映画の著作物(えいがのちょさくぶつ)は、主に著作権保護に関する条約や法律における用語であり、著作権の保護対象となる著作物のうち、劇場映画作品その他動的な映像表現を伴う著作物を、他の一般著作物と区別して言い表すために使用される言葉である。映画の著作物は、その創作過程および流通過程に他の著作物にはない特徴をもつことから、その著作権の性質を規定する特別な条項が、条約および各国の法律にみられる。 著作権情報センター(CRIC)は、著作権の正しい理解と、より良い著作権制度の実現を目指し、著作権思想の普及、著作権関連情報の収集・提供、研究会・研修講座、調査研究、国際協力・交流など多彩に活動しています。 頒布権は、著作財産権において専属的に「映画の著作物」を保護する為の権利となっています。頒布権は、「映画の著作物」の製作者・制作会社が映画のフィルムのコピー、コピーしたフィルムの譲渡・貸与を独占的に行うための権利となっています。 著作物は永遠に保護されるわけではありません。著作権法では「著作権の保護期間」が定められており、この期限を過ぎれば著作権は消滅します。ただし保護期間にはさまざまな条件があり、条件ごとに保護期間や起算日が異なります。まずは、著作権の保護期間をまとめた下表を見てください。表を見ると、著作権には大きく分けて「映画以外の著作物」と「映画の著作物」という2種類があることがわかります。この2種類には、下記のように著作権保護期間に明確な違いがあります。映画以外の著作物:50 … 映画の盗撮に関する著作権法の特例 著作権法第30条第1項では,私的使用を目的とするときは,例外的に著作権者の許諾なく著作物の複製ができることとされていますが,映画の盗撮の場合については,この規定は適用されません。 https://topcourt-law.com/intellectual-property/2018-copyrightlaw-revision はじめに近時、AIやIOTなどといった新しい技術が出てきている一方で、著作権法がそのような新しい技術を想定した規定を設けていないため、「ユーザーの需要に著作権法が追いついていない」とも言われています。そのような状況下で、平成30年5月18日に「本改正は、著作権に何らかの関わりをもつ事業者にとって、業務の効率化にもつながりうると期待されています。そのため、改正された具体的な内容とともに、今後どのようなことが許されることになるのか、などについてしっかりと理解しておくことが重要です。そこで今回は、著作権法改正を4つのポイントに絞って、弁護士が詳しく解説します。目次「著作権は、著作者以外の者に勝手に著作物を使われたり転載されたりしないことを権利として認めたもので、たとえば、わたしたちもよく目にする投稿動画や画像も著作物にあたります。このように、著作物には著作権が与えられ、この著作権に関するさまざまなルールを定めた法律が平成30(2018)年5月、著作権法はその一部について改正案が成立し、公布されました。なぜ著作権法の一部が改正されることになったのか、その背景について、次の項目で見ていきたいと思います。近時、技術の進化に伴い、AIやIOTなどといった新しい技術を音楽や映画などの著作物や教育における教材などに取り入れる事業者が増えてきました。ですが、著作権法にはこのような新しい技術を想定したルールが定められておらず、ユーザーのニーズに対応できていないという問題が指摘されていました。特にAI学習のために、ネット上などから生データを収集して学習用データセットを構築する過程で、ネット上の他人のコンテンツ(著作物)を対外的に利用する行為等が違法とされてしまう点が問題でした。そこで、著作物をよりスムーズに利用できるようにするために、主に具体的には、情報関係の事業や教育、障害者、アーカイブの利活用に関する著作物をより円滑に利用できるようにすることを目的とした改正であるということがいえます。今回の改正は、著作権法のなかでも「現代において、小説や音楽、映画などといった著作物は日常的に創りだされており、それぞれの著作物には当然ながらその著作物を創りだした「著作者」が存在します。そして、著作物が完成した時点で発生するとされている著作権は、著作者に帰属するとされています。著作権は独占的に著作者に帰属するため、著作者以外の第三者が勝手に著作物を利用することはできません。第三者が他人の著作物を利用するためには、仮に、著作権者に無断で著作物を利用した場合、著作権者からもっとも、著作権者の許諾を受けなければ著作物を利用できないという原則を徹底すると、企業活動や有益な利用が阻害されることにもなりかねません。そこで著作権法は、より円滑に著作物を利用できるようにするため、一定の場合にかぎり、例外的に著作権者の許諾を受けなくても著作物を利用できるようにしました。そのため、著作権者に独占的に帰属するはずの著作権が制限されることになります。このような例外的な規定を「今回の改正案では、この「権利制限規定」を見直し、より自由に著作物を使用できるようになりました。以上のことを前提に、今回の改正のポイントについて、以下で具体的に見ていきましょう。今回の著作権法改正のポイントは、以下の4点に整理することができます。それぞれのポイントについて、次の項目から具体的に見ていきましょう。デジタル化・ネットワーク化の進展は、著作権との関係でも新たな問題点を生んでいます。これまでは音楽や写真、映画などの著作物はそれぞれが独立したものとして別個に扱われていたため、著作権法も別個に扱って保護する仕組みになっていました。他方で、デジタル化・ネットワーク化の進展によりデジタル信号による情報の置換えが可能になったことは、これらの枠組みをなくし、一つの著作物が新たに成立するということを意味します。このような著作物を著作権法上どのように扱うかが問題となります。以上のような問題点を踏まえ、改正著作権法は権利制限規定について以下の3つの類型に分類・整備しました。これらを簡単に整理したのが以下の図です。それぞれの類型について、以下で順番に見ていきましょう。一定の目的(鑑賞など)をもって著作物を利用する場合、本来的な著作物の利用にあたるのが原則です。そのため、その目的が非営利で行われたような場合を除き、著作権者の許諾を受けなければなりません。ですが、たとえば、コンピューターの内部処理だけに供することを利用目的とした著作物のコピーなどは、本来的な著作物の利用にあたらず、著作権者の利益を通常害さないと評価できます。たとえば、などは、著作権者の許諾を受けることなく、著作物を利用できます。新たなサービスの提供に副次的に著作物を軽微に利用するような場合は、本来的な著作物の利用にはあたらず、著作権者に与え得る不利益が軽微であるということがいえます。たとえば、は、著作権者の許諾を受けることなく、著作物を利用できます。今回の改正では対象になっておらず、これまで通り、著作物の利用目的ごとに今後制度の検討を行うとされています。たとえば、報道や教育に関して著作物を利用するような場合があたります。情報通信技術の進展に伴い、最近では、この技術を教育に取り入れている学校も少なくありません。このような教育機関では、授業や予習・復習に端末を用いていることが多く見受けられます。従来、学校などの教育機関で授業に使用する教材については、著作権者の許諾を受けることなく複製することが可能でした。もっとも、ネットワークを使った教材などの送信行為は、著作権者の許諾を受ける必要があったため、教育上有益な教材を利用できないとの指摘がありました。今回の改正により、以上のようなネットワークを使った行為について、著作権者の許諾を受ける必要がなくなります。もっとも、無償で利用できるわけではなく、障害者に係る権利制限規定は、さらにこの項目では、特に実務に影響を与えると考えられる視覚障害者に係る改正について見ていきたいと思います。具体的な改正点は、次の6点です。以下で、簡単に見ていきましょう。今回の改正により、これまで著作権者から許諾を受けることなく録音図書を作成することができた施設の範囲が拡大され、公共図書館や学校図書館などが新たに加えられました。「これまでは、適用対象外の施設において障害者が録音図書を持ち帰りたいと考えた場合には、障害者自身が録音機器などを持参し、その場で録音してもらうというような手間が必要でしたが、これからはそのような手間を必要とすることなく録音図書を持ち帰ることが可能になります。これまで、著作権者の許諾を受けることなく作成できる資料は録音図書のみとなっていましたが、今回の改正により「たとえば、テキストデータや映像資料のサウンドを映像の音声解説とともに録音することができるようになります。また、外国語で書かれている文献を日本語に翻訳したうえで録音することも可能になります。これまで、②によって作られた資料は、視覚障害者に対する貸出し・配信にかぎってのみ使うことが許されていました。ですが、今回の改正により、これまでは、視覚障害者のみを利用対象者としていましたが、今回の改正により「たとえば、視覚障害者のほか、聴覚障害や知的障害など一定の障害を持つことにより、視覚著作物をそのままの方式では利用することが困難な人などが利用対象者に含まれることになります。これまで見てきた①~④はどれも範囲の拡大を内容としたものでした。ですが、作成対象となる資料の範囲は今回の改正により、作成方法の範囲が拡大され、さまざまな形式で資料を作成することが可能になりました。ですが、これらの形式により作成されたものがすでに市場に流通していて手に入れることができる場合には、著作権者の許諾を受けることなくその形式で資料を作成することはできなくなりました。 以上のように、視覚障害者のほかにも一定の障害により書籍などを持つことができない人のために、著作権者の許諾を受けることなく録音図書を作成できるようになりました。このことにより、従来よりも障害者が情報に接する機会を確保できるようになったということがいえます。日本における文化資料の適切な収集やそれらの利用促進のために、アーカイブの利活用促進について、以下の点が整備されます。それぞれについて、簡単に見ていきましょう。絶版などにより美術館などで展示される「今回の改正は、補償金の支払いを確実に受けられる国や地方公共団体などについて、事前の供託を不要とし、著作権者と連絡が取れた場合に、事後に補償金を支払うことを認めることとしました。以上のように、紙媒体での掲載に加え、今後は、※なお、今回の改正について詳しく知りたい方は、文化庁が出している「法律の施行は、以上のように、改正ポイントのすべてが一律に施行されるのではなく、デジタル化・ネットワーク化などの進化により、国民の意識やニーズも当然に変わっていきます。今回行われた著作権法の改正は、そのような状況を受けて、より円滑に著作物を利用できるようにすることを目的としたものです。これまでは、著作物を利用するにも著作権者の許諾が必要であったため、何かと事がスムーズに進まなかったという経験をした人もいると思います。今回の改正は、これまでの縛りを緩和する方向で行われており、特に改正事項に関係する人にとっては、極めて有意義のある内容になっています。多少細かい点もありますが、きちんと理解しておくことは、大変意味のあることだと考えます。これまでの解説をまとめると、以下のようになります。