2009)。これに対し、非薬理学的介 入および薬理学的介入によるせん妄予防効果についての研究が行われ、可能性が見出されている ものの未だ確立 … 夜間のせん妄の看護 夜間は、せん妄の人は不安や寂しさで、人を大声で呼ぶ、錯覚、幻覚、徘徊などの症状があらわれます。 そのため、叱るのではなく安心させてあげることで落ち着きます。
せん妄の症状・分類・原因について。せん妄は,脳機能障害が急性に発症し,これに伴って精神状態の変化や変動,認知機能障害(記憶欠損,失見当識,言語障害など),注意力障害,および思考の混乱または意識レベルの変化がみられる症候群です. 入院患者の多くが発症するせん妄。その発症率は10%~30%と言われており、判断や対応の難しさから軽視してしまいがちです。しかしながら、発症することにより基礎身体疾患へ悪影響を及ぼし、さらに死亡率の増加や入院の長期、医療費の増大など、患者やその家族に多大な負担がのしかかります。それゆえ、看護師はせん妄を未然に防げるよう努めると共に、発症時には適切な対応のもと治癒を促進していかなければいけません。せん妄に関する知識を深めことで、予防・早期発見・早期改善を図ることができますので、当記事を参考に、せん妄に関する確かな知識を習得してください。 目次せん妄とは、病気や薬剤などによって、幻覚・錯覚、注意力・思考力の低下、覚醒などの症状をきたす精神機能の障害で、多くの場合突発的に発生します。せん妄は精神障害に分類されていますが、あらゆるタイプの“混乱状態”を指すことがしばしばあるため、医学用語としての具体的な定義は存在するものの、その実態は厳密ではありません。多くの場合、突発的に発生しますが、これは正常ではなく、深刻な問題が新たに発生した兆候であるという見方もでき、特に高齢者の場合はこの傾向が強いと言えます。それゆえ、治癒に向けた迅速なケアが必要不可欠です。 せん妄の症状は下表のようにさまざまですが、中でも「注意障害」「見当識障害」「知覚障害」を呈する患者が多い傾向にあります。これらの症状は大抵、数日で治まりますが、場合によっては数週間~数か月続くこともあり、一度せん妄を経験したことのある人は高い再発のリスクがあります。幻聴(実際にしない音が聞こえる)、錯視(天井のシミが虫に見えるなど実在するものを異なって知覚する) 「ぼんやりする」、「集中ができない」など本人からの訴えがある場合や、「言ってることがおかしい」、「忘れっぽくなっている」、「昼間にウトウトし、夜は寝ていないみたい」など客観的に上記のような症状が発現した際には、せん妄を疑います。しかしながら、せん妄の診断基準は曖昧であるため、不眠症や鬱病、認知症と誤診されやすいのが現状です。なお、米国精神医学会診断基準(DSM-IV)において、以下の全てが該当する場合に「せん妄」と診断されます。 上記で述べたように、せん妄と認知症は誤診されやすく、特に高齢者でせん妄症状が持続している場合には、認知症と診断されることが多々あります。せん妄と認知症の症状は似ているものの、5つの点において決定的に違いが存在するため、誤診しないよう、または誤診された後に早期発見できるよう、せん妄と認知症の相違点をしっかり理解しておきましょう。発症日が明確である発症日を特定できない⇒ せん妄の原因は多岐に渡り、病気や薬剤だけでなく環境の変化や心理的不安、さらには加齢によって起こることもあります。頭部外傷、脳血管障害、けいれん発作、変性疾患貧血、脱水、低酸素症、電解質異常、低血糖、腎不全、高血糖肝不全、ビタミンB1欠乏症、甲状腺・副甲状腺疾患不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、呼吸不全、肺塞栓、ショック悪性腫瘍、重症外傷、手術侵襲、アルコール離脱、感染症、低体温、高体温ベンゾジアゼピン系(抗不安薬、睡眠導入薬)、抗パーキンソン病薬(抗コリン作用薬・ドーパミン作動薬)、三環系抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、非ステロイド性抗炎症剤、抗生物質、抗がん剤、H2ブロッカー(シメチジン)など不慣れな環境、緊急入院、見慣れない人の存在、家族などいつもそばにいる人の不在騒音、過剰な照明、視覚・聴覚障害、日時が確認できない状態、眼鏡・補聴器などの補助具未装着身体拘束(抑制帯の使用など)、安静、点滴、胃管、酸素マスク、ドレーンなど管類の挿入、心電図モニターなどの装着コントロールされていない疼痛便秘、頻尿、失禁、普段と異なる排泄方法(膀胱留置カテーテル、おむつ、ポータブルトイレなど)不眠、コントロールされていない眠剤投与不安、気がかりな出来事、喪失体験 ■せん妄の多くは病気が障害の治療に用いられる薬剤によって引き起こされます。せん妄を引き起こす薬剤は多岐に渡るため、どのような薬剤がせん妄の原因となっているのか知っておきましょう。 せん妄は二次的に発生する精神障害であり、確実に治せる確立した治療法は未だ存在していません。しかしながら、ほとんどの場合、原因を取り除くことで改善を図ることができます。せん妄の発症期間はおおよそ1週間~2か月と短期的であるため軽視されがちですが、患者の負担は多大であるため、以下のような対策をとり、早期改善を図ってください。 せん妄の多くは使用薬剤により発症し、誘因となる薬剤は実にさまざまです。まずは、使用薬剤の中止を検討します。しかしながら、治療上どうしても中止することができない場合は、せん妄の発症率の低い同種の薬剤に切り替えるなど対策をとる必要があります。なお、根本的な治療ではないものの、せん妄の症状緩和を目的として鎮静薬を用いる場合もあります。 特に高齢者においては、現在患っている病気の症状、たとえば発熱や下痢などから脱水を起こすことがあります。脱水はせん妄の誘発因子であるため、脱水にならないようにすることで予防・改善を図ることができます。その他、貧血や低栄養状態化でもせん妄が起こる場合があります。ゆえに、体調管理を徹底することが重要となります。 入院や転居など異なる環境下での生活で多大なストレスがかかり、このストレスによりせん妄が引き起こされることがあります。そのため、“安心できる環境”を作ることが大切です。たとえば、適度な刺激を与え五感を刺激する、ラジオを聞かせる、カレンダーなど見慣れたものを身近に置く、などです。また、話をすることで精神的な安楽を確保することができるため、コミュニケーションも非常に重要です。これら環境の改善により せん妄の多くは日中に消退し夕方から夜間にかけて好発します。そのため、昼夜逆転してしまい、睡眠・覚醒のリズムに障害が起こります。この場合、一般的にはせん妄の発症リスクの少ない睡眠導入剤または精神安定剤をもって睡眠・覚醒リズムの是正することで、せん妄の症状が軽減されることが多々あります。 せん妄は偶発的障害ではなく、必ず何かしらの原因が存在します。特に病気や手術後に発生するせん妄(術後せん妄)は防ぎようがないと言っても過言ではありません。しかしながら、環境的・心理的要因または生理的要因によって起こるせん妄は予防することができます。以下に予防的看護のポイントをご紹介します。なお、各項目はせん妄発生時の治療的ケアにも通じています。 ⇒ ⇒ ■ せん妄は夕方から夜間にかけて症状が出現する、または激しくなる傾向にあり、これをこの時、患者は興奮状態を呈していますが、心情・精神における状態は不安感で一杯です。自分がどこにいるのか分からない、周囲の状況が分からない、幻覚や妄想などにより不安感が高まり、奇声や徘徊などの行動をとります。それゆえ、患者によって安心できる環境は異なりますが、「①安心に繋がる態度・表情・声で優しく傾聴する」、「②病室の電気をつけて少し明るくする」、「③背中や足をさすってあげる」、「④ぬいぐるみを抱かせる」など、不安感を軽減できるよう努めてください。 せん妄において、直接的な看護ケアは非常に大切であるものの、安全確保も忘れてはいけません。せん妄発生時には点滴ルートの抜去や転倒・転落などの事故の危険性があり、看護を行う上で事故は未然に防がなければいけません。以下に挙げるポイントをしっかり抑え、事故防止につなげてください。 ルートを首から通して見えなくする、点滴を視界に入れないなどの工夫のほか、可能であればせん妄症状が出現しない時間帯に点滴を終わらせましょう。 転倒・転落防止のためベッド上・ベッド下、床などに障害物がない状態を保ち、自傷・他傷行為を防ぐために室内にナイフやハサミといった鋭利な物を置かない、または目の届かないところに置くようにしましょう。 離床センサーを設置することで、徘徊時に早急な対応ができるほか、転倒予防にも効果的です。 入院患者の10%~30%もの高い発症率があり、さらに再発リスクも高いため、軽く考えられているのが現状です。しかし、せん妄は患者やその家族に身体的・精神的な負担が大きくのしかかり、患者の基礎身体疾患への治癒を遅らせてしまいます。せん妄患者に対する看護や対応の仕方は容易ではありませんが、せん妄に関する知識と患者の心情に対する理解があれば、どのように対応すれば良いのか自ずと見えてきます。一過性で発症率の高い精神障害だからと言って軽視するのではなく、確かな知識・理解をもって、せん妄ケアに努めていってください。福岡生まれの東京都在住の正看護師。看護学校を卒業後、大学病院に就職、ICU、オペ室、循環器を経験し、美容クリニックを経て、現在はブロガーとして活躍。この記事が気に入ったらナースのヒント の最新記事を毎日お届けします
国立長寿医療研究センターでの調査では,80歳以上の待機手術患者での発症率は73.9%で,高齢, 術前mmse低値,術前jncs低値,興奮・多動の既往が術後せん妄発症の危険因子であった. 索引用語:高齢者,術後せん妄,せん妄,危険因子,認知機能障害 CRTとは心室を同時にペーシングすることで、重症心不全で低下しCopyright© 2015 All Rights Reserved. 癌や術後の疼痛を患者自身がオピオイドなどを調節して使用する、PCA(自己調節鎮痛法)をご存知
せん妄状態にある患者さまへの適切な接し方について知りたい; 術後せん妄状態にある患者さまの看護をする上での注 … SSIとは手術部位に起こる感染のことで、手術全体の5.4%に起 せん妄ケアの構造は,このLipowskiの発症因子の3 分類から,図2のように進めていくことができる5). 4.せん妄発症の判断指標 せん妄ケアは,前述のように明らかにせん妄が発症し ているか否かによって介入内容が異なってくる.もちろ ナースのヒント|明日のヒントが見つかるWebメディア , !この記事が気に入ったらフォローしようCATEGORY :バリアフリーについて詳しく教えて!種類は?例は?「認知症学会」ってどんな役割?「認知症学会」を大解剖!「医療介護総合確保推進法」の基本を大紹介!高齢者の脳トレで認知症予防できる!?方法は?効果は?白内障について教えて!原因は?対策は?ノーマライゼーションの意味って?介護との関係は?次の記事 介護相談の相手をして報酬がもらえる!介護に困っている働いている人向けの介護相談、マッチングアプリ【JOJOS】 稲本 俊,他:術後せん妄の発症状況とそれに対する看護ケアについての臨床的研究 表5手術時間,術中出血量,術後icu入室と術後せん妄発症率 術後せん妄 あり なし 発症 手術時間(分) 1-360 8 率 361- 96 7.7%