病院で処方箋を出してもらったらどの調剤薬局に行っても薬代は変わらないと思っている方も多いのではないのでしょうか?実は、調剤薬局に支払う料金は、薬局の立地や規模、サービスなどによって違いがあります。調剤報酬それぞれの価格は点数(1点=10円)で表されます。 この調剤報酬の仕組みは2年1回見直しされます。  薬局における基本的な調剤体制を評価したもので、調剤薬局を利用する基本料金のようなものです。処方箋の受付回数によって点数が異なり、また、薬局の運営体制や取り扱っている後発医薬品(ジェネリック)の調剤割合などによって点数が加算されます。医薬品を揃えたり、調合したりする料金です。内服薬、屯服薬、浸煎薬、湯薬、注射薬、外用薬といった医薬品の種類によって、それぞれ点数が異なります。患者の薬歴を記録したり、服薬指導、情報提供、在宅医療に取り組んだときの料金です。通常は「薬剤服用歴管理指導料」で算定されますが、患者が特定の薬剤師をかかりつけ薬剤師として指名すると「かかりつけ薬剤師指導料」に変わります。医薬品そのものの料金です。医薬品の価格は、国によって「薬価基準」で決められています。自宅で自分で注射をしたり、在宅医療で点滴をしたりするときの医療器具の料金です。糖尿病の方のインスリン注射や在宅医療で使用される点滴などが該当します。このように、調剤薬局に支払うお金は、「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」「特定保険医療材料料」の4つを合計したものです。このうち「薬剤料」と「特定保健医療材料料」は、どこの薬局でも同じ金額ですが、「調剤技術料」と「薬学管理料」は、薬局によって金額が異なります。まず、調剤明細書の「調剤基本料」の部分が「調剤基本料1」となっているのか、あるいは「調剤基本料2」などになっているのかを見てみましょう。これを見ると、利用している薬局の立地や規模など、その位置づけが分かります。 「調剤基本料」は、薬局の処方箋の受付回数や立地、特定の医療機関からの処方箋の受付の集中率によって、次の表のように4つに分類され、それぞれの点数が算定されます(2019年10月1日現在)。面対応薬局より、門前薬局や大手チェーン薬局を選べば薬代が必ず安くなるのかというと、実はそうとも言えません。 なぜなら、「調剤基本料」には、一定の条件を満たすと点数が加算される仕組みがあるからです。 そのひとつは「後発医薬品調剤体制加算」です。その薬局での後発医薬品(ジェネリック)の調剤数量の割合が一定以上の場合、3つに分類され、それぞれ点数が加算されます。もうひとつは「地域支援体制加算」です。夜間・休日に対応しているなど、地域医療に貢献できる体制ができている薬局に点数が加算されます。その結果、門前薬局や大手チェーン薬局よりも、小規模でありながら地域に密着した取り組みができる面対応薬局のほうが、金額が安くなるということもあるのです。薬局によっての取り組みは様々なので、料金以外にも、「薬局での待ち時間」、「相談できる薬剤師がいるか」なども考慮して、薬局を選ぶことも大切です。これまで述べてきた「調剤基本料」のほかにも、お薬代が変わってくるケースはいくつかあります。こういったことは金銭的負担を軽くするだけでなく、健康管理に役立つこともありますので、確認していきましょう。「調剤基本料1」の面対応薬局に、6か月以内にお薬手帳を持参して再度利用すると、持参しなかったときより、1回あたり36円(3割負担の場合)安くなります。また、お薬手帳を持参することで服用歴が分かり、お薬の受け渡しがスムーズです。薬剤師は処方箋を受け取ったら、他の薬との飲み合わせは大丈夫なのか、過去に処方された薬で副作用は起こっていないかを慎重に確認し、疑問が発生した場合は疑義照会(処方箋の内容について、発行した医師に問い合わせること)を行い、 再度確認を行っているのです。 ジェネリックとは後発医薬品で、新薬の特許が取得されたあとに販売されるお薬です。新薬とは同じ有効成分・品質・効き目・安全性が同等であると国から認められたお薬です。先発医薬品に比べ、開発費も掛かっていないため、安価で購入することができます。年々増加する医療費を抑えるために、国はジェネリックの使用を推進しています。そのため、ジェネリックを多く調剤する薬局には「後発医薬品調剤体制加算」がつきます。しかし、ジェネリックの薬剤料は、新薬の約2~7割といわれています。患者にとっては加算がついたとしても、薬代の負担を軽くすることができるのです。どのくらい薬代が節約できるかは、自治体や会社の健康保険組合などから年数回「医療費のお知らせ」とともに届けられる「ジェネリック医薬品差額通知書」でも確認できます。ジェネリックのメリットは、薬代が安くなるだけではありません。 新薬と同等の効果や安全性があるだけでなく、小型化したり、苦みを抑えるコーティングをするなど、より飲みやすくなる工夫・改良が施されているところもあります。ジェネリックに不安や疑問がある場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。いきなりジェネリックを使うのが不安であれば、「分割調剤」という方法で一部を試すこともできます。営業時間外の「時間外」や、営業日外の「休日」に調剤してもらったり、通常の営業時間内でも「夜間」や「休日」に調剤してもらうと、次の表のような料金が加算されます。※基礎額=調剤基本料+調剤料+施設基準関係加算処方されたお薬が余っていることを病院の先生に伝えていない、ということはありませんか?病院の先生はそのことを知らないので、同じお薬を、同じ日数分処方してくれると思います。 そういった場合は一度薬剤師に相談してみましょう。薬剤師の判断で処方箋の内容を変えることはできませんが、病院の先生に問い合わせてくれます。健康日本堂調剤薬局赤坂店では、現代人のライフスタイルに合わせた新しいスタイルの薬局として注目を集めています。その取り組みを紹介します。健康日本堂調剤薬局の専用スマホアプリ「速薬(そくやく)」から処方箋の写真を登録し、お薬の受取日時を指定することが可能です。例えば、仕事の前に病院の受診だけを済ませ、アプリで予約をすれば、お昼の時間やスキマ時間を利用しての受け取りが可能です。また、アプリ上で問診票の登録ができます。アプリで予約をした際に、薬剤師が問診票を確認し、疑問点がある場合はチャットで質問することがあります。このように、事前にオンライン上でやり取りを済ませることで、受取り当日までに疑問や不安を解消することができ、薬局での待ち時間を短縮することができます。健康日本堂調剤薬局は、全国の病院の処方箋を受付しているだけでなく、東京都内にはまだ数軒の薬局しか対応していない零売(一定の条件のもと一部の病院で処方される医薬品が処方箋なしで購入できる販売方法)に対応しています。零売に関する詳細は医薬品の専門家である薬剤師が、さまざまな相談に応えています。「新しく処方された薬についてくわしく知りたい」「効き目が強い・弱い」「副作用や飲み合わせが心配」「薬を飲んでいるときに避けたほうがいい食べ物・飲み物があるのか」など、医師に聞きにくいこと、聞き忘れてしまったことはありませんか。そのような場合でも、待ち時間が少ないため、ゆっくりと落ち着いた雰囲気で薬剤師に質問したり、相談ができるので安心です。この記事が気に入ったら最新記事をお届けします。© 2020 JFRONTIER INC. 薬局に処方箋を持っていき薬をもらったことのある方の中には、「どうして薬代の計算にあんなに時間がかかるのか?」と疑問に思った人もいるでしょう。実は、薬代の計算は意外に複雑なのです。このコラムでは、薬代の計算について解説します。

『調剤基本料1』は町の薬局。 クリニックの前にあっても町の薬局扱いです。 『1』のほうが『2』より50円以上割増しに(以下、金額はすべて3割負担の患者が支払う実費)。


調剤報酬それぞれの価格は点数(1点=10円)で表されます。 この調剤報酬の仕組みは2年1回見直しされます。 調剤基本料(調剤技術料) 薬局における基本的な調剤体制を評価したもので、調剤薬局を利用する基本料金のようなものです。 調剤費が増えた原因としては、「高齢者が増加したからだ」などと言われやすい。だが、そもそも日本では、検査をして結果が正常範囲から外れればすぐに薬を処方して正常値に戻そうとする検査値至上主義なのが要因である。もちろん、有効な新薬が開発されて使われるようになったこともあるかも知れない。しかし、もっと大きな原因は、多少正常範囲から外れていて健康状態に問題がないような人でも、どんどん薬が出される医療の現状にある。その一方で薬価基準、つまり、健康保険で算定される薬の値段は年々下げられているし、また一部の医薬品は、より安価なジェネリック薬品に置き換わるようになっている。それでも調剤費が増加しているということは、量として薬は大きく増加しているわけだ。日本の総人口は減っているのに薬の量は増えており、中にはムダな薬が相当含まれていると見てよい。そんな業界の利益が上がって当然だが、調剤薬局が儲かる理由は、さらにもう1つある。同じ病気で同じ薬を処方してもらった場合に、院内処方の病院より院外の調剤薬局で薬をもらうほうが患者さんの金銭的負担は大きい。薬剤自体の価格は同じでも、調剤薬局は「調剤技術料」「薬剤服用歴管理指導料」などの種々の名目で調剤報酬を得るが、それが病院の調剤料などより大きいからだ。「病院より院外薬局の薬代が高い」事実に気付いていない人が多いが、調剤薬局は調剤技術料で大きく儲けている。なにしろ、風邪で内服薬と頓服を処方してもらい院外で調剤すると、薬剤料が710円なのに調剤技術料を410円、薬歴管理料を410円も取られたりする。調剤薬局は710円の薬を出して、それ以上の820円の調剤報酬を得ていることもあるのだ。これが院内処方なら700円程度だが、院外処方では病院にも処方箋代を払うので結局2000円を超えてしまう。病院で薬をもらう場合との差は、それぞれの薬局によっても薬の種類によっても異なるが、2倍以上になるのは珍しいことではない。だが健康保険で3割しか負担していないため、それに気付かないだけだ。要は、院外処方の調剤報酬の中には不必要に高額なものがあるのだ。負担が大きい分だけ院外処方にメリットがあればともかく、必ずしもメリットがないのだから、患者さんの無知に付け込んで調剤薬局が利益を上げているとも言える。儲かるのは不思議でない。 お薬手帳を持参すると負担額が安くなるだけでなく、薬剤師さんが他の薬の服用履歴や過去に処方した薬についても正確に把握することができます。 なにしろ、風邪で内服薬と頓服を処方してもらい院外で調剤すると、薬剤料が710円なのに調剤技術料を410円、薬歴管理料を410円も取られたりする。