手を使って読者を楽しませてくれる伊坂だが、実は意外と融通が利かない所があって、どの作品も似たような仕上がりになってしまう。それはそれで作家としてある程度の質を担保してくれるのだから、ファンとしては安心できる要素である。しかしながら、それでも作家として新たな地平を切り拓きたい気持ちがあるのか、たまに野心作みたいなのを発表することがある。だが、ただの恋愛小説と侮ることなかれ。伊坂の魔法はやっぱりここでも発揮されえいる。じっくりと酔いしれるがいい。     さてこちらも安定の映画化をされているのだが、内容は映画映えするようなものかと言うと、ちょっと疑問かな…?私は原作を読んだ映画を基本的に観ないので、映画の方の評価は分かりませぬ。でも主演が宮崎あおいだから、きっと間違いない。本屋大賞との相性良すぎ。物語はどちらかと言うと、淡々と進んでいく感じなのだが、少女漫画的展開は、人によってどうやら評価が分かれるらしいが、私は存分に心を乙女にして楽しんでしまった。こういうのはハマったもん勝ちである。    で、この『サウスバウンド』もまさしくそんな作品で、生き生きとしたキャラクターたちが動くだけで、無類の面白さを発揮している。メチャクチャな父親に振り回される思春期の少年には同情してしまうが、それでも面白いから困る。これぞエンタメ。ちょっとファンタジーなラストも込みで大好きな作品。というか、 そういえばこれも豊川悦司主演だったような…。別に豊悦ファンという訳じゃないです。      作品には作者の人間性がどうやったって反映されるだろう。そしてもしそれが事実なのであれば、この作品は2009年の本屋大賞を受賞している。一体みんなどうしてしまったのだろうか。正直、イカれているとしか思えない。なんでこんな邪悪な作品を1位に推してしまったのか。全国の書店員が揃いも揃って、こんなに後味の悪い作品を勧めてしまうなんて、世も末である。しかし、実は私にはその気持ちが分かる。     なんとこれ以上でもこれ以下でもない。何か深い教訓があるわけでも、 ひねりの利いたストーリー展開があるわけでもない。なのに面白い。超面白い。背徳感MAXで楽しめる。やはり背徳感は人を没入させる最高のスパイスである。 それにして、前途有望な高校生が殺される様子が面白いなんて、それに、こんな作品を思いつき、作品として完成させてしまう貴志祐介も十分サイコパスである。     京都舞台に繰り広げられる摩訶不思議で何でもあり、荒唐無稽な物語は、森見登美彦ならではの独特な味わい。それゆえに中毒者続出。私自身も初めて書店で彼の作品を試し読みしてからこのかた、ずっとファンである。モリミー最高。 ちなみにこの美しすぎるタイトルは、大正時代に発表された『ゴンドラの唄』という楽曲の冒頭をもじったもの。黒澤明の名作『生きる』で主人公が夜の公園のシーンで歌っていたことでも有名である。  森見登美彦を紹介したら万城目学も紹介せずにはいられないだろう。京都を代表する小説家といえばこの2人。万城目学は森見登美彦よりもバトル寄り。より大衆受けしやすい作家だと思う。デビュー作からずっとヒットを飛ばしていた彼だが、歴史物を読んだことがない人であれば、入門編として最適だろう。   え?伊坂幸太郎ばかり勧めすぎじゃないかって?仕方ないだろう、面白いんだから。伊坂幸太郎作品の魅力のひとつである 軽妙な文章にちょっと吹き出しながら、でも死神という不吉な存在と、彼と出会ったら1週間後に確実に死が訪れるという非常な設定が、短編集なのでサクサク行けてしまうのも魅力のひとつ。そして連作短編の仕掛けを利用したあれ…。まあ、読んでくださいな。    ここまで熱く紹介してきて、最後まで読んでくれた方々のために、オマケとして「個人的に最高だったけど、初心者にはキツいかも?」な作品たちを紹介しておきたい。ひとクセあるけど、愛すべき作品たちである。 おかしな家族をひたすら描くだけで、あの分量。やばし。一気読みしたなぁ。  本屋大賞を受賞した『天地明察』のスピンオフ作品なのだが、正直こちらの方が面白いという皮肉。  上質なミステリーを書きすぎた横山秀夫が、あえてミステリーを捨てた作品。日航機墜落事故を、元記者が描く、しかもあの横山秀夫。面白くならないわけがない。  Amazonで笑ってしまうほど低評価の作品。作品どうこうもあるけど、アメトーークであんな紹介のされ方をしたのが最大の原因だと思う。私はボリボリ読んだ。   本当はまだまだあるけど、全部紹介しているとキリがないので、この辺で!では! 以上。  読書中毒ブロガーひろたつが、生涯をかけて集めた超面白い小説たちはこちら。⇒  

     気がついてしまったのだが、伊岡瞬はヤバい作家だ。この男の著作、とにかくまあ読ませる。“伊岡機関”と称される独特のリーダビリティは、“強烈な謎”と“圧倒的不安感”で読者を捉えて離さない。こちらの『悪寒』では、それなりに普通に暮らしていた会社員が、転がり落ちるように最悪の事態へと突き進む様が描かれる。こうやって書くと何が面白いのか、という感じだが、これがもう面白いのである。 物語に心を鷲掴みにされたい方。オススメである。読書中毒ブロガー。読むのは好きだけど、一瞬で忘れてしまうおバカちゃん。普段は大企業の末端で、大量の部下を抱えて死にそうになっています。というか死にたい。はやくブログで稼いで、自由を手に入れたいと常々思いながら、ゴロゴロしちゃう背徳感。ほしいものリスト⇒引用をストックしました引用するにはまずログインしてください引用をストックできませんでした。再度お試しください限定公開記事のため引用できません。

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