本当に「流浪の月」に出会ってよかったと思います。 今回は、本屋大賞を受賞した「流浪の月」のあらすじとネタバレ、結末そして書評について紹介します。 著者、凪良ゆうさんについてはこちらをご覧く … 【流浪の月】のあらすじ・ネタバレ感想をご紹介! 2020年本屋大賞を獲得した凪良ゆう氏の人気文庫本。 試し読みしてみようか悩む方、あらすじが気になる方、映画化が気になる方、読み方が分からない方、結末が知りたい方、はぜひ本記事を参考にしてみて下さい! 少女を誘拐し監禁した罪を着せられた文は医療少年院に入り、その後は実家の離れで母親に監視されながら暮らし、30代でカフェを開きます。そして、あの事件から15年、更紗は34歳になった文と再会します。いろいろな価値観の人間がいること、自分とは全く違った環境で生きている人間がいることを私達が理解しなければ、「加害者」と呼ばれる人の人生も「被害者」と呼ばれた人の人生も、私達は握りつぶしてしまうことになるということを、この作品は鋭く示唆しているのかも知れません。このインターネットが発達し、情報が溢れている時代に、私達はただ流されるのではなく、自分の感性をしっかり持って物事を見なければいけないということを考えされられました。一人っ子の更紗は両親に愛されて育ちましたが、父親が世を去り、その後母親が家を出て、一人放り出されます。また、昨年、一昨年の本屋大賞受賞作品についてはこちらをどうぞ。周りは19歳の誘拐犯が9歳の少女に何もしないはずはないと決めつけますが、二人の間には性的な関係は成立していなかったのです。ましてや叔母の家で従兄弟から性的虐待を受け、必死で耐えてきたことを9歳の少女が簡単に言える訳はありません。更紗は、ここでも騒ぎになりいられなくなったら、どこにでも行くと機嫌よく、いろいろな都市や国の名前を並べます。最後に「流浪の月」についての書評から、心に残った文章を紹介したいと思います。引用元 https://www.bookbang.jp/review/article/587302そして、たった一人、自分を本当に受け入れてくれる存在があることで、その人の心は守られ、生きていけるのだと。母親が恋人と過ごすためにほったらかされ、一時期、更紗と文が面倒を見た梨花は二人の本当の姿を知っています。そこでの暮らしが不理解な人達のせいで破綻したら、また次の地へ移ります。しかし文は成長して行くにつれ、周りの友達との違いに気づき、自分のことを家族にも友達にも隠して過ごすようになります。引用元 https://asagiiro-library.com/2020/02/19/book-review-rurounotsuki/私は「流浪の月」を読み始めたとたんに、この世界観に浸ってしまい、時々自分のことを振り返りながら、そして主人公の二人の幸せを祈りながら読了しました。恋人に触れられても冷え冷えと固まるばかりの身体と心。理由を考えるたび、思い当たる原因に心を叩き潰されて、いつの間にか考えることをやめてしまった。更紗は文の家で、久しぶりに自由を感じ、二人の穏やかな日々が始まりました。父も母も去った後、叔母がいなかったら更紗は食べるものも寝る場所もなかったのですから。「流浪の月」の結末には、著者、凪良ゆうさんの優しさと一筋の希望が感じられます。今回は2020年本屋大賞に輝いた「流浪の月」のあらすじとネタバレ、結末そして書評について紹介しました。そんな二人が出会い、共に過ごす空間にはそのままの自分でいられる安心感と互いへの信頼関係が芽生えたのです。更紗は叔母に引き取られますが、今まで育った更紗の家の価値観とは違いすぎて、更紗は居場所のない日々を過ごすことになります。更紗は文が好きだけれども、彼に対する気持ちは〈恋とか愛とか、そういう名前をつけられる場所にはない。どうしてもなにかに喩えるならば、聖域、という言葉が一番近い〉と考えている。同時に、文のそばにいることを強く望む。生きるために彼が必要だからだ。更紗の感情は恋愛とどう違うのか。文の何が他の人ととりかえがきかないのか。繊細に描いているところがいい。しかし、父親の死をきっかけに今までと全く違う価値観そして性的虐待を受ける中で、自分を殺して生きなければいけなくなりました。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。テレビのワイドショーでは何度も何度もその情報が流れ、加害者と被害者の生育歴や友人のコメント、卒業アルバムの写真など、これでもかこれでもかと視聴者に迫ってきます。世間がどれだけ文と更紗を誤解し批判しても梨花だけは二人の理解者です。事件から何年経っても情報を更新し続ける人物がいるということも非常に怖いことです。私達はそれを見て、真実を知った気になり、隣人に得意げに話して聞かせる・・・。あるトラブルをきっかけにふたりは追い詰められていく。断片的な情報をもとに人間をわかりやすい型にはめこむ世間に、更紗が最後通牒をつきつける三〇二ページは、読んでいて霧が晴れるような心地がした。更紗は時間が経っても「かわいそうな被害者」として皆に同情され、誰にも心を開かずに大人になりました。引用元 https://ddnavi.com/review/596324/a/「○○は今」というようなテレビ番組もありますが、芸能人が再び世間に注目されるために出るのとは違い、一般人を扱うのは大きな罪だということも考えさせられます。兄は優秀だけど、他の人のように成長できない自分は捨てられるのではという恐怖を感じながら生きています。文も居場所をなくし、公園のベンチに座って時を過ごしていました。自分のことを理解し、そのまま受け入れてくれる人が、この世界に一人、いや二人はいるのですから。誰からも理解されない、理解してもらうつもりもない、誤解と偏見でまみれたこの世界で生きる主人公は、一見「孤独」だろう。しかし、その孤独を、これでもかというほどに「幸福」な筆致で著者は描き切った。この作品は、あまりにも冷たく、それでいて不思議と私たちの心を解きほぐし、軽くする。この完成された唯一の物語に、ありふれた言葉で、あらすじや説明を付け足すことは、どうしても咎められる。真っさらな状態で、才知に長けた著者の精彩を放つ筆致に飲み込まれながら、是非余す事無く堪能してほしい。引用元http://www.webdoku.jp/cafe/ootake/20191017100000.html更紗はファミレスで働きながら男性と同棲しますが、その男性はDV癖を持っていたのです。また人の好みや価値観は様々で、自分の物差しで人を裁くことは、その人を殺すことになるのだということも。文は、「こうあらねばならない。」という気持ちに支配され、子育てもマニュアル通りに行う母親のもとで育ちました。一方、更紗は常識的ではないが、自分のことを愛してくれる両親のもとで育ちました。二人の名前も顔もテレビニュースで流れ、文は少女監禁罪で逮捕され、更紗は養護施設へ。 彼女は傷つけられておらず、むしろ希望と安らぎのみを相手に見出していたのだとしたら?残るものは多いので、ぜひ一度手にとって読んでみることをおすすめする。しかし、その生活も、彼が幼女誘拐事件の犯人として逮捕され終わりを迎える。何かの被害にあった人や病気で苦しんだ人に対する配慮が必要でないとは言わない。そんな時は自分を知ってくれている人に話を聞いてもらおうと思う。人との関わりには不可欠なものだが、そんな善意に苦しめられて生きている1人の女性がいる。ReaJoyは読書エンターテインメントメディアです。読書をもっと楽しむために役立つ情報をお届けします。「日本一楽しい読書メディア」を目指しています。最終的に更紗、そして文が、この出口のない善意と誤解の渦から抜け出すことができたのか、それとも、閉じ込められたまま、それぞれ別の新しいスタートを切ることになるのかは、ぜひ本書を読んで確かめてほしい。ここまで読んでもらうと、本書は救いの無い物語のように思われたかもしれない。それらが逆に保管スペースを取り、結局処分することになってしまった事を思い出した。どうしようもない歯がゆさが続く重い内容の作品ではあるが、決して読みづらくはない。文という人間に対する誤解を解こうと更紗が何度か訴えかけても、その言葉はほとんど響くことなく、むしろ「誘拐犯による洗脳が抜けていないかわいそうな女性」としての印象を強めてしまう。ただ普通に「同僚」「友人」「恋人」などとして接してもらうことが実はとても有り難い。彼は、更紗が学校の友達と遊んでいる公園のベンチに座り、自分たちをじっと見ている「ロリコン」と噂されていた人だった。大人になった更紗は、当時世間を賑わせた「家内更紗ちゃん誘拐事件」の被害者としてひっそりと生きていた。相手の心情や境遇を想像して、気づかい、優しい言葉や行動を示したりすることではないかと僕は思う。今後、自分も何かのきっかけで「解きがたい誤解」を受けることがあるかもしれない。真実から外れた善意に息苦しさを覚えていたが、ある日偶然、文と再会することになる。事実と真実はちがう。そのことを、ぼくという当事者以外でわかってくれる人がふたりもいる。「善意のある自分」を確認するためではなく、真に当事者のための行為となっているかどうかを一度立ち止まって考えたい。幼女誘拐事件により一時引き離されてしまった悲劇の他に、どのような「つらいこと」があるのかにも注目して読んでもらいたい。怒りや蔑み、上からの哀れみ。そんなものなら、なんのためらいもなく投げ捨てられる。けれどその中に時折、優しい気持ちが混じる。この人を理解したいとか、自分になにかできることはないかと、そういう善意がわたしの足をつかみ、そっちにいってはいけないと強く引き留める。喫茶店のオーナーとしてひっそりと働く文と出会ってから何度か会うようになるが、それについて恋人から心配され、妬まれ、キツい束縛や暴力を受け、彼女はこのように告げる。きっとすれ違いが絶望的なものになってしまうのも、善意というフィルターの先に誤解が存在するから。家内更紗(かない さらさ)は小学生の頃、大好きな両親の元で平和な暮らしを送っていた。読書好きの方のお役に立てる情報をお届けします。読書は話題の新作から不朽の名著まで幅広く読みたいと思っています。漫画も大好き!わたしのしていることは、きっとおかしいんだろうね。心配してくれてありがとう。でも、もう見捨ててほしい。もちろん、負の感情を投げかけられるのはキツいし、それをする側も「いけないこと」と分かっている場合が多い。当時、誘拐事件はニュースで話題になっていたし、文が逮捕された時に更紗が泣きながら彼の名前を叫ぶ様子が動画として世間に出回ってしまっていた。ただそれだけで「世間なんてその程度のものだ」と気が楽になるかもしれない。一度デジタルタトゥーの烙印を押されると、インターネットが普及した時代ではなかなか忘れられることができない。多くの人の中にある『力なく従順な被害者』というイメージから外れることなく、常にかわいそうな人であるかぎり、わたしはとても優しくしてもらえる。世間は別に冷たくない。逆に出口のない思いやりで満ちていて、わたしはもう窒息しそうだ。2020年の本屋大賞受賞作品ということもあり、グイグイと先に進みたくなる面白さもある。自分も誰かに善意を向けすぎてはいないだろうかと、心配になった。「被害者」という面をかぶせられ、息苦しい善意の中に閉じ込められながら日々を送っていたある日、かの青年と偶然再会し2人の人生が揺らぎ始める。

むい 「愛と性と存在のはなし」第6回 〔愛と欲望の痛みと傷… 4. 本がひらく 最終選考レビュー⑥『流浪の月』 14. 『流浪の月』の内容・感想をネタバレしない程度に知りたい。 ... 1 『流浪の月』のあらすじ ... 『流浪の月』を読むと、言葉ではうまく言い表せない心の動きを、巧みな比喩と豊富な語彙で的確に表現されて … 流浪の月の読了レビュー【7選】 以下にてツイッターの読了したレビューをいくつかご紹介しておきますね。 僕と同じく流浪の月読者さんがたくさんいたのはテンションが上がりました。 これから流浪の月を読もうとしている人はぜひ参考にしてくださいね。 流浪の月の主人公は、家内更紗という9歳の少女です。 更紗は両親にとても愛されて育てられました。 (彼女は、奔放な家庭で育てられたこともあり、柔軟な考え方を持っています)