モリアーティはずっとすぐ後ろについていた。行き止まりまで来ると、僕は崖っぷちに立っていた。彼は武器を出さなかったが、僕に体当たりをして長い腕を巻きつけた。彼は自分が終わりだと知っていて、ただ僕に直接復讐することだけを望んでいた。我々は滝の崖っぷちでよろめいた。しかし僕にはバリツという日本の格闘技の心得があった。(中略)僕はしがみついていた彼の手をすり抜けた。すると彼は恐ろしい悲鳴を上げ、数秒間狂ったように地団太を踏みながら、両手で虚空を掻きむしった。しかしどれほど頑張ってもバランスを保てず、落ちて行った。僕は断崖を覗き込んで、彼が遥か下まで落ちて行くのを見た。その後彼は岩にぶつかり、跳ね返り、しぶきを上げて水の中に落ちたモリアーティは最期、自らも滝に落ちてしまうことを悟りながら、武器を使わず彼自身の手でホームズを殺そうとしたのです。モリアーティにとってホームズは、そうまでしても自らの手で殺めたいと思うほどの因縁の相手かつ、彼の永遠のライバルでした。最初に説明したように、コナン・ドイル作品の中でモリアーティが登場するのはわずか6作品のみ。それも、そのほとんどが直接的な登場ではなく、ホームズによるわずかな言及の形をとっています。しかし、登場回数の少なさにもかかわらず、彼がホームズシリーズの中で異例の存在感を放っているのは、やはりコナン・ドイルは1927年に発表した短編『ショスコム荘』でホームズシリーズの執筆に幕を下ろしましたが、世紀の悪役・モリアーティは、その後さまざまな作家たちの手によってそんなパスティーシュの中で唯一コナン・ドイル財団が“公認”作品としているものが、『名探偵ポワロ』などのドラマシリーズの脚本家としても知られるアンソニー・ホロヴィッツによる小説『絹の家』と『モリアーティ』です。特にパスティーシュの2作目であるモリアーティは死に、イギリスの警察は彼の手下を残らずつかまえたと言っているのに、なぜホームズはまだ危険を感じているのだ? これ以上なにを望むというのだろう? 私がホームズだったら、さっさとに戻ってヌーシャテルで祝杯をあげ、うまい子牛肉のカツレツに舌鼓を打つが。『最後の事件』におけるホームズの不可解な行動の謎を入り口に、探偵たちがモリアーティの犯罪組織の正体に迫ってゆく緊迫感が本作の魅力。本家コナン・ドイルの作品ではないものの、ホームズばりの推理を見せる探偵たちのキャラクターの魅力とともに、原作に登場するあまり目立たないキャラクターがストーリーに関わってくるなど、テレビドラマの『SHERLOCK』などをきっかけに始まった、空前の世界的なコナン・ドイルの原作をモデルにしたゲームや漫画のキャラクターたちも魅力的ですが、本家ホームズシリーズのキャラクターももちろん、彼らに負けず劣らず曲者ぞろいで魅力的です。この記事が気に入ったら「元気だったのになぜ……?」他人はそう思っても、じつは本人は苦しんでいて、心の中でSOSを出し続けていることがあります。「毎日がつらい」「人に会いたくない」そんな心の不調が続くのであれば要注意! そんな時はこの3つの本を手に取り、心にためこんだトレスを取り除いてみてはいかがですか?読んでいるだけで、お腹が空いてくるような描写の数々……。平松洋子のエッセイには、思わず共感してしまうこと間違いなしの「美味しさ」が詰まっています。今回は、おすすめの6作品を紹介します。カズオ・イシグロが2017年のノーベル文学賞を受賞しました。綾瀬はるか主演でドラマ化もされた『わたしを離さないで』について、原作小説を読まないことには伝わらないその魅力を徹底解説します!街中にカップルや幸せな家族連れが溢れるイベント、クリスマス。聖なる夜を毎年憂鬱な気分で過ごしているという方のために、「ひどいクリスマス」を描いた選りすぐりの小説を4作品ご紹介します。読みやすい文章と心温まる感動的なストーリーで人気の浅田次郎作品。物語のエンターテイメント性やストーリーテリングには定評があり、多くの作品が映画化やドラマ化されています。中でも特におすすめの浅田次郎作品をピックアップします。大学卒業後は広告代理店に勤務し、その後は独立してコピーライターとして活動していた荻原浩。39歳の時に小説を書き始め、『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞し小説家としてデビュー。『明日の記憶』の映画化や、『海の見える理髪店』で155回直木賞を受賞し、注目を集めている作家です。今回は荻原浩のおすすめ作品5選をご紹介いたします。『ロマンスの辞典』をご存知ですか? 言葉そのものの辞書的意味にとらわれずに、「ロマンス」という視点で様々な言葉を集めて解説した本が、『ロマンスの辞典』です。今回は、そんな『ロマンスの辞典』から、あなたのロマンチスト度がわかるクイズを出題します! 東野圭吾の作品は、映画化やドラマ化されているものが多いように、ストーリーの面白さには定評があります。ストーリーの良さに加えて、ガリレオシリーズの湯川教授や加賀恭一郎シリーズの加賀刑事など、魅力的なキャラクターがファンを惹きつけています。今回は東野圭吾のおすすめ作品5選をご紹介いたします。インターネットを通したメッセージのやりとりは、現代において、立派な恋愛のきっかけのひとつです。今回の文学恋愛講座では、そんな“インターネット上の出会い”を恋愛に発展させるためのポイントを、4つの文学作品を通じて解説します!コミックで読むと、哲学はこんなにわかりやすい! 第5回京都本大賞を受賞した、原田まりる著『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』のコミック版が、2018年11月12日に発売。ある日突然、現代に降臨したニーチェが、悩める女子高生のアリサに、哲学の教えをナビゲート。生きるヒントが詰まった哲学漫画の読みどころを、著者の原田まりるさんにインタビューしました。 仕事は、大人が生活していくためには避けては通れない道です。本当にやりたい仕事につけた人もいれば、そうでない人もいるでしょう。2016年にマーティン・スコセッシ監督によるハリウッド映画化が決定した遠藤周作の『沈黙』。キリスト教文学として海外でも高い評価を得ているその魅力に迫ります。現代短歌には、上の句から下の句への想像もできないような“飛躍”が魅力的な作品が多数あります。今回は、斉藤斎藤、中澤系といった現代若手歌人の短歌をクイズ形式でご紹介!あなたは何問正解できるでしょうか?劇作家として日本の不条理演劇を確立したとともに、童話や随筆など多岐にわたる分野でも功績を残した別役実。今回は、別役実の戯曲・童話からそれぞれおすすめの作品を4作品ご紹介します。ライトノベル(=ラノベ)の多くは、ファンタジーの世界で魔法を使ったり、学園ものでも超能力や巨大ロボが登場します。では、魔法や超能力などの非現実的要素がないラノベとはどんなものでしょうか?エドワード・ゴーリーはアメリカの絵本作家で、残酷で冷酷な作風を持ち味とし、その独特な世界観から全世界でカルト的な人気を誇っている作家です。日本でも1999年以降翻訳され、ファンによる根強い人気から、現在も未邦訳の作品の翻訳・出版が続けられています。国境を超えて人々を熱狂させるエドワード・ゴーリーとは、そして彼の作品とはどのようなものなのでしょうか。自身の経験を元に、著作『ガラパゴス』について相場英雄さんにお話いただきました。現代社会のネット事情、広がる格差社会、『ガラパゴス』制作の背景に秘められた裏話も必見です。戦後の混沌とした空気をたたえた作品群の中で、父親や弟、仲間との人間関係や、街の片隅で生きるアウトローたちの姿を描き続けた、色川武大。アウトローとして生き抜いた色川武大の内面や、彼の作り出した文化を色濃く反映した数々の作品をご紹介します。雑誌の対談記事で「あざやかに没になった」と本人が語った、一切が不明であった幻の私小説を、詳しく紹介!後味が悪く、嫌な気持ちで終わるミステリー作品、略して「イヤミス」。謎が解けてスッキリすることはなく、むしろ不快感を味わう作品のことを言います。今回は、そんな「イヤミス」小説の中から選りすぐりの5作品を紹介します。Facebookページへいいね、Twitterをフォローすることで、P+D MAGAZINEの最新記事をSNSでお届けします。
Just one. 私製の動画クリップを貼るのはいままで自粛してきたのだけれど、その禁を破って、SHERLOCK大好きシーンを集めましたよ。Twitterでつぶやいていたものです。■S1E1 高速推理とウィンク、このつかみで世界中を魅了した。■S1E1 「やったあ、犯罪だあ、クリスマスだあ!」 つかみその2。クールな天才探偵だと思ったらただのコドモだと分かった瞬間。■S1E1 シャーロックが自分を救ってくれた人物の高速推理過程でジョンだと気づく。強いモラルと銃の腕、鋼の心を持った最強の友人を得た彼の幸運と不運。犯行現場で笑っちゃだめよ。■S1E1 コンビ誕生の瞬間。ゲイティス兄はこのシーンの台詞が言いたいためにドラマの企画立てて自分をマイクロフトにキャスティングしたのでは? でもパイロット版ではレストレード警部の台詞なんだよね。■S1E2 「ジョン集中しろ!」(くるくる)」「ちょシャロちょ」「(消された暗号を)思い出すんだ~」…「離せよ!写真撮ってるよ!」。視聴者置いてけぼりの二人の世界。シャーロックがとても馬鹿。コメ欄にファンダムが爆発した瞬間であるとあって笑った。 ■S1E3「電話とって」「どこ?」「僕のジャケット」(ムカ)「気をつけろよ」「お兄さんからメール来てるよ」「消せ」 全世界が「自分でやれ!」と突っ込んだと思うよ。■S1E3「美しい星空じゃないか」「君がそんなこと言うとは思わなかったな」 S1E3で一番好きなシーン。■S1E3 「はばないすでい!」違和感ありありのシャーロックの変装(わざと)。そして演劇的な退場。■S1E3 シャーロック「People have died. 「動かないで。その眼に僕を焼き付けてくれ。僕のためにそうしてくれ」と泣きながらお別れされたら、ジョンの悲しみはいかばかりか。ライヘンバッハショックとはシャーロックを喪ったジョンの悲しみに視聴者が巻き込まれたものなのだ。それほどまでにマーティンの演技が凄い。 「モリアーティ教授のことは聞いたことがないだろうね?」ない、とワトソンが答えると、ホームズはモリアーティがいかに驚くべき人物であるかを、滔々と語り始めます。ロンドン中にモリアーティの息のかかっていない場所はひとつもないにもかかわらず、世間の人々の誰ひとりとしてその名前を聞いたことがない。だからこそ彼はモリアーティは、21歳という若さで二項定理に関する論文を書いたのがきっかけで大学の数学教授となり、のちに悪い噂で大学を追われたものの、ロンドンにやってきて再度教師の職に就いた──とホームズは説明します。そして、教師の仕事を隠れ蓑に、ホームズは、モリアーティの容姿をこう描写します。彼はすこぶる背が高く痩せていて、白くカーブを描く突き出た額を持ち、深く窪んだ眼をしている。ひげは綺麗に剃られ、青白く、苦行者のようであり、顔立ちにおよそ教授らしきものを漂わせている。彼の背は長年の研究から曲がり、顔は前へ突き出て、爬虫類のように奇妙に、いつでもゆらゆらと左右に動いている。本作の最後でホームズは、モリアーティと一世一代の“対決”を果たし、スイスにあるライヘンバッハの滝でモリアーティとともに転落死した──とワトソンは述べています。実はドイルは当時、イギリス国内を中心にシャーロック・ホームズシリーズの人気があまりに高まりすぎたことを嫌がっており、『最後の事件』で黒幕・モリアーティを登場させることで、名探偵シャーロック・ホームズの物語にようやく終止符を打つことができたドイル。しかしながら、ホームズシリーズのファンからは批判が相次ぎ、ドイルは結局、『最後の事件』発表から8年後の1901年に、連載再開後、第1作目の『バスカヴィル家の犬』は『最後の事件』の日以前に発生した事件を書いたという設定でしたが、1903年に発表した短編小説そして、この『空家の冒険』にも、回想シーンでモリアーティが登場します。本作の中には、シリーズを通して唯一、ホームズがモリアーティをまた、ホームズは本作の中で、ライヘンバッハの滝でのモリアーティの最期と自分だけが生き延びられたからくりについて、ワトソンにこう説明しています。 ジョン"Ah..." 掛け合いの息バッチリ!どの回も二人の冒頭会話は息の合った漫才になってる。■S2E2 有名すぎる台詞「I don't have friends. ?」と震える声で連呼しながら脱がせるシャーロックの動揺っぷりがもう!人間らしくなったねえ(しんみり) このシーンのポイントは「夜中のプールで君が僕の服を脱がせたなんて知れたら、みんなが僕らができてるって噂しちゃうよ」のジョンの台詞なんだけど、動画のコメ欄がもうねえ「あんたらとっくにできてるって噂されとるわ!」で埋ってるあたり。■S2E1 「Are You Wearing any Pants? Keep your eyes fixed on me. Sherlock Series 3 Episode 1 「The Empty Hearse」 Written by Mark Gatiss Director by Jeremy Lovering S3E1の内容とネタバレが含まれますのでご注意ください。 このE1を仕上げるまでE2観るの我慢してるのですがTwitterなどで流れてくる感想を見てると、 もうちょっと限界かも(汗)




(僕に友達はいない - 君以外は)」 怒ったジョンに追い縋るシャーロックが子犬のよう。 このシーンのポイントはシャロが怒ってるジョンを「John, you're amazing and fantastic !」と叫びながら追うところ。この台詞はS1E1でジョンが最初にシャロの推理を聞いた時の褒め言葉そのまま。よっぽど嬉しかったんだろうなあと。■S2E2「Hello brother dear, how are you?

Please, will you do this for me?" (人が死んだんだぞ)」 モリアーティ「That's what people DO!