楚の国の人で盾と矛を売る者がいた。この人はこれを誉めて「私の盾は頑丈で、貫くことのできるものはない」と言った。また、矛を誉めて「私の矛は鋭くて、どんなものでも突き通すことができる」と言った。ある人が「あなたの矛でその盾を突き通したらどうなるのですか」といった。商人は答えることができなかった。 ここでは故事成語「矛盾」のもとになった話を解説する。なお、原文の難解な漢字はひらがなに直している。 書き下し文と原文 という質問です。つまり、最強の盾と最強の矛。話のオチです。調子よく話していた商人は、質問に答えることができなかった。と言うことは、質問が的確で、反論することも、解答をすることもできなかった、ということです。と、いうことは、最強の矛と最強の盾は同時に存在しない。ということを、明らかにしています。文法は、この、それは、韓非子が生きた戦国時代にとてつもなく人気だった、儒家の思想を批判するためです。基本的に、儒家は、それを作り上げた孔子の教えを忠実に守っている団体です。その孔子の思想の中に、堯は天子。つまり、王様。その下で働く臣下が、舜です。この瞬が、国が荒れた時に善行を積んだことによって、国の荒れた時代を乗り切り、人に対して徳のある行動をすることが、国を治める唯一の道である、と説くのが儒家の思想です。仁=他者への思いやり、を何よりも大事なこととし、理想的な君主である聖人君子が国を治めるべきであることを説きました。けれど、韓非子は、この考え方がどうしても納得いかなかった。確かに、舜の行動は良いだろう。けれど、臣下が頑張っている時に、天子である堯は何をしていたのか。そもそも、天子である堯が、孔子が言うように理想的な君主であるのならば、優秀な臣下の努力などいらないのではないか。つまり、堯が天子として政治能力がなかったから。無能だから、臣下の瞬が頑張らなければならなかったのではないか。理想的な聖人君子が、2人居るなどと言うことは、有り得ないのではないか。そもそも、完璧な人間など存在しないのだから、それを崇める考えは、辻褄が合わない、と批判しているのです。そこまで言わんでも……と思うのですが、韓非子には、辻褄の合わない、矛盾を含んだ話を、さも大事なことのように語る儒家の人間達が、我慢ならなかったのでしょうね。 ここまで読んていただいてありがとうございました。  古典は「裏」を知ると面白い。このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。松村瞳/文章塾「文LABO」主宰。著書に「古典の裏」笠間書院。古典は「裏」を知ると数倍面白い。松村瞳/文章塾「文LABO」主宰。著書に「古典の裏」笠間書院。古典は「裏」を知ると数倍面白い。 誉 レ メテ ② 之 ヲ 曰 ハク 、「吾 ガ 盾 ③ 之 堅 キコト 、 ④ 莫 二 キ 能 ク 陥 一 スモノ 也 ト 。. 楚人有鬻楯與矛者。譽之曰、吾楯之堅、莫能陷也。又譽其矛曰、吾矛之利、於物無不陷也。或曰、以子之矛、陷子之楯何如。其人弗能應也。 中学校国語 漢文 > 矛盾.

今回は中国故事「朝三暮四」のテスト対策問題。テスト対策に使ってください。解説はこちら【問題】次の漢文を読んで、以下の問題に答えなさい。宋有狙公者。愛狙、養之成群。①能解狙之意、狙亦得公之心。損其家口、充狙之欲。俄(a)匱(b)。②将限其食。 (『韓非子』(かんびし)より) 解答はこちら『矛盾(むじゅん)』問題の解答. 矛盾漢文の矛盾の訓点がついたものがのっているサイトを教えてください。 ... 漢文で訓点をふりなさいという問題が出た場合に。返読文字は両側に送り仮名をふる... 次の漢文に訓点をつけてく … 「何でも突き通す矛」と「どんな攻撃も防ぐ盾」の二つがあるというのはおかしい。なぜなら、「何でも突き通す矛」が本当ならば「どんな攻撃も防ぐ盾」はウソになるし、その逆の場合は矛のほうがウソになるからである。このように、つじつまの合わないことを「矛盾」(むじゅん)と言うようになったのはこの話による。

矛盾 このテキストでは、韓非子(かんぴし)に収録されている中国の故事『矛盾』で、テストに出題されそうな問題をピックアップしています。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 漢文 故事成語解説。今回は、矛盾です。中学校の教科書にも載っている文章。内容も簡単ですが、元ネタの背景も含めて、内容を把握しましょう。実はこれ、この文章を書いたのは韓非子です。生きた時代は、孔子が春秋時代。韓非子はその次の、戦国時代に生きた思想家です。皆が正しいと思っている事でも、改めて考えるとつじつまが合わないことって結構あります   楚の国の人がお話の主人公。韓非子は戦国の七雄のひとつ。韓の国の人です。しかも、王の一族のひとりです。お父さんが王様。地図をみれば、韓は、西は強国秦と国境を接していて、更に南には楚。更に魏には国を囲まれるような形で接しているし、その魏の東には宋も存在します。周囲がとにかく敵だらけの国で育ってきている韓非子。例示に挙げる国も、韓の国の人ではなく、なぜか楚の国の人。しかも、イメージ的に悪い人なので、韓非子が楚人をどう思っていたのかが、ちょっと伺えるシーンです。文法的に大事なのは、  自分の売っているものを誉めちぎって、お客さんに買ってもらおうとする。時代は戦国時代です。武器は良く売れたのでしょうね。特に、楚の国のものは、良く売られていたのでしょう。文法で大事なのは、「莫」の一字。盾を誉めた後で、今度は矛。誉めるのは良いんですが、恐らくお客さんのウケが良かったんでしょうね。調子に乗って、盛って話してしまいます。文法で大事なのは、「無し」と、「不」という否定語の二つが並んでいる形です。これは、~ざる無し、と読み、そこに、ある人が質問をしました。2つぶつけてみたら、どうなるの? 楚人 ニ ① 有鬻盾与矛者 。. 『矛盾』 このテキストでは、韓非子(かんぴし)に収録されている中国の故事、矛盾の原文(白文)、書き下し文、そして現代語訳・口語訳とその解説を記しています。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || … 漢文 故事成語解説。今回は、矛盾です。中学校の教科書にも載っている文章。内容も簡単ですが、元ネタの背景も含めて、内容を把握しましょう。実はこれ、孔子を批判する文章でもあるのです。この文章を書いたのは韓非子です。生きた時代は、孔子が春秋時代。 ここでは故事成語「矛盾」のもとになった話を解説する。なお、原文の難解な漢字はひらがなに直している。 矛盾(『韓非子』より)~高校生の定期テスト対策プリント(漢文)~ | 墨田区両国のプロ家庭教師みみずく~総武線・大江戸線・新宿線沿線で指導中~

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