こんにちはヒポ太郎です!私は作業療法士として働いていますが、目の前の対象者の方々とどのようにリハビリテーションをしていくか?というのをいつも考えます。これは作業療法士として働くから、当たり前のことなんですが、リハビリの決定の際に大きな指針となってくれるのが『今回の記事は少し古くはなりますが、2016年にAHA /ASA(について原著の要約と臨床視点からどのように活用していけるかを記事にしていきます❗️専門職の方や学生で英語得意な方は下記のダウンロードボタンから原著をダンロードして、自分で読んでみてくださいガイドラインというのは『指針』のことであり、要はを治療者・本人・家族が選択するための1つの手段となります。ちょっと余談ですが、ガイドラインを使い方でときどき間違った認識をしている人がいます。上記に述べたようにあくまで『指針』であるということですのでというわけではありません。最低限であり、最高の効果を保証するものではありません。特にリハビリテーションは『話が逸れてしまいましたが、ガイドラインでは大体推奨グレードとエビデンスレベルというものが記載されています。推奨グレードなどはガイドラインの作成元によって異なることがあります。ガイドラインは数多く存在するので、使用する前に推奨グレードとエビデンスレベルの確認を行っておきましょう。本記事で紹介するガイドラインの論文では上図のような推奨グレードとエビデンスレベルになっています。簡単に説明するとこのような感じになります。それは本論文に記載されている成人脳卒中の上肢機能に対してのリハビリテーション効果についてのエビデンスを紹介していきます。脳卒中を経験した人の大部分は上肢機能の問題を伴う。最も一般的なものは麻痺であり、ほとんどのケースで機能障害の鍵となる。脳卒中後、ほんの一部の人しか十分な上肢麻痺の改善は得られず、残りの人は上肢活動に機能障害、活動制限、参加制限が残存し長期化する。日常で上肢活動を行う能力がない人は日常生活の自立を失い、また大切な作業(職や運転など)も失うこととなり、施設に入る要因となるかもしれない。上肢機能の位置付けとしては、ADLの場面だけでなく、趣味や社会活動などに対して重要な役割を持っているという解釈になるかと思います。『腕の動きは、人の気持ちを示す』とも言われますし、より意味のある作業に向けて麻痺手の改善が必要であることを示していると思われます。課題特異的訓練、すなわち機能的な課題訓練は、行動の練習がその行動の改善結果をもたらし、運動スキルの学習または再学習に焦点を当てるということに基づいている。課題特異的訓練の要素は多くの上肢介入を組み合わせている。例えばCI療法やNMESなど。多くの研究によれば、課題特異的訓練の大切な要素は、繰り返し行うこと(repeated)難度の合った機能練習(challenging practice)、目標志向であること(task-oriented)とされている。課題特異的訓練中の体幹抑制には、代償的な体幹運動と近位の運動制御を促進するのに有益である。上肢の筋力を強化することも、改善には補助的に良いかもしれない。療法時間が許すとき、または活動の強化を測りたい時には正式な療法中(リハビリ室での練習)ではなく、それ以外の場所で(生活の空間、病棟の空間)行えればよい。課題指向型訓練のことをいってるんだと思うんですけど、近年の流行りというか、絶対的に必要な要素ですよね!!でも近年は『CI療法などを含め、TOT(Task-Oriented-Training)の報告が多く出てきた分、それの検証が行われるようになり、否定的論文も増えてきています。しかし、臨床的には『根本的にこれが欠如していれば、改善<廃用という感じになり、よくなるものも良くならないと思われます。CI療法は通常の療法に比べて、手首のコントロールや指の伸展など最低限のベースラインの能力を有する個人に対して、上肢活動、参加およびQOLが改善することを証明している。CI療法が他の療法に比べて量に見合った改善が得られるかどうかは明確ではない。CI療法はオリジナルの方法で3〜6時間/日の5日/週を2週間行うか、修正版であれば1時間/日の3日/週を10週間行うことができる。修正版CI療法についてはオリジナルと同等の改善効果が現れてきているが、まだ広くにわたって試験されているわけではない。日本の脳卒中ガイドライン2015でも推奨グレードAとなっており、世界的にも上肢機能アプローチの中で効果の高いとされる指折りのアプローチ方法です。研究数も数多く、特に効果を出している領域が『日本では兵庫医科大学の道免和久先生(医師)や大阪府立大学の竹林崇先生(作業療法士)が筆頭に研究をされ、日本でのCI療法実施も数多く実施され始めています。臨床現場からの意見をからすると、オリジナルのCI療法のプロトコルで実施するには、やや縛りが多く、病院や施設で実施するにも、方法を遵守することが難しい場合があります。修正CI療法という、プロトコルを一部改変して実施する方法も徐々に報告数が増えてきていますので、目の前の対象者と実施できる環境に合わせて実施していければいいと思います。また、対象者をかなり選ぶということもあり、実際にCI療法に適応する方々というのは少ないのが現状かと思います。両側性上肢運動はCI療法のように良い研究がまだない。2つのメタアナリシスと近年の研究では、介入なしの群と比較して小さいが測定可能な利点があることが示唆されているが、他の課題特異的訓練と比較して一定の優れた根拠はまだない。最近の試験では両側性上肢運動はCI療法や修正版CI療法と比較して、個別的に手首や指の動きは維持されるという効果が(CI療法と)同様にあるかもしれないと示されている。両側性の上肢運動も最近では効果があるのではないか?という論文が発表されています。2016年中国で発表された論文では、またその後2019年では臨床場面でも、『片手でやるより、両手でやった方がイメージつきますねー』って言われたり、ラジオ体操などで『両手一緒に動かした方が動かしやすい気がする』と言われることが多々あります。これから徐々に両手動作に関する報告も増えてきそうですね・・特に脳卒中後で個別的に重度な麻痺を呈している人は、上肢機能が改善する可能性が大きく減少する。ロボット療法はこれらの人にとって、より多くの量を提供することができる。上肢ロボットには様々な種類があり、リハビリテーション施設で用いるような仕事用デバイスだけでなく、家庭でも用いることのできる着用可能な外骨格デバイスも含まれます。2012年に更新されたコクランレビューではロボット療法はADLと上肢機能には有効であるが、上肢の筋力には効果がないことが判明した。トレーニングの期間、量、使用された特定の装置、研究された患者集団に関する試験内の変化は、これらの結果の解釈を制限する。さらにロボット支援療法で実施された研究の多くは、投与量を一定した上肢運動療法とではなく従来の療法と比較している。比較対象として用量を統一した運動を組み込んだ研究では、この2つの治療の効果にほとんど違いがないとされている。近年はロボット療法に対しての報告も多くあり、肯定的な報告も否定的な報告もあります。2019年に発表されたイギリスの論文では、しかもこれを発表している雑誌は『ロボットの最大の特徴としては、『中等度〜重度の麻痺に対して、繰り返しの量的な介入ができる』ということが挙げられますしかしながら、量的な介入だけでは変わらないという先行研究から、徐々に否定的論文が出ていることも確かですね・・・臨床現場では徐々に導入されている病院や施設があります。プラスにとらえるのであれば『ReoGo-Jなども実際に使ってみましたが、対象者のリスク管理を行いさえすれば、セラピストがそばにいなくてもプログラムが実施できますので、自主練習などで機能を底上げするには良いツールと思います。ロボットだけで行動が変わらないので、よくなった機能をマネジメントして、生活で麻痺手を使ってもらうようにするのはセラピストの役目でしょう!NMESは最小限の能力のある者の随意性のある筋肉の活性化に使用することができる。課題特異的訓練と組み合わせて使うことで、特に手や手首の筋に使用した場合、上肢活動の改善に有益である可能性がある。または、肩の亜脱臼を予防または矯正することは有益である。IVESやMUROなど、FES(機能的電気刺激)が多く使われるようになり、電気刺激療法と運動療法を組み合わせた効果が高いと報告されるようになりました。2018年に行われたメタ解析では、この他にも感覚閾値帯での電気刺激で良好な結果が得られた報告が多数存在しています。(臨床場面でも使いやすいツールであり、物を選ばなければそこまで高価なものでもないため、かなり有用なものであると思われます。正しい使用方法で使うことで、リハビリテーションの効果を引き上げていけると思います!バーチャルリアリティおよびビデオゲームは、参加への関与および上肢運動の実践の量を増加させる可能性がある。コンピュータベースのビデオゲームは、ハンドヘルドコントローラ(例えば、Wii)およびモーションキャプチャシステム(Xbox Kinect、Microsoft、Inc)を含むものを含む、一般向けのレクレーション目的で広く利用可能である。さらに、これらのシステムは、遠隔監視リハビリシステムとして使用することができる。今日まで、ほとんどの研究は小規模であり、さまざまな技術とトレーニングプログラムを使用しており、一般化は困難でした。コクランレビューは、上肢機能およびADLの点で利点が発見されたが、上肢の筋力の改善は見られなかった。研究は多くの場合低品質であり、この知見の信頼性を低下させた。脳卒中におけるVRのリハビリテーション効果(EVREST)は他施設、無作為化、臨床試験が実施されており、より確定的な根拠を提供する可能性がある。現時点ではVRとビデオゲームは、脳卒中リハビリテーションの過程で運動の実践量を増やすための合理的な代替手段です。もうバーチャルリアリティーに関するエビデンスが出ていているんですねwwまだ導入されている病院・施設は少ないでしょうが、これから主流になる方法の1つとなりうるかもしれません。徐々にこのような研究が増えていき、最先端の機器を用いたリハビリテーションの展開がされていくのでしょう!本記事では2016年にStrokeで発表された、成人脳卒中のリハビリテーションガイドラインの紹介とそれに対しての解釈や感想を述べてきました。2016年時点ですので、少し古くはなりますが、それでもVRなどのエビデンスなどがすでに出来上がっている状態です。ここ近年で大きな雑誌などのガイドラインなどが発表されていないため、また、発表されれば本サイトで紹介しつつ、関連論文なども同時に掲載させていただこうと思います!終わりまで見てくださった方々ありがとうございましたこんにちはヒポ太郎です 私は医学書、研修書、デザイン、マーケティング・ライティング、自己啓発、学習理論、心理学、ビジネス、経済、投資(株、FX)などを[…]こんにちはヒポ太郎です 今回は運動学習の中枢である小脳の機能についてみていきたいと思います 小脳梗塞、小脳出血により小脳の機能障害でリハビリテーション[…]こんにちはヒポ太郎です! 本記事のテーマは「脳溝を見分ける」です 私は回復期リハビリテーション病棟で作業療法士をしており、脳血管疾患の対象者の方と多く[…]こんにちは、ヒポ太郎です 今回は大脳皮質の『前頭葉』に焦点を当てて解説していきたいと思います 結論から述べると、 運動を引き起こす 運動を計画する 学[…]こんにちはk-hippoです。 リハビリテーションの質を高めていくには、対象者個人のNBM(物語)を大切にすることも大切ですが、科学的根拠による裏付け[…]