食用ほおずきは観賞用のほおずきとは違って甘くて美味しい植物です。鑑賞用のほおずきと似ているので見て楽しむこともできますし、その後収穫して食べる楽しみもあります。そんな食用ほおずきの育て方を種まきから収穫までまとめました。見つけたら手にとってみてください。2020年06月07日更新Physalis pruinosaナス科ホオズキ属古くからヨーロッパでは食べられていましたが、日本では平成に入った頃から食べられるようになったのが食用ほおずきです。観賞用のほおずきとは違い実の色が黄色く、みかんのような酸っぱいけれどおいしい果実です。トマトに似た酸味があると表現されることもあります。草丈は180cm以上と高く生長します。観賞用のほおずきは朱色の実がなります。昔からよくみるほおずきといえばこちらの種類です。食べると苦く、毒性があります。特に妊婦は食べないように注意が必要です。植木鉢で簡単に栽培でき、ホームセンターや園芸店でもよく見かけます。草丈は90cmほどです。7月頃からはじまって10月頃が最盛期となります。翌年の3月頃まで収穫されるのが食用ほおずきですが、現在はハウス栽培もおこなわれていますので、スーパーなどでは一年を通して見かけるようになりました。北海道や秋田など特産品として販売もされている食用ほおずきの種類はたくさんあります。その数は100種類以上といわれています。種類によって原産地も違っていてアジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸といろいろな場所が原産地です。ゴールデンベリーは南米のペルー、ブラジル、コロンビアなどが原産の種類です。ほかにストロベリートマトやインカベリーと呼ばれることもあります。甘くてパイナップルやチェリーのようだといわれます。この種類はマンゴーのような味や香りがします。マンゴーというだけあって甘みがありフルーツのようです。食用ほおずきは種から栽培できます。種まきをするために採種する場合はトマトと同じように完熟した実をつぶしてから1日~2日ほど発酵させます。その後水洗いするのですが、浮いてくる種ではなく沈んだ種だけを取り出して、日の光で干してから今度は乾燥させて種まきに使います。育苗ポットを使って種まきをするとよいです。培養土を入れて真ん中に種を数粒まいて、土をかぶせて土が乾燥しないように霧吹きで水やりをします。3週間くらいたつと本葉が2~3枚になりますので数粒から発芽した中から一番よさそうな一株残して間引いてしまいます。その後葉が5~6枚まで生長したら鉢やプランターや畑に植え付けをしましょう。種はぎりぎり土で隠れるくらいにまいて、深くまきすぎないように気をつけます。そうすると7日~10日で発芽してくれます。種まき直後は水をたっぷりとやって種の中まで水を吸収させるのですが、種が飛んでいかないように気をつけましょう。苗の販売も見かけますので種からではなく苗から栽培する方法もあります。苗から育てるメリットとしては、種まきからの栽培とは違い発芽するかどうかを気にしなくてもいいので初心者には簡単だということがあります。本葉が5~6枚まで生長したら植え付け時期なのですがだいたい5月~6月頃が植え付けの時期です。鉢植えにするときは8号鉢に一株が目安となります。また、プランターや地植えの場合は十分に株間をとって植え付けをしてください。プランターには二株くらい、地植えは株間50cm~60cmくらいが目安です。よく伸びるので株間は100cmくらいあっても大丈夫です。寒さには弱いので15℃以下になるようでしたら株元を腐葉土などで覆うとよいです。また、夏場の乾燥も食用ほおずきにはよくありませんので梅雨が明けたら敷きワラなどで覆うようにします。食用ほおずきの株は脇芽がたくさん出て横に広がっていき幅をとります。株間が十分にないと日当たりも悪くなってしまいます。できるだけ株間をとるように注意しながら植え付けをするとよいです。食用ほおずきは多年草です。鉢で育てていると特にですが、根が生長するにつれて窮屈になってきてしまいます。茎や葉は剪定すればある程度まとまりますが土の中がぎゅうぎゅうでは実をつけてくれません。またナス科の植物である食用ほおずきは同じ場所で栽培し続けると連作障害が発生します。植え替えをすることにより連作障害も防ぐことができます。植え付けと同じように植え替えのときも株間を十分にとることが大切です。余裕のあるスペース確保が食用ほおずきを育てるポイントとなります。植え替えの時期は植え付けと同じで5月~6月頃がおすすめです。地植えは2年~3年に1回新しい土に植え替えをします。鉢植えやプランターで栽培しているときは毎年植え替えをしましょう。鉢植えやプランターはできるだけ一回り大きなサイズに変更します。そうすることで生長して窮屈になっていた根がまた伸びるようになり、根腐れを防いだり再び生長を促すことができます。植え替えをするときに鉢のサイズをこれ以上大きくしたくないというときには根を半分にして、そのまま同じサイズの鉢に植え替えをするという方法もあります。食用ほおずきの育て方で気をつけたほうがよいこととして乾燥に注意するということがあります。乾燥に弱いので土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをしましょう。しかし、地植えは乾燥した日が数日続かない限りは水やりはあまり必要ありません。夏は地植えも、鉢植えもプランター栽培の場合も乾いていないかチェックをかかさないようにします。夏は日中の暑い時間を避けて朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしてください。食用ほおずきの増やし方には株分けや種まきがありますが、挿し木でも増やすことができます。挿し木をする際には親株から挿し木にする枝をとります。時期は3月上旬から4月頃が適しています。挿し木にするのは若い枝葉の部分がよいので、枝の最上部がおすすめです。5cm~10cmほどの長さでカットしてから葉を2~3枚残して取り除きます。その後挿し木にするために切り口を1時間~2時間くらい水につけておき、挿し木専用の培養土に挿し木します。土に挿すときは、先に割り箸などで穴をあけておいてから作業するとよいです。根が出るまでは午前中日光が当たって、午後は日陰になるような半日陰の場所が適しています。また、乾燥しないようにこまめに水遣りが必要となります。植え付けをしてから30日ほどで花が咲き始めます。すべての花を咲かせてしまうと栄養がそれだけ分けられてしまうので実が小さくなってしまったり収穫量が減ってしまいます。そこで、剪定をして外側の蕾は摘み取るようにします。脇芽が多くなりがちなので脇芽を摘んでしまい収穫を多くすることをおすすめします。また、風通しをよくするためにも整枝をしっかりと行うようにします。剪定をして整枝をしないと病気になったり実のつきが悪くなりがちです。また青い実のままで落ちてしまうという悩みも剪定することで解決することがあります。剪定しないで伸ばしっぱなしにすると食べ頃まで熟してくれなくなってしまうのです。食用ほおずきは枝が横に伸びてきて込み合うので、側枝は実を1~2つほど残してその先の葉も1枚残し摘芯することがいいかもしれませんね。食用ほおずきに肥料は与えなくても生長しますが、肥料を与えると収穫量が増加したり生長が早くなります。分枝がみられなかったり、実が青いまま落ちるときには追肥が有効です。肥料はリン酸が多い野菜用のものにすると花や実が生長しやすいです。よくないのは窒素分の多い肥料で、窒素分が多い肥料を与えると茎や葉ばかりが育って花や実がつきにくくなります。肥料は植え付けのときに緩効性化成肥料を与えます。生育期には月に1回緩効性化成肥料を与えるようにします。また、花が咲き始める5月~6月頃には週に1回ほど液体肥料を与えると実が多くなりやすいです。食用ほおずきは比較的病気には強いですが糸状菌などの病原菌が原因の白絹病になることがあります。株や土が白い糸状のもので覆われていく病気です。湿度が高いところで発生しやすくこの菌が発生すると治療ができません。他の株に感染することを防ぐために処分します。4月~8月に発生しやすいです。新芽や茎について吸汁し食用ほおずきを弱らせます。見つけたらすぐに対策しましょう。薬剤を散布したり、ガムテープでとってしまうとよいです。6月~9月に発生しやすいです。茎から栄養を吸いとります。日光をしっかり当てて、風通しをよくすることが大切です。そのまま触ると臭いのでピンセットでつまみとったり、ガムテープで捕獲しましょう。窒素分の多い肥料はやりすぎるとカメムシの発生につながりやすいです。食用ほおずきはどの種類も草丈が高く生長するので支柱を立てて支えないと倒れてしまいます。支柱を立てずに栽培していると、せっかく実がついても実の重みで枝が折れてしまうこともあります。植え付けのときから誘引用の支柱を準備しましょう。それぞれの株の横に60cm以上の直立式支柱を立てて交差する部分を紐で結んで準備しておきます。鉢植えではあんどん支柱でもできます。支柱には上下があり、尖ったほうを土に挿します。挿すときにはぐらつかないようにしっかりと30cmくらいは突き刺しておきましょう。また株元に垂直に支柱を挿すようにするのですが、あとから挿す場合には根元を傷つけないように少しだけ株から離して挿すことをおすすめします。食用ほおずきは花が咲いてから40日~50日ほどで収穫できます。収穫期を逃してしまうとガクごと落下してしまいます。熟してくると実が落ちるようになっているので、収穫するときも枝を強くひっぱったりしないように気をつけてください。中が見えないので収穫時期の見極めが一番難しいかもしれません。実が黄色いものはそのまま食べられる食べごろのほおずきですが、緑色のものは1週間くらい風通しのよい場所において熟してからが美味しいです。容器につめたいときは収穫してすぐは避けたほうがよいです。ガクに水分がある状態なので容器の中で水分が発生し、ほおずきが腐ったりカビが発生する原因となります。容器に入れる際は風通しのよい場所でガクを乾燥させてからいれましょう。最もシンプルな食べ方です。外側のガクがぱりぱりとむけますのでそのまま中の実を食べます。ミニトマトのようなイメージでそのまま生で食べてもおいしいです。レストランではサラダにトッピングされて出てくることもあります。たくさん収穫したときにおすすめの食べ方です。ドライフルーツのように干して食べます。甘かった食用ほおずきが少し酸味をおびます。小腹がすいたときにも手軽に食べることができます。甘みがあってフルーティーなのでジャムやゼリーにして食べる方法もあります。ケーキにいれたり、ソースとして使ったりと使い方を考えるのも楽しいです。食用ほおずきはまだまだ珍しく見かける機会は少ないかもしれません。しかし育て方は難しくなく初心者向けで、見た目もとてもかわいいです。また食べたらフルーティーでやみつきになる人も多いです。食べ方もいろいろ試すとおもしろい発見があります。まだ食べたことがなかったらぜひ味わってみてください。ページの先頭へ食べても美味しい「食用ほおずき」の育て方は?種まきから収穫までの栽培方法を解説!のページです。暮らし~の[クラシーノ]はアウトドアに関連するキャンプや釣り、登山などの情報発信メディアです。これから始める方に向けて、魅力や必要な知識・道具をまとめて読むことができるWebマガジンを無料で購読いただけます。キャンプ登山釣り(フィッシング)サバイバルガーデニングツーリングサイクリングDIYマリンスポーツスカイスポーツウィンタースポーツトラベル山遊び動画