今から「シャーロック・ホームズ」を読もうとすると、真っ先につまづくのが翻訳。ホームズに限らず海外作品すべてに言えることですが、翻訳次第で作品のおもしろさは天と地ほどの差が開くので慎重に選びたいものです。また、翻訳そのものは悪くなくても、時代が進むにつれ言い回しが古臭くなってしまうこともありますね。むしろそれがいい、という人もいるでしょうし、出版されてる数が数なだけに好き嫌いも多種多様です。全ての翻訳作品を読んでベストを見つけるのが1番ですが、そこまでいけばもはや愛好家。読む前から「どの翻訳が良い?」と悩んでる方にとっては、そんなわけで!私自身ずいぶん悩んだうえで、読みやすさに重点をおいた翻訳本をご紹介します。まず重要な原作の刊行順を抑えておきましょう。上から順に、「緋色の研究」(長編)「四つの署名」(長編)「シャーロック・ホームズの冒険」(短編集)「シャーロック・ホームズの回想「バスカヴィルの犬」(長編)「シャーロック・ホームズの帰還「恐怖の谷」(長編)「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」(短編集)「シャーロック・ホームズの事件簿」(短編集)の、全9巻。基本的にどこから読んでもわりと問題はないのですが、「回想」と「帰還」だけは順番を守ることを推奨します。無難なのは、やはり原作の刊行順に読むことですね。そうなると「緋色の研究」からになるんですが、初っ端から長編!小手調べでいきなり長編は重いな〜と感じる場合は、大体において、この「冒険」がホームズシリーズの指標となっていて、おもしろかったなら他の作品も楽しめますし、そうでなかったなら縁がなかったと判断できます。実際に、「緋色の研究」を飛ばして先に「冒険」を刊行していたりと、日本における翻訳本の刊行順は原作とちぐはぐです。これも読みやすさ、とっつきやすさを考慮しての並び替えなんでしょう。というわけで、最初に読むのにおすすめなのは、続きは、原作の刊行順でも翻訳本の刊行順でもお好きなほうを。こちらは少し特殊な形態で、同シリーズのなかで翻訳者が2人います。が、「シャーロック・ホームズの冒険」「冒険」以外の作品となっており、石田さんは「冒険」のみです。現時点(20/07/12)で全巻出揃っていませんが、残りの「事件簿」もおそらく駒月さんが担当されるでしょう。なら「冒険」だけちょっと雰囲気が違うんじゃないの? と心配するかもしれませんが、そこは問題ありません。どちらも遜色なく読みやすい翻訳をされています。まさに現代風で、違和感のない言い回しがスッと入ってきます。ところどころで漢字を開いてくれているため、パッと見からでも読みやすさが伝わってくるのが◎。あまりにも漢字がぎゅうぎゅうだと読む前からウヘェ……ってなりますからねw人物の口調もほぼ同じなので、そのままスッと読み続けられます。違うところというと、石田訳のワトスン駒月訳のワトスンこれくらいでしょうか。ワトスンの一人称は「私派」が多いですね。ほかの出版社でも軒並み「私orわたし」ですし。地の文とセリフで一人称が違うため、そこが気になってしまうかもしれません。 読みやすさならピカイチです!惜しむらくは上述したとおり、まだ全巻出揃っていないことです。最新の「恐怖の谷」が19年10月に出版されているので、あともう少しすれば「事件簿」も出るでしょうか。「事件簿」が出れば、ようやく全巻出揃います!すぐに全巻揃えられなきゃイヤ! という方や、別の人の訳でいいから残りの作品を早く読みたい、といった方は次に挙げる出版をおすすめします。新訳版:深町眞理子こちらも角川文庫に負けず劣らずの読みやすさを誇っています。角川よりは少〜し硬いところもあるかな? という程度です。ワトスンの一人称も駒月訳と同じ。角川文庫が無ければ、深町訳のホームズが1番になっていたことでしょう。それくらいすんなりと読めます。ちなみに、旧訳版:阿部知ニ旧訳なだけあって古くて硬くて若干読みづらい印象です。アイリーン・アドラーがアイリーネ・アドラーだったり、日本語の表現が少しひっかかります。ワトスン「ぼくは帰るほうがいいだろう」(出典:シャーロック・ホームズの冒険/アーサー・コナン・ドイル、阿部知二) おすすめ本、主にシャーロック・ホームズの考察 トップ > シャーロック・ホームズ > 『唇のねじれた男』-「シャーロック・ホームズの冒険」を読んでみた。 おすすめの翻訳本 角川文庫. Powered by 引用をストックしました引用するにはまずログインしてください引用をストックできませんでした。再度お試しください限定公開記事のため引用できません。
ド、ドウイタシマシテ?! おすすめ作品を選ぶのが非常に難しいシャーロック・ホームズ作品。その中から、ホームズの性格等やワトソンとの関係性を特に知らなくとも、単純に楽しめそうなものをご紹介します!投稿記事
そうした姿がまたシャーロックホームズの魅力の一つなのだと感じます。 おわりに.
赤毛組合(The Red-headed League) ※他の邦訳として「赤毛連合」、「赤髪組合」など。 「シャーロックホームズの冒険」に収録された短編の2番目の作品です。 この作品はミステリ界でも最高傑作との誉れも高い名作で、私も一番好きな話です。 というわけで、全体のあらすじをざっと紹介。 普段使いにおいてはまっ...
「そっちは気にしなくたっていい。これにはきみの助力が必要になるかもしれないし、ぼくにとって必要なら、依頼人にとってもおなじこと。そら、ご入来だ。きみはそこの肘かけ椅子にかけて、せいぜいぼくらの話を傾聴していてくれたまえ」(出典:シャーロック・ホームズの冒険/アーサー・コナン・ドイル、深町眞理子) 元FFFTP愛用者な私ですが、FileZillaにはすんなり移行できました!...
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創元推理文庫はセリフで「助力」「ご入来」「傾聴」という言い回しが出てくるあたり、ホームズがお硬い人に感じられますね。光文社文庫は創元推理文庫を若干柔らかくした文章で、ホームズの印象としても少し柔らかくなっています。とはいっても、光文社文庫は他より「〜〜したまえ」という表現をよく使う傾向にあるので全体的に硬さは抜けきれないですね。それから個人的に気になるのは「肘かけ椅子」云々の部分。どちらもちょっと説明くさいかなぁと。セリフなら角川文庫みたいに簡潔なほうがしっくりきます。そこまで言及するほどでもないといえばそうなんですがw ホームズのような頭のキレが欲しい人生だった。シェアするフォローする