【ホンシェルジュ】 電撃文庫より発売されている大人気ライトノベルシリーズ。今回ご紹介するのは、物語の大きな節目となった22巻を境い目に、23巻からあらためて始まった新しいタイトル「新約」シリーズです。「新約」として発売されている20巻分を一挙にご紹介します。 ?主人公が不在のまま始まった「新約」シリーズですが、前巻のラストで、無事に当麻も登場。浜面や一方通行と合流することが出来ました。主人公の再登場でますます物語も大きく動くのだろうか、と期待したいところですが、本巻は日常回となります。当麻達は「彼らを心配していたオンナノコたち」による落とし前イベントに巻き込まれてしまいます。具体的にいうと、当麻は御坂美琴と、浜面は前巻から続く「負けたら屈辱のバニーだ! ゲーム」中の麦野とのドタバタコメディが描かれているのです。もちろん登場する女の子は彼女達だけではありません。メインキャラの影がやや薄くなってしまうほどの、強烈なキャラクターが勢ぞろい。個人を深く見るよりも、たくさんの女の子達の登場を楽しむ巻といえるかもしれません。一方、物語がまったく動かないのかといえばそんなことはなく、「新約」シリーズにおける敵の存在や、物語の目的のようなものがわかってくる巻でもあります。レイヴィニアを始め、第三次大戦によってその思惑を狂わされてしまったアレイスター・クロウリーや、新たに彼らの敵となる存在が明らかになるので、これからのシリーズにとっても重要な一冊です。美琴が当麻とともに戦うことも明らかになり、今後の展開から目が離せません。グレムリン――それは、魔術と科学を融合させた謎の組織。第三次世界大戦後に突如として現れたその組織がハワイで暗躍しているという情報を得た当麻達は、レイヴィニアを先頭にハワイへと向かうことにしました。しかし、新ホノルル国際空港に到着した途端、グレムリンの襲撃を受けてしまい……!?前巻で「新約」シリーズの敵が明らかとなり、これから何をしていこうとしているのかも見えてきました。本巻では、そんな彼らの新たな第一歩が始まったという感じでしょうか。グレムリンがどういうものかについても、少しずつ分かってきます。新ホノルル国際空港に付いた途端、グレムリンの襲撃を受けることに。当麻とグレムリンのバトルは、本シリーズらしく面白く読むことができるでしょう。1巻では彼が不在だったぶん、美琴や浜面、一方通行達ともに戦う姿に熱くなる方も多いのではないでしょうか。また、本巻は視点の描き方が独特なのも特徴です。映画などで、ホームビデオを撮っているような映像で物語を進めていくことがありますが、本巻も何かしらのカメラで撮られているかのように描かれています。あまりない描き方でオリジナリティあふれるものにはなっています。全体的にバトルが多いので、前巻のような日常パートやニヤニヤできる展開は少なめ。物語も大きくは進みませんが、伏線と思われる部分も多々あるので読み逃すことはできません。新感覚の第3巻をぜひ楽しんでみてください。格闘大会「ナチュラルセレクター」の開催。突如としておこなわれたその宣言は、グレムリンによる策謀の他ありませんでした。なぜなら、その異種格闘大会の目的は「超能力を凌駕する『異能』」を証明すること。そして、それは学園都市の存在を根本から揺るがすことに他ならず……!?多数の新キャラの登場と、バトルに継ぐバトルが楽しめる「新約」シリーズ第4弾。「新約」シリーズは、前シリーズの面白さが圧倒的だったぶん厳しい評価もありましたが、本巻ではそういった意見も覆る面白さになっています。グレムリンの策謀によって開催された格闘大会「ナチュラルセレクター」。トーナメント方式で、超能力者ではない異能者達が方々から集まってきています。なかには番外編に登場したと思われるキャラクターもいるので、探してみるのも面白いかもしれません。トーナメント方式の格闘大会なんて、王道の少年漫画っぽい展開が始まりそう……と思うかもしれませんが、そんな予想をあっさりと裏切ってくれるのが本シリーズの特徴。始まった大会は序盤であっさりと壊滅状態に追い込まれ、そこからは次々に現れる新キャラの殺し合いへと展開していきます。大きな敵対勢力としては、グレムリンと木原一族です。もちろんメインキャラも登場し、それぞれの信念の元に立ち回っていくので、そちらも注目。本巻一冊だけでも読む価値充分の4巻です。遂に始まった「一端覧祭」。学園都市最大の超巨大文化祭に都市が賑わっているなか、格闘大会「ナチュラルセレクター」の惨劇をかいくぐり、事態を収束された上条当麻が戻ってきました。ようやく彼も学園都市に戻ってきて、美琴やインデックスと平和に過ごせると思いきや、再びトラブルに巻き込まれてしまい……!?前巻では続々登場する新キャラによるバトルがこれでもかとくり広げられていましたが、最後は主人公らしく当麻によって事が収められていました。そして本巻は、そんな彼が学園都市に戻ったところから始まります。彼が目を覚ますと、そこはすでに学園都市。そして、そこでは「一端覧祭」が開かれようとしていました。「一端覧祭」とは、前シリーズでも名前は登場していたのですが、学園都市の学生による学生のための世界最大の文化祭です。前巻のバトルの嵐が嘘のように、彼は一気に日常へと引き戻されていきます。ただし、このまま文化祭を舞台にしたラブコメや日常がくり広げられていくというわけではなく、やっぱりいろいろなトラブルが巻き起こり、彼に至ってはひん死の重傷を負ってしまうのです。ここまで、3巻のように特殊な視点からの文章表現や、続々と現れる新キャラによって物語が進められていくなど、新感覚でありながらも少し読みにくいこともあったかもしれません。しかし本巻は、ほぼ主人公の視点で進んでいくので、彼の話を楽しめるのはもちろん、読みやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。本巻から始まるストーリーは前編なので、後半は次巻へと持ち越しです。いよいよ開幕した「一端覧祭」。世界最大規模の学園祭に、都市の盛り上がりも最高潮です。しかし、そんななかで当麻達は、ある1人の少女・フロイラインを助けようとしており……!?前巻より始まった「一端覧祭」。5巻は前編で、6巻は後編にあたります。やっと平和な日常回を読めるのかと思いきや、再びグレムリンの策謀に巻き込まれ、戦いへと身を投じてしまうことになりました。今回のグレムリンの狙いは、フロイライン=クロイトゥーネという少女。彼女は魔術サイドにも科学サイドにも属さず、殺しても死なない長身の女性の姿をした生命体です。グレムリンはある目的から彼女を狙い、レイヴィニア達はそれを阻止しようと動いており、2つの組織の間に衝突が生まれていたのです。一方、当麻達はフロイラインを助けようと動いています。前巻でひん死の重傷を負ってしまった彼ですが、病院を抜け出し、フロイライン救出に動き出します。もっともフロイライン自身も暴れ回っているので、もはやバトルロワイヤル状態です。予想を遥かに超える意外な展開はもちろんのこと、内面の葛藤なども読み取れて感動する部分も多いでしょう。ちょっとした日常パートがバランス良く配置されていることによって、メリハリのある読みやすさが生まれています。一気に読み終えてしまうこと間違いなしの一冊です。当麻のクラスメイト、そして親友である土御門元春。彼は当麻に、学園都市壊滅を狙う魔術師の目的を阻止するため、霊装を壊すように依頼してきました。霊装を壊すべくさっそく動き出した当麻ですが、なぜか彼が飛び出してしまった場所は名門・お嬢様女子校の更衣室で……!?「一端覧祭」編もひと段落し、本巻は科学サイドの物語です。土御門元春により「暗闇の密室」に送り込まれた当麻。霊装を壊すべくさっそく部屋を抜け出したのですが、目の前に広がっていた光景は、何と女子更衣室!彼は怒り狂った女子生徒から追われる立場になってしまいました。そんな幸か不幸かわからない状況の彼ですが、何とか更衣室を脱出。霊装を壊すべく、捜索を開始します。さて、そんな彼の不幸スペック発動から始まる本巻。しかし前半部分の主人公は、どちらかというと元春のほう。彼はある目的のために動いていたわけですが、ある策略によって義妹の舞夏を殺してしまうことに……。一体、どういうことなのでしょうか。そのことに怒った彼は、激しい復讐心に燃えることになります。彼のバトルはもちろんのこと、その背景にあるものなども描かれるので、ぜひチェックしてみてください。他にも浜面仕上、黒夜海鳥などの活躍が読むことができる他、次巻へと繋がっていくフレメア=セイヴェルンの存在など気になる部分も満載。その辺りのキャラクターにも、ぜひ注目してみてください。ハワイでの戦い、格闘大会の開催、そして学園祭での騒動……すべてには意味と目的がありました。それは、グレムリンによる「主神の槍(グングニル)」の製造。世界崩壊のカウントダウンが迫るなか、上条当麻のベッドの中には、なぜか幼女と、エロい少女が……!?怒涛の展開に目が回りそうな「新約」シリーズ第8弾。とうとう物語のメインとなって出てきた、グレムリンの存在。彼らのボスは、オティヌスという魔人の少女です。彼女は、成功も失敗も50パーセントの確率という魔人の特性を克服するため、「主神の槍(グングニル)」を欲していました。しかし、もしも彼女がグングニルを手に入れれば、この世界は終わりを迎えてしまう……それを阻止するため、当麻達はレイヴィニア達とともに行動を開始することになるのです。「新約」シリーズが始まってから次々に巻き起こっていた出来事は、全て本巻へと繋がる物語でした。次々に話が繋がっていく収束感に、スッキリする方も多いのではないでしょうか。他にも今回の注目としては、やはり当麻と、美琴とインデックスの2人による共闘。しかも、これまで傷つけまいと自分1人で戦うことの多かった当麻が自ら2人に助けを求め、2人もまたそれを力強く受け止めるのですから、心熱くなる読者も多いはず。また、ラストで待ち受ける意外な展開にも驚き。どんなラストになっているのか、ぜひ本編を手に取って確認してみてください。「主神の槍(グングニル)」を手に入れた魔人・オティヌス。その力によって、世界は一瞬のうちに崩壊してしまいました。ただ1人、真っ暗な世界に残された当麻が思ったこととは……?努力も虚しく、グングニルを手に入れたオティヌスは、一瞬にして世界を崩壊させてしまいました。当麻の周りから世界は消え、一緒に戦っていたはずの美琴やインデックス、レイヴァニアもすべてがいなくなります。彼は色のない真っ暗な世界にただ1人、取り残されてしまうのです。公式に「上条当麻の心を挫く物語」と銘打たれているほど、本巻はかなりシリアス。崩壊した世界のなかで、なぜ彼だけがたった1人残っているのか。それは、オティヌスが彼の持つ「幻想殺し」の効果を彼に留めたまま、かつ役に立たないようにして廃人にするためだったのです。そんな理由があるので、彼が見せられる改変された世界はかなりエグいもの。読んでいて辛くなる!と感じる読者の方も多いかもしれません。全編をとおして彼の視点から物語が語られるので、他の巻よりも感情移入がしやすく、だからこそ彼の辛い気持ちがよくわかるようになっています。辛いけど先が気になってしょうがない……そんな第9巻です。世界を崩壊させた最強の敵である魔人・オティヌス。そんな彼女に地獄を見せられた当麻でしたが、一転、彼女を救うため、味方となることを決意しました。彼女を魔人から普通の人へと戻す方法はただ1つ。しかし、それを達しようとする彼らの前には、ともにオティヌスを倒すために戦っていた全世界の連合軍が……!!インデックスや美琴との共闘に心熱くなった8巻、オティヌスによって地獄に追いやられてしまう9巻ときて、何とオティヌスの味方になってしまった当麻。もともと女性を引きつけまくっている彼ですが、魔人まで陥落させてしまうのはさすが主人公といったところでしょうか。しかし、オティヌスの味方になったということは、全世界を敵に回したことを意味していました。それまで共闘していた全世界の連合軍を相手にしながら、彼は彼女を普通の人に戻すため、デンバークへ向かうことになります。そこにある「ミミルの泉」にはオティヌスの片目が沈められており、それを元通り瞳孔に戻すことで、彼女は人間へと戻ることができるのです。目的の定まった当麻達はさっそく動き出すのですが、そんな2人を狙い襲ってくるのは、一方通行や美琴。仲間とのバトルはなかなかに心熱くなるものがありますが、それ以上に、本巻では当麻とオティヌスの間に生まれる絆に注目です。オティヌスの話は本巻で完結しているのですが、ラストは相変わらず予想の斜めうえをいく驚きの展開になっているので、ぜひ実際に手に取ってみてください。シリアスな展開も続いた新章でしたが、ラストはきっとスッキリするので安心して読んでみてくださいね。常盤台中学に通う2年生、食蜂操祈(しょくほうみさき)には、ある隠された過去がありました。それは、あの白いシスターが空から降ってくるよりもずっと前のこと。彼女は、とある交差点で上条当麻と出会っていたのです。前巻でオティヌスの物語も終わり、本巻からはまた新しい物語が始まります。本巻の主人公は、食蜂操祈。中学2年の少女で、精神系能力を操る学園都市屈指の超能力者です。当麻はある理由から前作シリーズの序盤で記憶を失ってしまっているのですが、その記憶を失う前の彼と操祈は、すでに出会っていたのです。その辺りのことが、本巻では詳しく描かれています。実は彼女が、記憶を失くす前の当彼を知っているのではないか、と思わせる描写は既出していたので、もしかしたらそうかも?と感じていた読者も多いかもしれません。彼女と彼のやり取りや、パンツを見られたり、恋人のふりをしたり、間接キスをしたりしている様子が多く描かれているので、軽やかな気持ちでサクサクと楽しみながら読むことができるでしょう。また全編をとおして操祈の視点で描かれているので、彼女の気持ちもよくわかり、読者としては感情移入がしやすくなっています。そして、ラストの展開に驚く方もきっと多いことでしょう。思わず、何だそれ!と言ってしまいたくなるようなエンディングは、涙なくして読むことはできないかもしれません。オヌティヌスを守り切った当麻は、力を失い身長15センチ程の小さな妖精となった彼女とともに、久しぶりに自宅へと戻ってきていました。幸せそうにご飯を食べるインデックスも入れて、彼は漸く平凡な日常を過ごすことになります。そんなある日、オティヌスの頼みでランドマークへと出かけた彼は、そこで加納神華(かのうしんか)という少年と出会うのですが……!?前巻では食蜂操祈の、過去の物語が語られました。前巻もまったくの番外編というわけではないのですが、流れとしては、本巻はその前の巻のラスト、力を失ったオティヌスが当麻の元へと戻ってきたところからの続きとなります。力を失い小さな妖精の姿となった彼女のプライベートルームを作るため、当麻達は高級ドールハウスを購入するためにランドマークへショッピングに行くことになりました。平和な日常のちょっとした1日になるはずが、彼らはそこで再び強大な力に巻き込まれてしまうことになります。彼らの前に現れたのは、新たなる3人の魔人ともう1人、自称魔人の先にいるもの・サンジェルマン。当麻を殺そうと襲いかかってくる彼と、当麻やインデックス、オティヌス、他に浜面達も入れてのバトルが始まります。サンジェルマンの正体を含め、再び自分の弱さを突きつけられて葛藤する当麻や、自分達の信念のために当麻と浜面がぶつかり合う場面なども、見どころたっぷりの一冊。また、新登場の加納神華にも注目。最初は泣き虫でレベル0の彼が、どういう立ち回りをして変化するのか。そんな成長からも目が離せません。上条当麻に訪れた次なる危機……それは、絶望的なまでの進級の危機!そもそも出席日数が足りずに補習を受けなければならなかった彼ですが、これまで補習すらも受けるチャンスを失ってしまい、本気でヤバイところまで来てしまっていたのでした。そんな彼に対して小萌先生は、ハイテク自転車アクロバイクを宣伝するように告げるのですが……!?前巻では自称魔人のサンジェルマンが登場しまたが、本巻は本物の魔人が襲ってくる「魔人襲来編」となります。襲ってくるのは僧正という女性の魔人。ラブレターを偽装して当麻を呼び出すことに成功した彼女は、彼にグレムリンの存在する意味や魔人のしようとしていることを話したうえである依頼をしてくるのですが、当麻はそれを拒否。結果、彼女は力ずくで彼を手に入れようと襲いかかってくるのでした。彼はアクロバイクで、彼女の追撃から逃げる羽目に。途中、美琴も加わり2人で逃げる様子などは、まるでアニメでも見ているかのような動きやスピード感があり、とても面白く読むことができます。また本巻は何より、美琴のターンです。魔人と相対することになった彼女ですが、魔人に目を付けられた結果、心を揺らがされるような仕掛けをされてしまいます。彼女が追い詰められてしまう描写もあるので、彼女のファンにとっては心苦しいところもあるかもしれません。本巻は「魔人襲来編」の始まりではあるのですが、実はこの巻で結末を迎えます。始まりにして終わりの「魔人襲来編」をぜひ楽しんでみてください。魔人・僧正から逃れ何とか生き残った当麻と美琴でしたが、そんな2人の前に突如として現れたのは、上里翔流という少年でした。平凡な少年である彼の右手に宿るのは、当麻の右手に宿る「幻想殺し」の対となる存在、「理想送り(ワールドリジェクター)」で……!?「魔人襲来編」が始まったかと思ったら一気に終わり、そして本巻では新たなるキャラクター・上里翔流が登場します。彼は至って平凡な少年だったのですが、右手に宿る「理想送り(ワールドリジェクター)」を用い、魔人を一掃できる力を持っていました。彼によって全身の99パーセントを失う重傷を負った魔人・ネフテュスによってその存在を知らされた当麻は、魔人だったオティヌスにも危険が及ぶことを感じ取り、彼のことを警戒することになります。本巻の見所はやはりこの新キャラクター・上里翔流。至って平凡な少年だった彼は、魔人達のある理由から生まれた「理想送り」を右手に宿しており、それは魔人を殺す力を持っています。最初、彼が当麻に接触してきたのは、敵対しようとしていたのではなく、同じように右手に力を宿し、「右手しか価値のない」存在である当麻に共感を求めたからでした。しかし、意見が食い違ったことにより対立。2人は敵対関係になってしまいます。翔流は、とにかくその性格がかなりぶっ飛んでいて、インパクトの強いキャラクター。特に、「理想送り」が自分に宿ったことで自分の周りに女の子が集まってくる、つまりハーレムが形成されたことに強い憤りを感じているのですが、その憤りの理由がとても卑屈かつ面倒くさい。ですが、それがおもしろいのです。他にも見所ポイントは多々あるものの、彼のインパクトについ目がいってしまう本巻。ぜひ注目してみてください。「理想送り」の上里翔流と、「幻想殺し」の上条当麻。戦いを終えた2人が、なぜか同じ学校の食堂で向き合っていました。実は、当麻達の学校が僧正の一件で壊れてしまい通学できなくなってしまったため、しばらく他校へ通うことになったのです。しかし、そこにはすでに翔流が転入済で……!?翔流との戦いもひと段落し、久しぶりの当麻の学校シーンが貴重な第15弾です。当麻はもともと小萌先生から進級の危機を告げられていましたが、本巻では学校そのものが壊れてしまい、通学不可になってしまいました。そこで、彼らは代わりに近隣の高校へ通うことになるのですが、そこには何と、相対したばかりの翔流が転入していたのです。再びバトル展開が……!?と、思いきや、この2人は思いのほか普通に交流しており、昨日の敵は今日の味方といった雰囲気になっています。このまま仲良くなるのかな、と思う読者も多いかもしれませんが、そんな予想をあっさりと覆してくるのが本シリーズです。本巻では、翔流の妹で新キャラクターの去鳴(サロメ)が登場します。去鳴は翔流さえも恐れる力の持主なのですが、半裸にレインコートという姿で登場するなど、インパクトは兄に負けていません。新登場である去鳴が本巻のメインヒロインとなり、バトルも彼女を中心に激しい展開をみせていくことになります。一見するといろいろなヤバさを感じる彼女ですが、それもこれも兄のことが大好きなだけという可愛らしい部分も。新キャラクター・去鳴の活躍をぜひチェックしてみてください。学園都市は12月。にも関わらず、気温50度を超えていました。熱波により学園都市のインフラもダメージを負うなか、目の前には水着姿の食蜂操祈や美琴達が……!?前巻で翔流が消失してしまいましたが、それからすでに3日。学園都市を襲う謎の熱波で、当麻達は食糧と水の確保に奔走するというサバイバルな生活をしています。仮にも都市のなかでサバイバル生活をしているとは、序盤から予想外の展開から始まる第16弾です。過酷なサバイバル生活のなかでも、水着姿のヒロイン達が癒しですね。さて、学園都市がなぜこんな熱波に襲われているのかといえば、もちろん理由がありました。原因は、異形の姿をした「エレメント」という化け物の存在です。町中を徘徊するこの化け物と、当麻達は灼熱の環境のなかで激突します。バトル的には、このエレメントとの戦いが見どころポイント。彼らに追い詰められて絶体絶命の当麻を救ったのは、これまた異形の姿をした機械「対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)」を身にまとった美琴でした。本巻は強敵エレメントとのバトルだけではなく、そもそも過酷な環境で生き残らなければならないという側面もあってハラハラ度は高くなっています。また、11巻で語られた操祈の過去が、少しずつ本編へと繋がっていくところもあるので、そちらもぜひ注目してみてください。エレメントの脅威も去り、熱波からの復旧に取りかかり始めた学園都市。しかしそんななかで、消失してしまった上里翔流を取り返すため、上里勢力である100人の少女達が当麻の命を狙い始めて……!?熱波からの復旧に取り掛かり始めた学園都市でしたが、相変わらず通信系のインフラは寸断されていて、都市の混乱は収まっていません。治安が乱れ、無法地帯となってしまっていました。そんななか、エレメントを放っていた張本人・木原唯一によって「新たな天地」へと送り込まれてしまった翔流。残された上里勢力の少女達は、木原唯一の策略によって当麻の命を狙うことになります。ここに100人の少女との対立が生まれてしまうのですが、彼女達も翔流を取り戻したい一心なために、どこか切ないお話になっています。上里勢力の少女達はいずれも優秀な能力を持っている者ばかりで、たとえば、どんな小さな痕跡からでも追跡が可能な追跡のエキスパートの絵恋(えれん)や、空を飛びネットを泳ぐ幽霊少女の冥亞(めいあ)など、個性的なメンバーがそろっているのです。そのバリエーションの豊かさには、驚きとともにワクワクも止まりません。また意外なことに、「新たな天地」へと飛ばされてしまったはずの翔流の視点から描いたエピソードもあります。彼がそこで何をしているのか。なかなか絶望的な状況ですが、読者としてもハラハラしながら読むことができるでしょう。彼は帰還することができるのか……その結末はぜひ手に取って確認してみてください。学園都市統括理事長であり最高権力者。さらには元世界最高で最強の魔術師であり科学者。それがアレイスター=クロウリーです。彼に狙われることになってしまった元春は、妹の舞夏を守るために学園都市の脱出を試みます。しかし、2人には容赦なくアレイスターの毒牙が降り掛かり……!?熱波や化け物、上里勢力との戦いも何とかひと段落し、当麻達は久しぶりに自宅へと戻ってきました。しかしそこで待っていたのは、彼らの分の食べ物を食べ尽くす土御門元春と烏丸府蘭でした。食べ物を食べられてしまったことに怒る当麻ですが、元春達はそんなこと意に介さず、助けを求めてきました。アレイスター=クロウリーに狙われることになってしまった元春は、義妹の舞夏を連れて学園都市を脱出しようと思っており、協力を求めてきたのでした。結局、元春と府蘭、舞夏に、当麻とインデックス、オティヌスを加えたメンバーで脱出を試みるのですが、そう簡単に逃れられないことを悟った元春は、逃げるのではなく攻め込む道を選びます。こうして遂に、彼らはアレイスターと激突することになるのです。その過程で、アレイスターの過去も明かされていくことになります。そしてラストでは、彼がまさかの……?というところも注目ポイントです。本シリーズではもはや定番の、予想の斜めうえをいくどんでん返しが待っているかもしれません。そこはぜひ実際に手に取って確認してみてください。ある日、目覚めたら謎の全身特殊スーツを着せられていた浜面。しかもなぜか脱ぐことができません。そんななか、手首に不思議なタグを付けている赤ん坊を拾ってしまい……!?前巻ではアレイスター=クロウリーが、その過去が明かされると同時に、なぜか究極の美少女へと変貌。そのうえ当麻側に付くという驚きの展開がありました。本巻ではその延長線で、美少女アレイスターに当麻が襲われてしまっています。もちろん逆セクハラ的な意味です。そんな2人のわちゃわちゃも気になるところなのですが、本巻はその他、浜面と一方通行をメインにした騒動が描かれていきます。朝目覚めると、なぜか頭から足の先まで包まれたスーツを着せられていた浜面は、ひょんなことから手首にタグを付けた赤ん坊を、一方通行達から守ることになります。この赤ん坊、実はアレイスターの過去で明かされていた娘のリリス。浜面とリリスを中心に、当麻とアレイスターへどう繋がっていくのかが気になるポイントです。同時に、これまでの勢力図が変わっていくことの確認の巻ともいえるかもしれません。アレイスターが当麻側についたことで、浜面や一方通行との関係も複雑なものになり、さらにインデックスとも敵対関係に近いものになってしまったのです。ここからこれらの関係がさらにどう変わっていくのか、これからも目が離せません。学園都市の最強権力者であり、支配者であったアレイスター=クロウリー。しかし、それももはや過去のこと。何の躊躇もなく学園都市を捨てたアレイスターは、魔術大国イギリスへ全面戦争を仕掛けることにします。一方、単身ロシアに乗り込んでいた当麻の前には一方通行が……!
今日読んだラノベです。電撃文庫『新約 とある魔術の禁書目録11』鎌池和馬 イラスト はいむらきよたか(あらすじと感想)学園都市の常盤台中学レベル5、食蜂操祈は… CV:浅倉杏美学園都市の名門校、常盤台中学に所属する中学二年生(本人は明言していないが)。学園都市に7人しか存在しない最高位の超能力者「レベル5」の一角であり、その序列は第5位。数多くある学園都市の超能力のうち、精神系能力者としては最高の能力といわれる「心理掌握(メンタルアウト)」を持つ。話す際に「~力」という表現を多用する。また、語尾が小文字になることが多い。なお必死になって否定することもあるが、実は極度の運動オンチにしてカナヅチ(体育の授業に出たことがない … 「新約 とある魔術の禁書目録」最新11巻は食蜂操祈がメインヒロイン! pastime 2018年11月29日 8月7日に発売された、「電撃文庫ブートレッグ」Volume.183 にて、 「新約 とある魔術の禁書目録(11)」 が 10月発売予定 だと明らかになりました。