しかし、温暖化の原因のひとつであるフロンには、そもそもオゾン層を破壊する働きがあるため、一概に回復が早まるとは言えません。また、地球温暖化によりオゾン層が回復したとしても、地球環境は悪化してしまいます。 スポンサーリンク私たちが地上で安全に生活できるのは、『オゾン層』があるからといっても過言ではありません。それは、オゾン層は太陽からの紫外線を吸収してくれているからです。もし、オゾン層が無く、太陽からの紫外線が直接、生物たちに降り注げば大変なことになってしまいます。紫外線はエネルギーが強く、生物のDNAを傷つけてしまいますから。DNAがたくさん傷ついてしまうと、修復が間に合わなかったり、修復ミスのせいで皮膚ガンになってしまいます。そうなってしまうと太陽の下にはいられません。遥か昔、海の中で行われた生物たちの光合成により、大気の酸素濃度は上昇しました。昔の大気には酸素は少なく、二酸化炭素が多かったのです。そして、生物たちの光合成によってできた酸素は、太陽から降り注ぐ紫外線を受け、オゾンへと姿を変えます。その積み重ねの結果、オゾン層は形成していったのです。オゾン層ができたおかげで、生物たちはどんどん陸上へと進出し、現在に至るまでにその種を増やしてきました。このようにオゾン層と生物の関わりは深く、重要であることがわかります。では、今回はそんなオゾン層についてお話ししていきたいと思います。目次スポンサーリンクそもそもオゾンとはなんなのか?酸素はO₂、つまり、酸素原子が2つです。一方、オゾンはO₃で酸素原子が3つからなる酸素の同素体なのです。同素体とは、同じ元素なのに結晶構造や結合様式から異なる物性を持つ物のことを言います。身近な同素体の例をあげると、炭素Cはダイヤモンドと鉛筆の芯、フラーレンなどがあります。同素体は同じ元素なのに、硬くて綺麗なダイヤモンドともろくて黒い鉛筆の芯のように物性が全く異なります。酸素は無色透明、無臭、酸素が無ければ私たちは生きていくことができません。しかし、オゾンには毒性があり、薄い青色の生臭い匂いの気体なのです。また、高濃度では呼吸困難や麻痺を引き起こし、最悪死にも至る恐ろしい気体。そのため、高濃度のオゾンの取り扱い時には、全面マスクは必須です。しかし、そんな恐ろしい気体ですが、紫外線から私たちを守ってくれているというわけです。また、それだけでなく身近なところでも役立っており、水道水の殺菌や食品添加物にも使用されています。量が多いと毒となりますが、適切に扱えば有益になる。薬と同じですね。では、このオゾンからできているオゾン層とはどんなものなのでしょうか?オゾン層とは、イメージではオゾンが集まってバリアのようなものを作っていると思うかもしれませんが、実際はそうではありません。私たちの生活する地上から遥か上空、10キロ~50キロにある成層圏のオゾン濃度が高い部分をオゾン層と呼んでいます。また、この中でも20~25キロの部分は特にオゾンの濃度が高くなっています。そして、このオゾン層が太陽から降り注ぐ320 nm以下の紫外線を吸収し、私たちを守ってくれています。では、このオゾン層はどのように紫外線を吸収しているのでしょうか?まず、酸素分子が242 nm以下の紫外線を吸収することで光解離し①、2つの酸素原子に分かれます②。分かれた酸素原子は酸素分子と結びつき、酸素原子3つのオゾンとなります③。次にオゾンは320 nm以下の紫外線を吸収④、再び酸素原子と、酸素分子に分かれるのです⑤。このようにオゾン層では、紫外線を吸収することでオゾンができたり、酸素に戻ったりの繰り返しが起こっています。私たちを守ってくれている大切なオゾン層ですが、様々な要因で破壊されてはまたり、作られるを繰り返しています。人工的な要因の代表例としては塩素を含むフロンガスや、亜酸化窒素などがあげられます。フロンガスは安定しているため、オゾン層がある上空まで行くことができます。そして、紫外線を吸収分解、塩素を放出し、オゾン層を破壊するのです。また、オゾン層の破壊は人間によるものだけではなく、自然から発生するヒドロキシラジカルや一酸化窒素、塩素原子に火山ガスなど、様々な要因でも破壊されます。オゾン層は分解されてもまた作られるというバランスが保たれていました。しかし、人間の出した化学物質によって、オゾン層の分解の方が、加速することになってしまっているのです。そして、オゾン層のオゾン濃度が極端に薄くなったところをオゾンホールと呼んでいます。現在、このオゾンホールは、春季の南極や北極で確認されていますが、私たちが住んでいる上空ではなく、北極や南極で発生するのか?それは、北極や南極の環境下で発生しやすい特殊な雲、極成層圏雲がオゾン層の破壊を速めるからのです。この雲は、普通の雲のように水でできるわけでなく、オゾン層を破壊すると言われている塩素原子や硫酸エアロゾルによってできるのです。1987年にモントリオール議定書でフロンガスの使用が制限されて以来、私たち人類は様々な対応をしてきました。そのおかげで2050年にはオゾンホールは縮小すると言われています。しかし、最近の研究では、オゾンホールの原因は禁止されたフロンなどだけではなく、様々な要因の可能性があると示唆されました。南極や北極では特殊な雲のせいでオゾン層が余計に破壊されていますが、私たちが住んでいる人口が多い場所では臭素系の溶剤や脱脂剤などにつかわれる物質が、下部のオゾン層を破壊しているとされています。オゾン層は10~50キロありますが、下部のオゾン層が破壊されれば、もちろんそれだけ紫外線の吸収は落ち、私たちに多くの紫外線が降り注ぐことになります。また、温暖化などが原因で気象が変わり、オゾン層を破壊する物質の流れが変わることにも、大きな影響が出ると考えられています。これからオゾン層はどうなってしまうのでしょうか?1人1人が意識していくことが大切です。私たちは便利な生活と引き換えに自然を破壊してきました。その結果、便利とはかけ離れた状況を作り出してしまうのかもしれません。それはまさに原発も同じです。原発を否定する気はありませんが、やはりもっと私たちは自然と向き合わなければいけないのかもしれません。また、原因を1つに決めつけてしまうのではなく、もっとたくさんの視点から物事を見ないといけないですね。スポンサーリンク皆様こんにちは! 先日、イオンモール高の原でサイエンスショーをさせていただきまし ...夜空を見上げた時、皆さんは何を考えますか? 星が綺麗とか、宇宙は壮大であるとか、 ...ふわふわのスポンジを作ったり、サクサクのクッキーを作ったりする時にベーキングパウ ...2017年、つまり今年の教科書には、今の大学生から上の人たちの知らない言葉がのっ ...世の中には発がん性物質が溢れているわけですが、直近でもこんなニュースがありました ...スポンサーリンクくもM科学を通じて学びを遊びに変える活動をしています。ブログはその一環で、みなさんの身近な疑問の解決に繋がれば幸いです。親子の時間研究所 研究員 コラム連載科学実験教室講師月1生駒ベルテラスにて科学実験イベント各地でサイエンスショー実験動画・科学ニュースを配信中⇩イベント出演・YouTubeコラボなどのご依頼はお問い合わせからお願い致します。お待ちしております。大人になるにつれて勉強が苦手だと感じる方が多いのではないでしょうか?テストの点を ...身近な科学を通じて、学びを遊びに変えるため、サイエンスショーや実験教室・様々な活 ...先日、スーパーの帰り道、衝撃的に大きくて立派な「コガネグモ」を見つけたので、記事 ...今回は誰でも失敗しないスライムの作り方を紹介していきます。 スライムはせんたくの ...今回紹介する本は『生き物の死にざま』です。 この本はとても詞的で、『生きること』 ...皆様こんにちは。『学び』×『遊び』子供実験教室のくもMです。6月よりついに生駒校 ...皆様こんにちは!今回は久々に書籍の紹介をしようと思います。今回紹介する一冊はこち ...Copyright © WordPress Luxeritas Theme is provided by " こわれ始めているオゾン層を、人工的に作ったオゾンで回復させることも何度か考えられたが、オゾンを安定した状態で15~35kmの上空まで運ばなくてはならないため、今の技術では無理だと言われている。 ©ããã«æ¸å°ãã¦ããã æ°è±¡åºï¼ã100-8122æ±äº¬é½å代ç°åºå¤§æçº1-3-4 代表é»è©±ï¼03-3212-8341 フロンガス排出規制の効果で、破壊が進んでいたオゾン層は1997年をピークに回復傾向にあるという研究報告が、8月20日に発表された 。 この研究は、米 ジョージア工科大学 の研究チームが 米航空宇宙局 (NASA) と 米海洋大気庁 (NOAA) のデータに基づき行ったもの。 ダメージを受けたオゾン層は、地球温暖化を促しただけでなく、白内障や皮膚がんなどの病気のリスクまで増加させ、最悪な時期とされた1990年代後半は、オゾン層上層部の10%が破壊されたといわれてい … 朗報! オゾン層は2060年までに完全に治癒するんだって. 南極にオゾンホールが出来やすい理由. ã¾ãã2014å¹´ã«å ¬è¡¨ãããããªã¾ã³å±¤ç ´å£ã®ç§å¦ã¢ã»ã¹ã¡ã³ãï¼2014ãã«ããã¨ã大æ°ä¸ã®ãªã¾ã³å±¤ç ´å£ç©è³ªã®æ¿åº¦ãç¾å¨ãããæ¸å°ããã¨äºæ³ããã¦ãã21ä¸ç´å¾åã«ããã¦ã 2018.11.12 21:00; 49,666. 株式会社ランフォリンクス地球環境問題で、唯一、回復に向かっているのは、オゾン層破壊の問題と言えるでしょう。 オゾン層は、地球を取り巻く大気層の一つで、太陽からの紫外線を地球表面に降り注ぐことを防いているものです。オゾン層破壊の問題は、そのオゾン層が、フロンによって破壊されているというもの。フロンに含まれている塩素原子がオゾンを破壊し、オゾンホールが生まれます。オゾンホールとは、オゾン層に穴が開いた部分のこと。そこにはオゾンが無いため、有害な紫外線が直接地球表面に届いてしまいます。1970年代にそのことが指摘され、1987年にモントリオール議定書により各国間での規制が行われ、日本では1996年には特定フロンが全廃されています。同様に各国も代替フロンに置き換わり、オゾン層を破壊する塩素を含んだフロンが無くなりました。そして、2016年には、オゾンホールが小さくなっていることを確認できました。長年にわたりましたが、フロンを生産・使用されなくなったことで、オゾン層の破壊が食い止められたということになります。 ここでのポイントは、国が規制をして進めたこと。そして一般消費者は特に意識していないこと。 つまり、ほぼ企業が努力して、代替フロンを生産し、代替フロンに置き換えて、商品を売っていたということです。一般消費者は、フロンを使用していようが、代替フロンであろうが、同じ機能を果たすなら商品を選ぶにも関係ありません。フロンを使用している商品が世の中から無くなったため、フロン使用製品を選ぶことができなくなった、それだけの話です。 同じように、他の環境問題も解決していければいいのですが、そううまくはいきません。それは、企業側が嫌がっているからです。自動車にしても電化製品にしても、燃費はよくなってはいます。でもそれだけです。燃費の悪い商品もまだまだあります。しかも安く手に入ります。 国の規制も甘ければ、消費者も将来のことを考えれる人が少ないからです。 フロンがなくなり代替フロンに置き換わっても、代替フロンは温室効果が高く、地球温暖化に大きな影響を及ぼします。代替フロンからノンフロンには、まだまだ時間がかかりそうです。 国の強い規制がなければ、問題は解決しないのでしょうか。悲しいことですが。 最近の投稿アーカイブカテゴリー固定ページアーカイブカテゴリー連絡先
オゾンホールは南極の春から初夏(9~10月頃)にかけて、南極上空で観測され、年々その規模は拡大しているといわれています。南極にオゾンホールが出来やすい理由としては、以下の2つの要因が大きいです。 極渦 岡本玄介 ; Image: FutureTimeline.net