民間人だったカミーユがエゥーゴに入ったのは、資質を見抜いたクワトロに声をかけられため。クワトロがいなければ、カミーユはティターンズに捕まっていたはずでした。 その心境吐露を聞いたフォウは、コクピットにカミーユを招き入れ「カミーユって名前、今でも好き?」と尋ねます。対するカミーユが「とっくに好きさ、自分の名前になっているもの」と答えるのでした。 ファに支えられながら宇宙へ上がるジュードらを見送り、最終決戦の終結に至るまで、思念の力だけで共に戦い続けました。最終話では、献身的な看護によって精神疾患から回復したのか、海岸でファと抱擁し合う姿が描かれました。テレビアニメ版の完結後、20年の時を経て制作された劇場版『機動戦士Zガンダム A New Translation』(2005年)。続編ではなく新訳であり、物語の大筋は『機動戦士Zガンダム』と同じものです。ただし、主人公のカミーユが迎える結末に大きな変更が加えられました。 物語が終盤に向かうにつれ、ニュータイプの「共感する力」が先鋭化し過ぎてしまい、戦場全体の悪意・悲しみ・人の死をより強く感じ取るようになってしまいます。同時に、ただ殺戮を愉しむ者への怒りによっても、精神を傷めつけてしまうのです。宇宙世紀0087年2月21日、グリプス戦役の最終決戦。カツやヘンケン、エマといった親しい人間が次々と命を散らし、カミーユ自身も立ち塞がる敵の命を奪ってしまいます。 グリーン・ノアで隣同士の家に住んでいたファとカミーユは、1話の時点から共に行動する仲でした。ただ、戦争に巻き込まれてアーガマに移った直後は、気持ちのすれ違いから言い合いが増えます。 その後も、ララァとの関係性を思い出したクワトロが、フォウやロザミアの死を引きずらないように、カミーユにアドバイスするなど、ニュータイプ同士ならではのやり取りをしています。1986年3月から、『機動戦士Zガンダム』の続編として放送された『機動戦士ガンダムZZ』。主人公のジュード・アシータは、先の大戦で活躍した「Zガンダム」を奪って一儲けしようと考え、アーガマと関わりを持つことに。これにより、エゥーゴとの“第一次ネオ・ジオン抗争”へ巻き込まれていくという物語です。 ニューホンコンでは、連邦軍のベン・ウッダーにより、ブライトの家族とアムロが人質にとられる事件が発生。カミーユは水中用ザクと交戦し、撃破することで人質奪還のきっかけを作る活躍をしました。生まれつき天性のニュータイプだったカミーユは、他者との思考を共有したり、死者と思念の交信をする「共感する力」が鋭いのだとか。それはつまり、感受性が強すぎるということであり、繊細で起伏の激しい性格もこの能力に由来していました。 しかし、エゥーゴによる「ガンダムMk-Ⅱ」強奪作戦が開始し、ティターンズとの戦闘が勃発。カミーユは個人的な復讐心からエゥーゴに協力し、ガンダムMk-Ⅱを盗み出します。その後、クワトロ・バジーナらとグリーン・ノアを脱出しました。エゥーゴ参加後、カミーユは戦艦アーガマに搭乗。ニュータイプとしての天賦の才を見込まれる中、連邦軍のベテランパイロット、ライラ・ミラ・ライラを撃墜する戦果を挙げます。これにより、アーガマのクルーからは「アムロ・レイの再来」と称されました。 さらに、「カミーユ」という女性的な名前に対して、強いコンプレックスを抱いていた様子。そのため、小型飛行機のホモアビスやジュニア・モビルスーツなど、”男性的”な趣味に傾倒するようになりました。一方で生活能力に乏しく、幼馴染のファ・ユイリィに依存する部分が大きかったようです。 多数の戦死者が出る中、戦場に満ちる死者の思念を受け止め続けるカミーユ。繊細で不安定だった精神は限界を迎えつつあり、宇宙空間でヘルメットバイザーを開けるなど、異常な行動が見られるようになりました。 また、19歳のときに42歳の彫刻家ロダンと恋に落たものの、相手に内妻がいたため三角関係に。妊娠したカミーユ・クローデルは、中絶することとなり、ショックから次第に精神疾患を発症。精神病院に送られます。 キリマンジャロ基地での戦闘後にも、カミーユは「あなたは、シャア・アズナブルに戻らなくてはいけないんです」と明言。それがきっかけとなり、クワトロは自身をシャアと公言し、議会で演説をするまでに至ります。 1985年3月から放送された、サンライズ制作によるテレビアニメ『機動戦士Zガンダム』。ガンダムシリーズの初代、『機動戦士ガンダム』の続編に当たり、劇場版3部作に連なる物語が描かれました。 カミーユはその後も、思念の「声」でパイロットに指示を送ったり、仲間の窮地を知らせるといった活躍を見せます。しかし、再び多くの命が失われる悲壮感に苛まれ、グラスゴーへ降下することに。

結末の変更についても、「カミーユの受け止め方を健やかにすることで、現代の子供たちに対するメッセージを送るために、新訳Zのカミーユの解釈を変えた」と明かしています。公式SNSをフォローして最新情報をチェック 劇場版のカミーユは、無限に拡大するニュータイプ能力による精神崩壊を起こすことなく、シロッコとの決戦後も無事に帰還しているのです。これは、カミーユが他人との触れ合いを大切にし、様々な出来事を成長の糧として受け止めたことが要因なのだとか。 後に劇場版が公開された際、富野は「近年ではカミーユのように感受性が強く、激情的で不安定な子供もいる」と、社会的な現象に言及。そのため、カミーユに感情に移入する視聴者は少なくないだろうと語りました。 容姿端麗な天才でありながら、家族との確執を抱え、恋は実らず、最後には精神疾患……。カミーユ・ビダンとの共通点は、たしかに多いようです。彼女を元にした『カミーユ・クローデル』というフランス映画が制作されていますので、気になる人はチェックしてみましょう。監督の富野由悠季いわく、テレビアニメ版のカミーユに対して、放送当時の視聴者からは否定的な意見が多かったとのこと。最終回において、主人公が精神疾患を発症するという結末は、視聴者に大きな衝撃を与えたようです。 岸を二人で楽しそうに手を繫いで走ったりグルグルしたりしてました。カミーユの病状は改善されてきてるみたいです。ハマーンが死んで争い事の根源が一つ減った事とも関係があるのかな...。 それ以来、カミーユはガンダムMk-Ⅱの専属パイロットに就任。宇宙世紀史上において、最も優れたニュータイプ能力を開花させていきます。また同時期に、ティターンズから転向したエマ・シーンの窮地に気付き、それを救っています。