その一つはスマトラ島中部の「ブキットティガプル国立公園」で、そこには185頭のオランウータンが放たれた。もう一つは(同島北西部の)アチェ州にある「ピヌスジャント森林保護区」。125頭が解放されている。インドネシア政府の推計では、野生のオランウータンは7万2千頭未満だが、コロナ以外の脅威にもさらされている。オランウータンの生息地の減少が、地元住民と遭遇しやすい環境をつくりだしている。住民は時に、オランウータンの赤ちゃんを捕まえてペットとして売りとばすために母親を殺すことがある。昨年、1頭のスマトラ・オランウータンが、ペレット弾(空気銃弾)で74回撃たれて失明した。10代の少年がそのオランウータンの赤ちゃんを奪おうとしたのだ。撃たれた母オランウータンはビナ・ワナがいるSOCPに連れていかれ、手術を受けて生き延びた。しかし、赤ちゃんの方は途中で死んでしまった。ボルネオ島のインドネシア側にあるリハビリセンターの一つ、「オランウータン保護センター(COP)」は、センターにいる16頭のオランウータンを守る最善の方法として檻(おり)に戻すことを決断した。イヌ、ネコ、ミンク、そして飼育下のライオンやトラたちはすべてウイルスに感染してきたが、多くの場合、人間からうつったと考えられている。4月のある研究は、類人猿とアフリカやアジアのサルは「きわめて感染しやすい」と結論づけている。野生のトラが、特にその大半が生息するインドで病気にかかる可能性があることも、専門家は心配する。約1万3700頭いるスマトラ・オランウータンは、かつては広大な島を広範囲に動き回っていたが、森林破壊、とりわけパーム油のプランテーションによって、行動範囲はスマトラ島北部に限られてしまった。「ウイルス感染を阻止するために、オランウータンのロックダウン(閉じ込め)を選択したのだ」と同センターのリハビリ担当マネジャー、ラマダニは言う。「私たちはそのことを心配し、とても深刻に受け止めている」とイアン・シングルトンは言う。ビナ・ワナを2014年に救出して以来、ずっと育ててきた「スマトラ・オランウータン保護プログラム(SOCP)」のディレクターだ。「仮にそうしたことが起きれば、大惨事になる」と付け加えた。寿命が50年余のオランウータンは、人間以外ではアジアで唯一の大型類人猿だ。スマトラ島とボルネオ島(訳注=インドネシア名はカリマンタン島)にだけ生息している。その85%近くが、減少しつつあるインドネシアの熱帯雨林にすむ。あとは、ボルネオ島北部のマレーシア側にすんでいる。ボルネオ・オランウータンもまた森林の農地転用に脅かされており、ここ20年間の激減で、インドネシア側では4万5600頭になった。その森は、特に火が放たれて農地化されているのだ。国境のマレーシア側には1万1700頭がすんでいる。3月中旬、当局は動物を野生に放すすべての計画をキャンセルし、施設への部外者の立ち入りを禁じ、オランウータンを扱うスタッフに防護用具を着用するよう命じた。それは、インドネシア大統領のジョコ・ウィドドが全国に社会的距離の保持措置を課した2週間近く前のことだ。(Richard C. Paddock)©2020 The New York Times一部は、自力では生き延びられないほどひどい傷を負っている。それでも、ほとんどが野生に戻るチャンスはある。「私たちの目標は、それぞれで、繁殖が可能な成体を250頭もつこと」。2001年に同センターを創設したシングルトンは、そう話している。(抄訳)その子はインドネシア・スマトラ島の都市メダンの近くにあるリハビリテーション・センターに連れていかれ、他の孤児たちと一緒に育てられた。ビナ・ワナと名付けられ、同センターの「森の学校」に入れられた。そこで、木登りや食べ物の見つけ方、野生で生き残る術を学んだ。ウイルスが、たとえ1頭であれ野生の類人猿に感染すれば、無制限に拡散し、集団を全滅させてしまう恐れがあると専門家はみる。野生では、食い止める手立てがないだろう。朝日新聞が提携する米ニューヨーク・タイムズからホットな話題や新鮮な視点の記事をピックし、翻訳してお届けします。インドネシアにはアニマルパークやリハビリセンター、動物園などオランウータンを飼っている施設が33ある。同国の環境森林省は2月の早い段階で、ウイルスが動物たちの脅威になると警告した。3種類いるオランウータンのうち、最も絶滅の危機に瀕している種は最近その存在が判明したタパヌリ・オランウータンで、北スマトラ州に約760頭を数える。生息地は、森林伐採や大規模な金鉱山、バタントル水力発電ダムの建設に脅かされている。「私たちは、人間から野生動物への感染が起こらないよう、すごく注意を払っている」とインドラ・イクスプロイタシアは言う。インドネシア環境森林省の生物多様性保全局長で、「疾病は種の絶滅を引き起こす脅威の一つだ」と指摘する。ところが、近縁関係にある人間の多くと同様、ビナ・ワナの自由は新型コロナウイルスに待ったをかけられた状態になっている。保護プログラムの目標は、新しい自立した個体群を二つつくりだすことだ。科学者が懸念するのは、もともとコウモリから人間にうつったと考えられているウイルスがゴリラやチンパンジー、ボノボ、オランウータンといった類人猿にも容易にうつる可能性があること。そうした類人猿は人間のDNAの97%から99%を共有している。そのいずれもが、絶滅の危機に瀕(ひん)しているのだ。ビナ・ワナは現在6歳ぐらいで、近く、熱帯雨林に帰されることになっていた。救出されたスマトラ・オランウータン300頭超をすでに森へ帰してきた野心的な計画の一環として。「ボルネオ・オランウータン生存財団(BOSF)」の会長ジャマルティン・シーテは、インドネシアにある二つのリハビリセンターの一般公開をやめると宣言し、「人間と比べれば影響が少ないかもしれないが、もっと致命的な可能性もあり、とてもそうした危険は冒せない」と言っている。飼いネコほどの大きさのオスのオランウータンが救出されたのは、生後10カ月ぐらいの時だった。鼻は大部分が切り落とされていた。おそらく、母親が山刀で襲われて殺された際にやられたのだろう。センターは毎年、数十頭のオランウータンを受け入れている。その多くはビナ・ワナのように年齢が若い時に救出された。あとは、捕まえられて何年も飼われていたオランウータンで、飼い主がセンターに引き渡したか、当局が押収して連れてきたのだ。 ※セピロクではオランウータンの赤ちゃんのオシメにする為子供の古着等を必要としています。ご不要の古着などがある方はお持ち頂くと現地で喜ばれます。 自然散策路: 保護区内にはいくつかの散策路が … ボルネオ島って聞いた事ありますか?観光地「コタキナバル」がある、日本でも知名度が上がっている東南アジアの島です。 そんなボルネオ島は自然豊かで、おまけにマリンスポーツも出来ていつも観光客で賑わってますよ☆ そして、ボルネオ島と言えば「オランウータン」! オランウータンの子どもや赤ちゃんの飼育の様子も見ることができます。赤ちゃんの飼育室には獣医が常勤しています。生後数か月の赤ちゃんもいて、そのかわいらしさに感動! オムツをしているオランウータンは人間の赤ちゃんにかなり近いような・・・。 Copyright 2011 READYFOR, Inc. All rights reserved.現地では、様々な団体によりオランウータンの保護活動が実施されています。しかし、リハビリセンターに1,000頭ものオランウータンが保護されている一方で、野生復帰に必要な森林は減少の一途を辿っており、これらの活動は対症療法に過ぎないというジレンマがあります。今回、みなさんが使用している“あるもの”が環境を破壊し、森のオランウータンたちを困らせている現状に着目し、プロジェクトを立ち上げました。インドネシアのカリマンタンでプランテーション開発にさらされ、絶滅の危機に追いやられているオランウータンの救助・保護活動を行う地元の団体COPをサポートするためです。そのような状況を打開するため、COPではオランウータンの救助・保護活動だけでなく、問題の根源となる違法なプランテーション開発への働きかけなど、総合的なアプローチを行っています。このように私たちの身の回りでパーム油という「見えない油」が普通に使われ、そのパーム油が生産されることで多くのオランウータンが犠牲となっているのです。パーム油はアブラヤシ(ヤシ科・アブラヤシ属)から得られる油脂で、世界で最も多く消費されている植物油脂です。みなさんが普段からよく口にする加工食品の半数近くは、パーム油から得られた油脂やその派生物が使われています。食品では、即席麺、チョコレート、スナック菓子、マーガリン、アイスクリームなどに含まれています。また食品以外でも石鹸、洗剤、化粧品などに使用されています。日本では原材料表示にパーム油と記載することが義務付けられておらず、多くの商品には「植物油脂」としか書かれていないため、あまりご存知ないかもしれませんが、日本では一人当たり年4~5リットルを消費しています。日本で使われている植物油脂の中では、なたね油に次いで2番目に多い消費量です。さらに近年になって世界的にパーム油の需要が急速に伸びており、世界最大の生産国であるインドネシアでは多くの熱帯林がアブラヤシ農園開発のために切り開かれています。COPでは若いメンバーが中心となり日々活動しています。私たちは違法なプランテーション開発に立ち向かい、オランウータンの救助・保護活動を行うCOPの活動を全面的にサポートしていきたいと思います。皆さまからのご支援はすべてCOPの活動資金とそれにかかわる諸経費として使わせていただく予定です。はじめまして。熱帯林と世界の森林破壊問題に取り組むNGO団体「熱帯林行動ネットワーク(JATAN)」の中司と申します。私は、熱帯林行動ネットワークの一員としてインドネシアをはじめとする熱帯林保護の活動に携わっています。数年前、私たちはパーム油の問題について議論する場で「オランウータン保護センター(COP)」のメンバーと出会い、問題を解決したいメンバーの熱い想いに触れ、何か連携できることはないかと思ったことがプロジェクトのきっかけです。そこで私たちは、6つのNGO団体が組織するネットワーク「プランテーション・ウォッチ」として、アブラヤシをはじめとする大規模農園開発のもたらす問題への取り組みを進めています。私たちの暮らしとも深いつながりのあるパーム油に警鐘を鳴らすことで、インドネシアのオランウータンとの関係を多くの人が知り、この問題を考えるきっかけとなってほしいです。 ボルネオ島って聞いた事ありますか?観光地「コタキナバル」がある、日本でも知名度が上がっている東南アジアの島です。 そんなボルネオ島は自然豊かで、おまけにマリンスポーツも出来ていつも観光客で賑わってますよ☆ そして、ボルネオ島と言えば「オランウータン」! 【ホンシェルジュ】 愛くるしい表情とゆったりとした動きで癒しを与えてくれる「オランウータン」ですが、いま、絶滅の危機に瀕しています。この記事ではそんな彼らの生態や性格、知能の高さ、特徴のひとつである「フランジ」などについてわかりやすく解説していきます。 しかし、これらの赤ちゃんのほとんどは、親を亡くした孤児のオランウータンなのだという。国際アニマルレスキューセンターはインドネシア・カリマンタン島にあるオランウータンの保護施設である。 オランウータンとは、ヒト科オランウータン属(Pongo)に分類される構成種の総称である。 語源は、「orang(人) hutan(森) = 森の人」である。 アジアの熱帯のみに生息する。 ヒト亜科とオランウータン亜科の分岐は約1,400万年前と推定されている 現在、copが運営しているリハビリセンターでは、20頭のオランウータンが保護されていますが、30,000円あればオランウータン1頭の一か月分の食費を賄うことができます。20,000円あればオランウータンの救助に取り組むスタッフの一か月分の活動費用を賄うことができます。 SOCPに保護されている赤ちゃんオランウータン=Foundation for Sustainable Ecosystem/Sumatran Orangutan Conservation Program via The New York Times/©2020 The New York Times . オランウータンは国際自然保護連合(iucn)のレッドリストに指定されている動物です。 なんと1番絶滅する可能性が高いと言われている 『近絶滅種(絶滅寸前)』 に登録されています。 スポンサーリンク 昆虫のクローズアップした写真は、当サイトでも何度か紹介した(過 …スポンサーリンク このたび、ミャンマーで、1941年以降確認されず、絶滅したと思 …スポンサーリンク イスラエルのユダ砂漠で、まるでマリリンモンローのように風で足が …飼育スタッフによると「人間の幼児は長距離を歩くことが困難です。そのため親はベビーカーに赤ちゃんを乗せます。オランウータンの赤ちゃんも同じく歩きたがらないので、こうしてスタッフによって学校へ通学させています」とのこと。手押し車には10頭から11頭まで乗せることが可能だそうだが、それだけの数になるとかなりの重量になるため重労働だそう。また、インドネシアの気候上、どうしても湿気によって錆びやすく、道も舗装されていないため、手押し車はすぐにダメになってしまうという。スポンサーリンク イギリス・ノッティンガムシャーの猫カフェで、レジ横に置かれた募 …スポンサーリンク スペイン領のカナリア諸島に、面倒くさがりやだが、とても賢い犬が …インドネシアの国際アニマルレスキューセンターでは、毎日朝と夕方にスタッフが手押し車でオランウータンの赤ちゃんを運ぶ微笑ましい光景がみれる。スポンサーリンク 牛の角のような触覚を持つことから「海の牛」という名前がつけられ …スポンサーリンク ロシアのイリーナ・ゴンチャローワ(Irina Goncharo …国際アニマルレスキューセンターはインドネシア・カリマンタン島のクパタンにあるオランウータンの保護施設である。主に違法にペットとして飼われていた、オランウータンを保護し野生に返す活動をしている。不思議かつ知的好奇心をくすぐられる情報や海外ニュースを紹介するニュースメディアです。スポンサーリンク 淡水の捕食者ワニ。水中でじっと身を潜め、いざ獲物が現れると凄ま …Copyright© エニグム(ENIGME) , 2015 All Rights Reserved.このオランウータンの学校は「森の学校」と呼ばれており、寝床からの距離があるため、その間を毎日飼育員が手押し車に乗せて連れて行ってあげるのだ。スポンサーリンク ペットの犬や猫に洋服を着せたり、トリミングすることは、近年当た …救出された子どものオランウータンは、野生でも生きていけるように、この施設でエサの取り方や、木の登り方、巣の作り方などを学ぶ。通常であればこれらのスキルは母親から学ぶものなのだが、ペットとして飼われていたため、人間が教育する必要があるのである。スポンサーリンク アメリカ・カリフォルニア州のサンディエゴ動物園で飼育していたガ …しかし、これらの赤ちゃんのほとんどは、親を亡くした孤児のオランウータンなのだという。