世界のお米について. お客様から「同じ魚沼産コシヒカリなのに、ネット通販のお店によって全然値段が違うのですが、どうしてなんでしょうか??どれを買ったらいいの・・」というお問い合わせをいただきました。確かに、同じブランドなのに、大きく値段が変わると不安になってしまいますよね。この記事では、魚沼産コシヒカリの値段がどのような理由で価格帯が異なるのことがあるか、実際の事例を踏まえてご紹介します。また、ここで紹介する通りに魚沼産コシヒカリを選ぶと、ご自身の好みにあったお米を納得して選べるようになります。私たち一般財団法人魚沼農耕舎は、魚沼の中山間地で自ら魚沼産コシヒカリを作る、25年の歴史ある組織です。(以前は公益法人でしたが、法律改正により現在は一般財団法人へ移行)ここでは、魚沼の自然とお米が大好きな職員が、日々楽しく、そして真剣に魚沼産コシヒカリを作って、自ら作ったものを、直接消費者の皆様にお届けしています。そんな私たちが、魚沼のご当地では当たり前のように知られているけど、世間には知られていないかもしれない「お米の値段の違い」、「賢い選び方」をお届けします。1、そもそも「コシヒカリ」とは?2、「魚沼産コシヒカリ」とは?3、「魚沼産コシヒカリ」の「値段の違い」 ①重量別 ②形態 ③栽培方法 ④乾燥方法 ⑤貯蔵方法 ⑥原料米 ⑦流通形態 ⑧等級4、「魚沼産コシヒカリ」どこで買う?5、美味しい魚沼産コシヒカリを購入する5つのチェックリスト昭和19年新潟県で「農林1号」と「農林22号」を掛け合わせ、福井県で品種として育成されてできた品種。茎が長くて倒れやすい欠点があるものの粘りが強く、食味が良いため、全国でもっとも作付けが多いです。公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の水稲種別作付動向によると、令和元年産は33.9%がコシヒカリ。2位のひとめぼれが9.4%ですから、その差は歴然ですね。1979年以降41年連続、作付面積がナンバーワンの品種です。新潟県魚沼地域5市2町で収穫されるコシヒカリで、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、長岡市(川口町)、十日町市、小千谷市、津南町がその地域となります。但し、DNA的には新潟県コシヒカリと魚沼産コシヒカリの違いはないため、魚沼産コシヒカリだと科学的に証明するのは、厳密にいうと不可能⁈ということになります。私たちが作った魚沼産コシヒカリを知人に内祝いや、引っ越し祝いなどで、贈ると「今までも魚沼産コシヒカリを食べたことあるんだけど、全然違うね!」とよく言われます。魚沼産コシヒカリでもいろいろあるということです。お米の重さには2kgから30kgまで、一般的なものは2kg、5kg、10kgなどいろいろあります。最近は3kgというのも多くなってきているようです。お米は合で量ることが多いと思いますが、1合の重さは約150gです。なぜ、3kgのお米が以前はなかったのか、とても不思議なのですが、3kgだけが20合で、きっちり使い切ることが出来ます。袋のお米がきっちりなくなると、嬉しいですよね!新しく買ったお米は新しい米だけで食べたいですもんね。それぞれの単価の違いについて、販売する生産者側から申し上げますと、量が少ない方が、小分けをする関係で、お米の1kgあたりの単価は高めになりますが、量が少ない分、1袋の販売価格的には値段は低くなります。販売されているお米は、玄米と精米、白米の方に馴染みがあるかもしれませんが、主に、2種類あります。玄米はもみを取っただけのもの、精米をして胚芽や糠層を取り除いたものが白米です。一般的に精米すると取り除かれる部分は10%程度あり、10kgの白米は、原料として約11kgの玄米が必要になりますので、玄米10kgと白米10kgを比較すると、原材料が多い分、白米の方が価格は高くなります。栽培方法には通常の栽培方法である慣行栽培、農薬や化学肥料を慣行栽培よりも抑えて栽培し、新潟県が認証する特別栽培米、農薬を使用せず、有機肥料だけで、栽培した、有機JAS認証米があります。栽培方法の違いにより、決定的に変わってくるのが同じ面積で収穫されるお米の量です。同じ面積で穫れる量や手間により、お米の価格が変わります。栽培方法によって、農薬や化学肥料が少ない場合、収穫量が減る傾向にあります。また、農薬を抑えて栽培すると雑草が勢いを増します。その為、除草の手間がかかることになります。このように穫れるお米の量とお米を取るための手間の違いが、お米の価格差になります。田んぼのお米は、収穫直後、水分量が多く20%から30%あり、長期保存に向きません。ですので、収穫後すみやかに乾燥させて水分量を15.5%以下にします。その際、乾燥機で乾燥するのが一般的です。個人や法人で乾燥機を持っている農家さんもいらっしゃいますが、地域にあるライスセンターで乾燥する場合もあります。個別乾燥やほかの農家さんと一緒に乾燥させる共同乾燥の場合もあります。他には、新潟では「はざかけ」と呼ばれるやり方ですが、天日、お日様に干して乾燥するやり方もあります。はざかけは干している間に、追熟し茎の方に残っている栄養分や甘みがお米の方に降りてくるため、栄養と旨味が増すといわれています。わたしが食べた実感としては、甘味がより強く、もっちり度が増して、「おかずはいらない噛みしめたくなるごはん」でした。お日様の恵みを沢山いただけるはざかけ米ですが、年々作る人が減っています。それは、なぜか。干すのに人手がかかるからです。やっていたけれど、年を取ってしまって出来なくなったという話も多くなってきています。干すのに手間も時間もかかっているはざかけ米は、一般的な機械乾燥のお米よりも高価格帯になると思いますが、お目にかかった時には、是非、食べてみていただきたいご飯です。私たちも作っていますが、手間がかかり、あまりたくさん作れないため、あっという間に売り切れてしまうほど、人気のお米です。貯蔵方法にも、いろいろあります。保冷設備のない倉庫、低温保存の冷蔵庫、雪を利用した雪室(ゆきむろ)などです。有り余る雪を有効利用するのは豪雪地ならではですね。雪だけの力で2度程度に保ち、湿度は約90%の雪室は電気の冷蔵庫に比べて、振動がなく、光もない中で貯蔵されます。新米同様の食味を保つだけでなく、熟成されるともいわれています。お米の裏面にお米の名称、何年産か、原料玄米、販売者などについての記載があります。原料玄米の産地、品種、産年が同一場合は「単一原料米」そうでない場合、は「複数原料米」や「ブレンド米」の記載になります。とはいえ、ニュースなどを見ますと、「魚沼産」が生産量の何倍も流通しているという記事もあり、あとは、精米しているところを信じるしかない、という状況です。農林水産省の統計を見ると、全国の水稲主食用米の収穫量は令和元年産で、726万1000tとあります。新潟県は57万8900tです。新潟県は令和2年産の魚沼産コシヒカリの割合を17.5%とみていますので、県の指標から算出すると、令和元年産の魚沼コシヒカリの生産量はおよそ10万tと推定されます。全国の生産量からすると、わずか数パーセント!です。流通形態は主に従来の形態として、生産者→農協→卸売り業→小売業者→消費者と生産者→卸売業→小売業者→消費者というのがあります。また、比較的新しいのが、直接生産者→消費者の流通形態です。私たち魚沼農耕舎も、以前はほとんどのお米を農協さんに出荷して、個人の顧客様には知人にしか販売していませんでしたが、今は、積極的にお客様とつながって、直接、私たちの魚沼産コシヒカリをお届けしています。お米は、生産、収穫された後、農産物検査を受け、等級をもらってから販売が可能になります。等級は一等、二等、三等に分かれています。また、その品位に適合しない場合は規格外、いわゆる私たちは等外と呼んでいます。玄米の検査規格として、水分量が適切であることはもちろんのこと、整粒(きちんと整ったお米の粒)の割合が高いこと、被害粒、死米、着色粒、異物などの混入割合が少ないことで品位がつけられます。農家、生産者はたくさんの品種は作っていないことがほとんどなので、ある品種を購入したいというのが有れば、農家、生産者からの購入をお勧めします。ただ、品種を選べなかったり、色のついたお米などをはじく、機械を持っている人ばかりではないです。友人知人が食べていて味の保証付きの農家さんや、信頼できる農家さんと出会えることが大事ですよね。米屋さんはいろいろな品種を扱っていますので、希望に応じた食味のお米を複数の品種からブレンドして作り出すプロです。取扱品種も多いので、産地も色々選べますし、違う品種のも食べてみたいとか、あっさりめがいいとか、もっちりがいいとか、用途に応じてバラエティ豊かにご希望に沿ってくれるので、いろいろなお米を食べてみたい方にはお勧めです。小売店からの購入は、もうお米がなくなってしまって、今すぐ買いたい!という方にはお勧めです。数年前になりますが、魚沼にある、ある魚沼産を売りにしていたお米販売業者が、魚沼産コシヒカリと偽った他県産米をギフトカタログで販売し、偽装容疑で御用になった時がありました。魚沼の自然と、魚沼産コシヒカリを愛してやまない私たちとしては悲しい限りです。信じるしかないというのが正直なところですが、何年産かと混ざっていないか「単一原料米」と書いているか、最低限チェックしましょう。1か月以内がおすすめです。精米日が新しいほうが断然、美味しいので、私たち魚沼農耕舎では、ご注文を受けてから精米して、発送しています。お米は農産物ですので、賞味期限というのはないのですが、精米してから夏場は1か月、それ以外の季節でも、2か月くらいで食べきった方が美味しく召し上がれます。それ以上保存する方は、玄米でとっておくか、ペットボトルに入れて冷蔵庫に入れることをお勧めします。魚沼産コシヒカリの生産量は全国的に見て多くないことを考えると、誰が作ったものなのかわかることがとても大切です。魚沼でも田んぼはいろいろです。山の近くにあってミネラルをたっぷり含んだ水でお米を育てている場所なのか、どうなのか。人間にとってもミネラルが豊富なお水の方が体にいいというのは、お米でも同じです。どんな栽培方法をしているか、わかること。また、安全安心に気を配り、きちんと管理している農家さんは、いつどんな作業をして、肥料や農薬の散布状況についてもきちんと量を把握して、記録しています。その履歴を出してもらえるところであれば、より信頼できると言えます。© 2020 魚沼農耕舎

米を使ったお菓子 コシヒカリの特徴.