宇宙服、宇宙食など人類が宇宙で暮らすために必要な物の開発と製造を行います。宇宙開発は国家機関がやることだと思われがちですが、近年では民間ベンチャー企業が数多く起業し、宇宙ビジネスが盛んになってきています。化石燃料などの地球上では限りがある資源を、外部天体から獲得することを目指します。人工衛星の破片などの宇宙ゴミを破棄し、運用中の人工衛星や探査機を守ります。最後にご紹介するのは、人類が宇宙空間へ進出していく活動「宇宙探査」です。船舶や航空機から発信される電波を観測して、位置監視を行います。人を乗せて運ぶために、生命維持装置や人が耐えられる振動条件など特別な設計を行う必要があります。大きく「宇宙製造・インフラ」「宇宙利用」「宇宙探査」の3つに分けて現状の宇宙ビジネス業界マップを作成しました。住所がなくても、位置情報を把握することで荷物を届けることができるサービスを提供します。雲の動きや降水量、地形情報などから天気予報、大雨被害予測などに活かします。したがって、今すぐにビジネスとして成立するものではありませんが、これまで国家機関だけが担い手であった「宇宙探査」の分野にも民間企業が参入し投資が集まっています。衛星を軌道に導入する手段もロケットだけではなく、ISSや衛星自体から別の小型衛星を放出するなど、利用を促進するための技術もさまざまなものが計画されるようになってきました。実店舗の近くを通る際にクーポンや通知を配信するサービスを提供します。宇宙ビジネスを支える製造・インフラを担う事業について紹介しました。宇宙利用を促進するには、それを支える製造・インフラの事業が整備されていることが前提であり、逆に言うと、この事業がしっかりを整備されていれば利用がその分拡大できる可能性があります。山岳地帯など電波が届かない場所でも自分の位置を把握するサービスを提供します。長期間宇宙空間(真空、放射線など)に耐えることができる部品を提供する企業。衛星から送られた画像データから情報を取り出し、サービスを提供する企業。宇宙ビジネスの世界規模での市場規模は2010年に約27兆円だったのが、2017年で約38兆円まで成長しており、このペースで進めば2030年代には約70兆円以上に達すると言われています。地球観測衛星を所有し、衛星画像を販売する企業。※必ずしも所有している訳ではありません。故人の遺灰の一部をロケットで打ち上げ、宇宙空間や月面に送るサービスを提供します。人工流れ星や宇宙遊泳模擬体験など、宇宙空間の特性を活かしたサービスを提供します。森林の温度や地形を把握することで、火災の監視や違法伐採の監視、植林地選定に活かします。地形を把握し、正確な地図の作成や植生の分布のモニタリングなどを行います。それぞれを丁寧にみていくと、既存ビジネスの課題とビジネスチャンスが見えてくるかもしれません。その内訳をみると、ロケットや人工衛星の製造に関する市場(宇宙インフラ市場)は全体の6%弱にあたる約2兆円。一方で、衛星データ活用や衛星テレビサービスなど、宇宙を利用したビジネスに関する市場(宇宙利用市場)は全体の35%強にあたる約14兆円の市場規模です。政府予算、宇宙旅行の市場を除くと成長率は3%と全体と比べても高く、これからも成長していくことが予想されています。輸送業であるロケットに求められるのは、安く・確実に(失敗せずに)・乗り心地良く、目的の場所まで到達できることです。走行中の車や飛行機など、移動中にも大容量の通信サービスを提供します。軌道上で運用に必要な燃料を供給できるサービス。衛星が地上に戻ることなく、運用し続けることができます。供給するために、ロボットアーム技術が用いられます。市場規模から注目企業まで、本記事では宇宙ビジネスについて業界マップを使いながらご紹介します。乗り物の位置を把握して、利用者への配車・運行・物流の効率化を図ります。気候予測から影響の大きい農地に対し条件に応じて保険額を決定するなど、保険額の支払いに活かすサービスを提供します。人や人に付随する物資を宇宙へ運んだり、地球に戻したりするサービスを提供します。しかしながら、NASAもJAXAも民間企業なしで宇宙開発を行っているわけではなく、独自にロケットや人工衛星を作り始めたベンチャー企業、既存の人工衛星を自社事業に利用している企業もあります。これらのすべてが宇宙ビジネスに当てはまります。特に、「宇宙利用」は、近年盛んに言われる「ビックデータ」や「IoT」などグローバル規模でのトレンドに合致した分野であり、市場規模はますます広がっていくものと考えられます。「宇宙利用」が盛んになれば、もちろんそれを支える「製造・インフラ」も市場規模が大きくなっていくはずです。製造分野はロケット、人工衛星、地上局の3つに分かれています。特に小型ロケットや小型衛星の開発企業が、続々と投資金額を獲得し計画が進んでいます。続いて”宇宙利用編”として宇宙をどのようにビジネスに利用しているかを紹介します。宇宙利用について大きく2つのカテゴリーに分けました。宇宙ビジネスと聞いて、みなさんはどんなイメージを浮かべるでしょうか。一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!衛星からデータを受信、解析することで衛星の状態を確認する地上のシステムを構築する企業。同じ政府系のビジネスでも、今後民間が果たす役割が大きくなっていくものと思われます。このようなビジネスでは成功すれば政府が顧客になる、すなわちお金を払うことが明らかであるため、ベンチャー企業が比較的投資を集めやすい傾向にあります。スマートフォンアプリやカーナビなど、位置情報を元にしたサービスを提供します。衛星を設計製造する企業。ミッションを実現することができる衛星を考え、形にします。衛星の電波が受信できない場所にいても、ほかの衛星を経由して通信できる環境を整えます。簡易に人工衛星を制作し、宇宙の利活用ができる機会を提供します。海水温やプランクトンの発生を監視し、魚群の位置や養殖の様子を予測・把握します。航空機や最近はドローンなどを使って遠隔操作で対象を調べる技術を、人工衛星を使って行うことで、より広範囲に地上だけでなく、海洋や大気など多くの現象を調べることができます。地球環境のメカニズムの解明を主な役割として利用されていますが、徐々に衛星データの解析からわかるデータが多くの分野へ活用され始めています。衛星の軌道を変更するための衛星。寿命を終えた衛星や、故障した衛星の運用立て直しを行います。厳しい訓練を積まなくても宇宙まで人を運べる宇宙機を開発し、宇宙旅行の実現を目指します。人工衛星で観測できる光量などの情報から企業の売上状況の予測に活かします。気候の変動や環境を監視し、温暖化や海洋の状況把握に役立てます。また、アメリカではNASAが宇宙ステーション往還機の開発を民間に任せる方向性を明確にしています。気象衛星を担当していたアメリカ海洋大気局(NOAA)も、民間の気象衛星情報を積極的に採用していく方針です。衛星から得られたデータよりその状態を確認し、継続的なミッション運用を行う企業。地上局設備の監視も行います。ロケットの姿勢を制御するための角速度計測器や、高温に耐えられる断熱材など、搭載した衛星などを宇宙まで正確、かつ、無事に運べるロケットを作るための部品を提供する企業。ロケットとは、衛星を地上から宇宙空間へ輸送するサービスです。荷物を運ぶ運送業のトラックや、乗客を運ぶ飛行機や新幹線をイメージしていただくと良いかもしれません。「宇宙利用」で紹介したのは地球へのサービスですが、こちらは人類が宇宙空間へ活動エリアを拡げていくためのビジネスになります。衛星携帯電話に代表されるような、衛星通信を利用したサービスを提供する企業。衛星を運用するためのアンテナを提供します。近年はユーザー同士のアンテナをシェアリングするサービスも現れています。利用することで、衛星との通信時間を安価に伸ばすことが期待されています。また、打ち上げ後、衛星のデータを利用につなげるためのシステムを開発する企業も多くなってきました。地球上では実現できない環境を提供します。また、その環境を使って新たな薬や技術の開発を行います。地上データと組み合わせて、蚊の発生箇所を予測して疫病の感染を監視します。宇宙ビジネスって実際何ができるの?儲かっているの?市場規模から注目企業まで、本記事では宇宙ビジネスについて業界マップを使いながらご紹介します。通常時と発災時に分けて書いてありますので、余白部分に他にもこのようなユースケースが考えられるのではないか?というものを書き込んでみてください。ロケット開発製造会社からロケットを購入し、衛星打ち上げサービスを提供する企業。近年では、ロケットからだけではなく、ISSや衛星から衛星が放出されるサービスも提供され始めています。化石燃料などの地球上では限りがある資源を、月や小惑星などの外部天体から獲得するなど様々な理由から惑星探査を行います。大航海時代人類が新たな大陸の発見を夢見たように、まさに今人類は新たな領域へと生存範囲を広げようとしているのです。どのようなビジネスモデルを描くのか、投資に見合う結果が出せるのか、最初にビジネスとして成立するのはどこの会社なのか、注目です。配達の状況をリアルタイムで把握したり、希望の位置に荷物を運ぶサービスを提供します。今後も新たな産業、企業が参入し拡大していくことが期待される宇宙ビジネスに目が離せません。日本で見ると、宇宙ビジネス全体の市場規模が約1.2兆円、宇宙インフラ市場についてはその9割が官需で、欧米に大きく差をつけられている状況です。内閣府は、このような状況を鑑み「宇宙産業ビジョン2030」の中で、2030 年代早期の市場規模の倍増を目指していくと述べています。ロケットを設計製造する企業。再利用可能ロケット、小型ロケットなど、より効率的、かつ、低コストで宇宙へモノを運べるロケットを考え、形にします。建設予定地や空き家の状況をいち早く把握して見立てに活かします。人工衛星とは、本記事の冒頭で紹介した宇宙利用(ミッション)を実現するために、宇宙空間に設置される機械であり、宇宙空間への輸送はロケットによって行われます。運用中の衛星に放射線などによりトラブルが生じたとき向けの保険サービスです。おそらく宇宙旅行や人工衛星を使った何かといったイメージをすることはたやすいかと思います。NASAやJAXAなどの政府機関で進めている事業であって、民間レベルでは「まだあまり現実的ではない、いつかやってくる未来」と感じる人が多いかもしれません。そこで、どのような企業がどのような分野で宇宙ビジネスに取り組んでいるのか、まずは、「製造・インフラ」として、ロケットや人工衛星、地上局など宇宙利用を実現するための機器を製造する企業から、宇宙利用を促進するためのシステムを開発する企業を紹介します。将来、人が宇宙で暮らすことを想定し、長期滞在可能な居住空間の開発を目指します。土地の肥沃度や石油残量を予測することで、ファイナンスの審査用のデータとして利用します。地上での輸送時から、ロケット打ち上げの失敗や、軌道上での衛星の故障など、宇宙関連事業におけるリスクに対しての保険を提供する企業。宇宙を利用したビジネスの例を紹介してきましたが、宇宙利用のすべてを網羅できているわけではありません。また、宇宙分野への民間参入は始まったばかりであり、宇宙を使うからこそできることはまだまだ可能性に満ちているはずです。今後、宇宙をビジネスの手段として利用することが当たり前になる社会になることで、地球で生きる私たちの生活も豊かになっていくに違いないと考えられます。前回作成した利用マップに比べて、かなり多くの業種を追加しました。宇宙を利用したサービスは多岐に渡り、これ以外にもまだ開拓されていない事業への利用の可能性があります。「人工衛星を利用」して地球での生活に活かすビジネスと、地球上ではできないことができる「宇宙空間を利用」したビジネスです。各国の政府機関は測位衛星を所有し、位置情報に用いる電波を無償で提供しています。アメリカのGPSがその代表例ですが、ロシアやヨーロッパ、中国も独自のGPSのようなシステムを有しています。また、位置情報を利用してビジネスを行っている企業。雲に邪魔されることのない宇宙空間で太陽の光を受け、発電したエネルギーを地球に伝送します。衛星は打ち上げて終わりではありません。ミッションを予定通り行うためには、地上から衛星の様子を監視し、適切な指示を送る必要があります。また、衛星から送られてくるデータを受信するシステムも必要です。衛星データは、衛星から利用事業者にそのまま提供するには利用事業者自身に解析能力がないといけないため、データを利用しやすいようにプラットフォームを整備したり、画像を解析して利用者に提供する事業者も宇宙業界の中での存在感が強くなってきています。Spire Global はアメリカ、サンフランシスコに本社を置くデータ分析会社。その事業の一部を紹介します。「宇宙開発」の花形とも言える宇宙探査ですが技術的なギャップが大きく、宇宙ビジネスという視点からみると最もマネタイズが難しい分野とも言えます。政府を顧客とする大企業ばかりが製造を担うのではなく、宇宙利用の拡大を受けて民間をターゲットにした製造・インフラビジネスを起こすベンチャーの参入が増えています。「宇宙探査」は人が宇宙に行く「有人宇宙探査」と、探査機が宇宙で活動する「無人宇宙探査」の2つに分けられます。宇宙利用ビジネスを行う事業者。利用の観点から区分けしています。技術的に見ると、衛星が提供するサービスの種類は3種類に分けられます。衛星から撮影した画像サービス、通信サービスと位置情報サービスです。