とは言えこのままじゃちょっと乱暴過ぎるので「シャンボード ... が欲しいとか、欲しすぎて夢に出てくるレベルとか、シャンボードがないと自分の理想のコーデ が完成しない…!とかそういうのですね。 そういった 思い入れが木型との嫌相性(デメリット)を超えてくるかどうか で、購入を 汎用性満点。パラブーツのシャンボードが大人のコーデを後押しする 『パラブーツ』の定番として知られる「シャンボード」。質実剛健なデザインや、革靴ながらスニーカー以上に疲れないとも形容される履き心地の1足を徹底的に分析しよう。 牟田神 佑介 エレガントさが引き立つホワイトカラーは暗くなりがちな秋冬のコーディネートをまとめ上げてくれますね。 ネイビーのダッフルコートのINにはホワイトシャツを。ボトムはブラックのナイロンボトムをスタイリング。 濃紺のデニムにグリーンのソックスをコーディネートしてシックで上品な雰囲気に。 ボリューム感のあるベージュのフリースアウターに、濃紺のデニムを合わせてキレイめな印象に。 カーキのアウターのINにはチェックのシャツをスタイリング。ボトムは暖かみのあるブラウン系のボトムをチョイス。白ソックスをチラ見せしてシャンボードで仕上げれば、上品さの漂うカジュアルコーディネートに仕上がります。 カーキのボトムスに相性の良いレッドのソックス、シャンボードはブラウンをチョイス。 数ある革靴のなかでも、独自の存在感を醸し出すパラブーツのシャンボード(CHAMBORD)。製造方法、素材、デザイン、全てにおいて他とは違うオリジナリティに溢れている。今回は、パラブーツの代表作「シャンボード」にフォーカスし、その魅力を紹介!パラブーツは、フランスが誇る老舗シューズブランド。創業者のリシャール・ポンヴェール氏は、若かりし頃から靴職人として腕を振るっていた。1926年、船でアメリカに訪れたボンヴェール氏は、アメリカ人が履いていたラバーブーツに感銘を受け、レザーソールの代わりになるような新素材の靴底のアイデアを思いつく。そして、試行錯誤の末にこれまで前例のなかった「ラバーソール」を完成させた。天然素材に強くこだわったボンヴェール氏は、ラバーソールのためにブラジルから天然ゴムのラテックスを輸入。このときのブラジルの港の名が「パラ」であったことから、自社のブランド名を「パラブーツ」と名づけたのである。1926年に正式に商標登録したパラブーツは、当初ワークシューズの専門ブランドとして展開。1960年代には登山靴専門のブランドとしてアウトドアシューズを手がけていた。その後、より多くの人にアプローチできるようこれまで展開してきた登山靴の特性を取り入れつつ、一般向けにアイテムを展開しているのが現在のパラブーツのスタイルだ。パラブーツが強い支持を得ている理由が「100%メイド・イン・フランス」という点。アッパーレザーはもちろんのこと、ソールに至るまで自社で手がける自社一貫製造のブランドなのである。また、登山靴製造で培った製造技術によって、堅牢性と耐久性を備えさせる点も素晴らしい。パラブーツの企業理念は「invest in your walk=価値ある歩きを」というもの。この「歩き」には、単に「歩く」ことのみならず「人生をともに歩む」という意味も含まれている。シャンボードは、パラブーツの中でも最も高い人気を獲得している、ブランドを代表する1987年に登場したモデルだ。U字型のモカシン縫いが施されたUチップの革靴で、重厚な見た目を持つことからややカジュアル寄りな印象を持つ。油分を多く含んだのリスレザーのアッパーや、「PARA-TEX」を使用したラバーソールなど、独自の素材と技術をふんだんに使用。また、近代の革靴製造では珍しいノルヴェイジャン製法を採用しているのも特徴だ。ドレスシューズにはない耐久性とデザイン性でコーディネートを選ばないため、幅広い層に愛用されている。シャンボードが長年に渡って高い人気を誇る理由はさまざまだが、大きな要因として挙げられるのが、一つひとつのパーツや製法にパラブーツ”オリジナル”のものが使われている点。中でもシャンボードの外見的な部分に最も影響しているのが、アッパーレザーである。革の中でも最高級とされる生後6か月以内のカーフレザーを、独自の製法で鞣したこのレザーは通称「リスレザー(Lisse Leather)」と呼ばれる代物。通常のレザーよりも油分を多く含ませているのが特徴で、独特な光沢があり、その高級感は「フランスの宝石」とまで称されるほどだ。弾力性、耐久性、見た目のツヤ、肌触りなど、高級な革に求められる条件は多岐にわたる。それらの条件をクリアした上で、さらに高い水準を求めるのがパラブーツのスタイルだ。たとえどれだけ上質な革を選んだとしても、靴の最終的な品質は、革がどのように切られたかによって左右されると言われているほど。そして、熟練の裁断師は、革を「読む」とも言われている。細かいシワや血管の痕、傷痕など、すべてを目で見て、手で触ることで無駄を削ぎ落とした最高のカッティングを行なうのだ。パラブーツの裁断師によってカットされた革は、欠陥が巧みに避けられ、革の「ストレッチ製」つまり革の伸縮性が守られているのが特徴。さらにパラブーツでは、何世代も前から同じタンナーと仕事をし、相互の信頼をもとに親密な関係を保っている。フランスでも最も評価の高いタンナーたちによって、シャンボードの革は鞣されているのだ。見た目の美しさだけでなく、十分にオイルを染み込ませたカーフはとても丈夫で、雨に強く、さらに傷みにくいという特性を持つ。ちなみに、リスレザー特有の現象として、数日間放置しているとレザーに染み込ませた「ブルーム(オイル分やロウ分)」が革の表面に浮き出るということが起こる。アッパーが部分的に白くなるので最初は驚くが、乾いた布で拭くだけで元の美しさを取り戻せるため心配は無用である。シャンボードは、革靴でありながら一般的なドレスシューズとは異なるカジュアルライクなシルエットを持つ。ぽってりと丸みのあるラウンドトゥに加え、高さもあるため非常にボリューミィだ。土踏まずでくびれることのないシルエットも実に男性的。登山靴の意匠を取り入れているだけあって、どこかスポーティな雰囲気も漂わせている。この男らしくボリュームのあるシルエットによって、一般的な革靴よりも遥かに幅広いコーディネートに合わせることを可能としているのである。シャンボードはUチップのダービー(外羽根)シューズ。Uチップとは、アッパーの甲周りにU字型のステッチが入ったデザインのことである。このステッチは「モカシン縫い」と呼ばれており、メーカーによってさまざま縫い方が存在する。Uチップの革靴は数多く存在するが、シャンボードはUチップを代表するモデルだと言えるだろう。フランスでは”狩猟”を意味する「シャッス(Chasse)」とも呼ばれているUチップは、フレンチカジュアルやフレンチトラッドを象徴する意匠。デニムやシャツなど、ラフなコーディネートにシャンボードを合わせるだけで、フランスらしいファッションスタイルを構築することができる。シャンボードは着用してしばらく経過すると、モカシン部分が割れる「モカ割れ」という現象が起こる。これはシャンボードのモカシンが”拝みモカ”という手法によって製造されていることが原因。シャンボードを買う以上この「モカ割れ」はつきもので、”起こるべくして起こるもの”とあらかじめ理解しておくのがいいだろう。モカ割れはあくまでエイジングのうちのひとつであり、通常の高級革靴と同じく、革質の風合いなどとともに経年変化を楽しむものである。ひと目で「パラブーツのシャンボード」とわかる緑色のブランドタグ。Uチップモカシンとともにシャンボードのアイコンであり、デザイン的にもアクセントとなっている。”ドレッシーにシャンボードを履きこなしたい”という層のあいだでは、このタグを購入直後に取ってしまう人もいる。しかし、単なるタグとは言え基本的にはシャンボードのデザインに無くてはならない部分。よほどの理由がない限り、タグはそのままつけておくのがおすすめだ。健康において、足は手よりも重要であるとパラブーツは考える。たくさんの骨、神経、血管で構成される足は、人体を四六時中支えているだけに常に緊張にさらされているのだ。よって、質の悪い靴や、身体にあっていない靴で日常を過ごすことは、多くの病気を引き起こす要因にすらなり得る。だからこそパラブーツは材料の選別を重視し、最上級のラバーを用い、足を尊重した製法を守り続ける。”靴が足に合わなければならない、その逆はあり得ない”というのがこのブランドの信念なのである。重厚で、一見すると硬そうにも見えるシャンボードだが、履くごとにしっかりと持ち主の足形に馴染んでいくのがこの革靴の隠れた魅力。それは、グッドイヤーウェルト製法の革靴以上に大量のコルクが収められていることはもちろん、足の形態とサイズを完全に尊重するように研究されているからに他ならない。事実、パラブーツの靴は足医学からも推薦されているほどで、健康面での恩恵はファッション性以上だと言えるだろう。創業者がアメリカ人のゴム靴にインスピレーションを受け、ラバーソールを作るために創業し、ラバーを輸入した港の名前をブランド名に冠したことからも、ラバーソールはパラブーツの歴史そのものだと言える。”革靴にはレザーソール”という考えが当たり前だった時代にパラブーツはラバーソールを生み出し、その後の革靴製造の在り方を大きく変えた。現在多くの革靴に採用されているビブラム社製のラバーソール(通称ビブラムソール)の登場が1937年。パラブーツは、その11年も前にラバーソールの製法を確立していたのだ。ほとんどのシューメーカーが他社製のラバーソールを採用するなか、パラブーツは一貫して自社製造を貫く唯一無二のブランドである。シャンボードに使われているラバーソールは、100%自社製の「PARA-TEXソール」。耐水性、機能性、手入れの手軽さといったラバーソールならではのメリットはもちろんのこと、PARA-TEXソールはクッション性が優れているのが大きな魅力。空気を蓄えることができる構造になっているため、まるでエア入りのバスケットシューズのようなクッション性と衝撃吸収効果を実現しているのだ。本来ラバーソールは、その利便性引き替えに”反り”が悪く硬いもの。しかし、パラブーツは長い歴史のなかで培った伝統技術により、それらの弱点を補う歩きやすいラバーソールを手がけているのである。シャンボードの靴底に大きく刻まれた「RP」の文字は、ラバーソールの生みの親でありパラブーツの創業者”リシャール・ポンヴェール”氏のイニシャルだ。シャンボードは、「ノルヴェイジャン製法」という技術で底付けが行われている珍しい革靴。元々は登山靴のために開発されたノルヴェイジャン製法は、防水性が求められる寒冷地向けの靴製法としてノルウェーなどの北欧で発達したのが由来とされている。登山靴やスキー靴など、アウトドア靴に多く採用され、創業当初登山靴を専門としていたパラブーツは、ノルヴェイジャン製法に関して世界屈指の実力を誇る。さらに、使用されているウェルトが非常に頑強なのも特徴。パラブーツのウェルトは柔らかい一方で強く、決して型崩れすることがない。天然なめしの牛革を裁断し、厚さと幅を均一かつ正確に作られたこれらのウェルトが、アッパーとソールをつなげる重要な役割を果すのだ。ミッドソールとアウトソールが二重になっているため、防水や防寒性、そして堅牢性において本格英国革靴などでおなじみのグッドイヤーウェルト製法よりも秀でている。二重ステッチによる外見のインパクトも抜群で、ボリュームのあるシャンボードのシルエットとぴったりの相性だと言えるだろう。高度な職人技術を必要とするため、現在では扱えるブランド自体がわずかとなってしまったノルヴェイジャン製法。その稀少な技術を味わえるのも、シャンボードユーザーの特権である。革靴でありながらボリューミーなフォルムにUチップモカシン、そしてノルヴェイジャン製法ならではの重厚な外観に緑色のタグといったカジュアル要素を数多く備えるシャンボードは、幅広いスタイリングにフィットする。ミリタリーテイストを感じさせるグリーン系アイテムをメインに据えることでラギッドな印象を演出したコーディネート。コロニアルカラーでリンクさせるように、足元にはブラウンのパラブーツ「シャンボード」をチョイスしてトレンドコンシャスな装いに。重厚感のあるスタイリングにも当たり負けしないフォルムを持つパラブーツ「シャンボード」は、冬の装いにも十分活躍が期待できそうだ。アスペジのコート 29万8000円(ラ ガゼッタ 1987 青山店) カジュアルな要素を多く備えながらも、革靴としての品の良さもそれとなくキープしているパラブーツ「シャンボード」。今シーズン注目を集めるカジュアルなスーツスタイルはもとより、シックで大人の色気を演出してくれるコーディロイのパンツをチョイスした足元にもすんなりハマる。ブラウンとネイビーの組み合わせで構築したアズーロ・エ・マローネスタイルの足元に、あえてブラックのシャンボードをチョイスすることで締まりのある印象に。ストーンアイランドのジャケット 9万8000円(トヨダトレーディング プレスルーム) Copyright ©  BEYONDAGE Inc. 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ャンボードで! 数ある革靴のなかでも、独自の存在感を醸し出すパラブーツのシャンボード(chambord)。製造方法、素材、デザイン、全てにおいて他とは違うオリジナリティに溢れている。今回は、パラブーツの代表作「シャンボード」にフォーカスし、その魅力を紹介!